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決算書とは(会社と個人事業主の決算書、読み方の順番)

最終確認日 2026年10月31日

まず、よくある答え

決算書は、事業年度の1年間にいくら売り上げていくら利益が出たか(損益計算書)と、期末にどんな財産と借入があるか(貸借対照表)をまとめた書類です。株式会社では会社法435条2項と会社計算規則59条1項により、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の4つを作り、個人事業主は確定申告で青色申告決算書か収支内訳書を出します。

財務指標の計算

貸借対照表と損益計算書の数字から、自己資本比率・流動比率・各利益率を計算式つきで出します。

指標を計算する

貸借対照表の例:A社(小売業の小さな株式会社、3月決算)

資産の部

流動資産(20,000,000円)

現金及び預金8,000,000円
売掛金6,000,000円
商品5,000,000円
前払費用1,000,000円

固定資産(8,000,000円)

建物附属設備3,000,000円
車両運搬具2,000,000円
工具器具備品1,000,000円
差入保証金2,000,000円

資産合計28,000,000円

負債の部

流動負債(8,500,000円)

買掛金4,000,000円
未払金1,500,000円
短期借入金2,000,000円
未払法人税等600,000円
預り金400,000円

固定負債(9,500,000円)

長期借入金9,500,000円

負債合計18,000,000円

純資産の部

株主資本

資本金3,000,000円
繰越利益剰余金7,000,000円

純資産合計10,000,000円

負債純資産合計28,000,000円

個人事業主の例:Bさん(雑貨のネットショップを営む青色申告の個人事業主)(青色申告決算書の4ページ目)

資産の部(12月31日)

現金300,000円
普通預金2,200,000円
売掛金500,000円
棚卸資産800,000円
工具器具備品450,000円
事業主貸1,600,000円

合計5,850,000円

負債・資本の部(12月31日)

買掛金400,000円
未払金150,000円
事業主借100,000円
元入金2,800,000円
青色申告特別控除前の所得金額2,400,000円

合計5,850,000円

どちらも説明のための架空の数字です。科目名をクリックすると、その勘定科目の解説ページに移ります。

損益計算書の例:A社(小売業の小さな株式会社、3月決算)(1年間)

売上高60,000,000円
売上原価36,000,000円
売上総利益24,000,000円
販売費及び一般管理費21,000,000円
営業利益3,000,000円
営業外収益(受取利息・雑収入)200,000円
営業外費用(支払利息)600,000円
経常利益2,600,000円
特別利益0円
特別損失(固定資産除却損)400,000円
税引前当期純利益2,200,000円
法人税、住民税及び事業税600,000円
当期純利益1,600,000円

個人事業主の例:Bさん(雑貨のネットショップを営む青色申告の個人事業主)(青色申告決算書の1ページ目)

①売上(収入)金額9,000,000円
②期首商品棚卸高600,000円
③仕入金額5,000,000円
⑤期末商品棚卸高800,000円
⑥差引原価4,800,000円
⑦差引金額(売上総利益にあたる額)4,200,000円
経費の合計(地代家賃・荷造運賃・通信費・消耗品費・減価償却費など)1,800,000円
青色申告特別控除前の所得金額2,400,000円
青色申告特別控除額650,000円
所得金額1,750,000円

経費の内訳:地代家賃 600,000円、荷造運賃 480,000円、通信費 120,000円、消耗品費 200,000円、減価償却費 150,000円、その他の経費 250,000円

どちらも説明のための架空の数字です。青色申告決算書の丸数字は国税庁の様式の欄の番号です。

会社の決算書(計算書類)

株式会社は事業年度ごとに計算書類を作り、10年間保存します(会社法435条2項・4項)。会社法の条文が名前を挙げているのは貸借対照表と損益計算書で、残りの株主資本等変動計算書と個別注記表は会社計算規則59条1項が定めています。

株主資本等変動計算書は、資本金や繰越利益剰余金などの純資産が1年でどう動いたかを、当期首残高・当期変動額・当期末残高に分けて示す表です(会社計算規則96条)。小さな会社では、当期純利益で繰越利益剰余金が増えた、というだけの年も少なくありません。法人税の申告書には、これらの決算書と勘定科目内訳明細書を添付します。

法人税の申告に必要な書類

個人事業主の決算書

青色申告の個人事業主は、4ページの青色申告決算書(一般用)を作ります。1ページ目が損益計算書、4ページ目が貸借対照表で、65万円か55万円の青色申告特別控除を受ける人は貸借対照表も書きます。白色申告の人は2ページの収支内訳書を出し、こちらには貸借対照表がありません。

下の例のBさんは、売上(収入)金額900万円から差引原価480万円と経費180万円を差し引いて、青色申告特別控除前の所得金額が240万円です。この金額は、4ページ目の貸借対照表の一番下にも同じ額が入ります。

青色申告決算書とは

読む順番

まず損益計算書で、売上高と5つの利益を上から順に見ます。例のA社は売上高6,000万円、売上総利益2,400万円、営業利益300万円、経常利益260万円、当期純利益160万円です。本業でどれだけ稼げたかは営業利益、借入の利息なども含めた普段の稼ぐ力は経常利益で分かります。

次に貸借対照表で、資産2,800万円のうち返さなくてよい純資産が1,000万円あるか(自己資本比率35.7%)、1年以内に払う流動負債850万円に対して流動資産が2,000万円あるか(流動比率235.3%)を確かめます。最後に前の年の決算書と並べて、どこが増え、どこが減ったかを見ます。

貸借対照表の読み方と作り方損益計算書の読み方と作り方

決算書ができるまで

決算書は、日々の仕訳を勘定科目ごとに集めた総勘定元帳の残高から作ります。期末に棚卸や減価償却、未払・前払の整理などの決算整理の仕訳を入れ、試算表で借方と貸方の合計が合うのを確かめてから、貸借対照表と損益計算書の形に並べます。会計ソフトを使っていれば、この並べ替えは自動で行われます。

仕訳とは総勘定元帳とは

よくある勘違い

「決算書は損益計算書のことだ」

→ 損益計算書は決算書の一つです。会社の決算書は貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表の4つがそろって計算書類になります。

「白色申告の個人事業主も貸借対照表を作る」

→ 白色申告の収支内訳書には貸借対照表の欄がありません。貸借対照表を書くのは、青色申告決算書で65万円か55万円の控除を受ける人です。

よくある質問

決算書はいつ作りますか。

会社は事業年度の終わり(決算日)のあと、法人税の申告期限(原則2か月以内)までに作ります。個人事業主は12月31日で締めて、翌年3月15日までの確定申告に間に合うように作ります。

決算書を銀行に出すときに見られる点は。

売上と利益の推移、借入金の額と返済の見通し、純資産がマイナスになっていないかなどがよく見られます。複数年分を出すよう求められるのが一般的です。

自分の決算書の作り方に迷ったら。

日々の記帳は自分でできても、決算整理や申告書の作成で迷うことは多くあります。個別の判断は税理士または税務署にご相談ください。

出典(確認日)

一般的な情報とセルフチェックの提供です(税理士法52条により、個別の税務相談や申告書の作成はお受けしていません)。個別の判断は税理士または税務署にご相談ください。