資本金とは(純資産の勘定科目)と仕訳
最終確認日 2026年10月31日
資本金は、会社の設立や増資のときに株主(合同会社なら社員)が払い込んだお金のうち、会社が資本金とした額を記録する勘定科目です(純資産)。法人だけが使い、個人事業主の帳簿では元入金がこれにあたります。
資本金の決まり(会社法)
会社法445条1項は、資本金の額を、設立や株式の発行のときに払込み又は給付をした財産の額としています。同じ条の2項で、そのうち2分の1を超えない額は資本金にせず、資本準備金にできると定めています。
資本金の額は登記事項で、変えるには増資や減資の手続きと変更登記が必要です。最低資本金の制度は会社法の施行で廃止され、法務省の通達は資本金が0円になる場合もあり得るとしています。実務では1円から設立できると説明されることが多い金額です。
資本金の仕訳例
設立のときは、発起人の口座に払い込んだ資本金を、会社の口座ができたあとに移します。帳簿の上では、会社の普通預金と資本金を同じ額で計上します。増資も同じ形で、払い込まれた額だけ資本金が増えます。
| ケース | 借方 | 貸方 | 消費税の区分 |
|---|---|---|---|
| 設立時に300万円を払い込んだ | 普通預金 3,000,000円 | 資本金 3,000,000円 | 対象外 |
| 増資で100万円のうち半分を資本準備金にした | 普通預金 1,000,000円 | 資本金 500,000円、資本準備金 500,000円 | 対象外 |
資本金の額で変わる税金
法人税法66条は、資本金1億円以下の普通法人について、年800万円以下の所得に軽い税率を定めています。大きな法人の100%子会社などは除かれます。
消費税法12条の2は、資本金1,000万円以上で設立した法人を、設立から2年の免税の対象から外しています。1,000万円未満でも、売上の規模やインボイス登録で課税事業者になる場合があります。法人住民税の均等割も、資本金等の額と従業者数で決まります。
消費税の区分
出資の払込みは、会社が何かを売った対価ではないので、消費税の対象外です。国税庁の消費税法基本通達11-2-16も、株券の発行による増資を資産の譲渡等に該当しない取引としています。ただし、お金ではなく物を出資する現物出資は資産の譲渡として扱われます。
個人事業主との違い
個人事業主には資本金がありません。開業のときに事業用に用意したお金は元入金として記帳し、毎年の利益や事業主貸・事業主借の残高を反映して元入金の額が変わっていきます。
関連する科目
- 資本準備金:払込みのうち資本金にしなかった部分
- 繰越利益剰余金:利益の積み上がり
- 元入金:個人事業主の純資産
よくある勘違い
「資本金は会社が自由に使ってはいけないお金だ」
→ 払い込まれたお金は設立後の運転資金に使えます。資本金はその額を記録した数字で、預金の残高とは一致しなくなります。
「資本金は1円が最低額だ」
→ 会社法で最低資本金の制度は廃止され、法務省は0円の場合もあり得るとしています。1円で設立できるというのは実務上の言い方です。
よくある質問
社長が会社に貸したお金は資本金ですか。
返す約束で受け取ったお金は資本金ではなく、役員借入金などの負債です。資本金にするには増資の手続きが必要です。
設立前に払った費用はどうしますか。
登記の費用などは創立費、開業準備の費用は開業費として繰延資産に計上するか、その期の費用にするのが一般的です。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 会社法(445条・911条)(2026-10-31)
- 法務省 会社法の施行に伴う商業登記事務の取扱いについて(最低資本金制度の廃止)(2026-10-31)
- e-Gov法令検索 法人税法(34条・52条・55条・66条)(2026-10-31)
- e-Gov法令検索 消費税法(12条の2、別表第二)(2026-10-31)
- 国税庁 消費税法基本通達 11-2-16(株券の発行に当たって増資を行った場合)(2026-10-31)