減価償却とは:個人事業主が知っておく計算の基本
最終確認日 2026年10月15日
減価償却は、仕事に使うパソコンや車、建物などの購入代金を、買った年に一度に経費にせず、耐用年数にわたって分けて経費にする手続です。個人事業主は届出をしなければ定額法で、取得価額に耐用年数ごとの償却率を掛け、使い始めた年は月数で按分します。10万円未満は全額経費、20万円未満は3年均等、青色申告なら40万円未満(令和8年4月以後に取得したもの)を全額経費にできる特例もあります。
減価償却 計算ツール(定額法・定率法・中古・月割)
取得価額、耐用年数、使い始めた月を入れると、国税庁の償却率で毎年の償却費と残高を出します。中古の簡便法と少額の枠の判定にも対応しています。
償却費を計算するなぜ分けて経費にするのか
建物、機械、器具備品、車両などは、使ううちに少しずつ価値が減っていきます。購入した年に全額を経費にすると、その年だけ所得が大きく減り、翌年以降は使っているのに経費が出ないことになるため、使える期間に合わせて配分します。
土地や骨とう品のように時の経過で価値が減らないものは、減価償却の対象になりません。
定額法と定率法
定額法は毎年ほぼ同じ額を経費にし、定率法は初めの年ほど多く、年とともに少なく経費にします。個人事業主の法定の償却方法は定額法で、定率法を使うには届出が必要です。建物と、平成28年4月以後に取得した建物附属設備・構築物は定額法しか使えません。
耐用年数の調べ方
耐用年数は、財務省令(耐用年数省令)の別表に、資産の種類と構造・用途ごとに決められています。主なものは国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」で調べられ、パソコンは4年、普通自動車は6年、軽自動車は4年、木造の住宅用建物は22年です。
中古で買った資産は、新品の耐用年数ではなく、残りの使用可能期間を見積もるか、簡便法で出した短い年数を使えます。
年の途中で使い始めたとき
1年目の償却費は、1年分の償却費を12で割り、その年に使った月数を掛けて出します。7月に使い始めたなら7月から12月の6か月分です。買った日ではなく、仕事に使い始めた月から数えます。
最後の年は、帳簿の価額が1円になるまで償却します。1円は資産がまだあることを示す額として残し、売ったり捨てたりしたときに処理します。
少額の3つの枠
- 10万円未満、または使える期間が1年未満: 使い始めた年に全額を経費(消耗品費など)
- 10万円以上20万円未満: 一括償却資産として、3年間で3分の1ずつ経費(月割なし)
- 青色申告の特例: 10万円以上40万円未満(令和8年3月31日までの取得は30万円未満)を、年合計300万円まで全額経費。令和11年3月31日までの取得が対象
よくある質問
減価償却は必ずしなければいけませんか。
所得税では、減価償却費はその年の必要経費として計算するもので、計上しなかった分を後の年にまとめて経費にすることはできません。毎年きちんと計上しておくことが大切です。
金額は税込ですか、税抜ですか。
消費税の経理方式によります。税込経理なら税込、税抜経理なら税抜の額で判定と計算をします。免税事業者は税込です。
青色申告決算書のどこに書きますか。
3ページ目の「減価償却費の計算」の表に資産ごとに書き、合計を損益計算書の減価償却費に移します。白色の収支内訳書にも同じ表があります。
出典(確認日)
- 国税庁 No.2100 減価償却のあらまし(2026-10-15)
- 国税庁 No.2106 定額法と定率法による減価償却(平成19年4月1日以後に取得する場合)(2026-10-15)
- 国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表(2026-10-15)
- 国税庁 減価償却資産の償却率等表(2026-10-15)