経常利益とは(計算式と営業外損益)
最終確認日 2026年10月31日
経常利益は、営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用 で計算する、特別な損益を除いた普段の活動の利益です。例のA社は営業利益300万円 + 営業外収益20万円 − 営業外費用60万円 = 260万円で、経常利益率は4.3%です(会社計算規則91条の経常損益金額)。
財務指標の計算
貸借対照表と損益計算書の数字から、自己資本比率・流動比率・各利益率を計算式つきで出します。
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営業外収益・営業外費用に入るもの
営業外収益には、預金や貸付金の受取利息、受取配当金、本業以外の雑収入(助成金を雑収入とする会社もあります)などが入ります。営業外費用には、借入金の支払利息、手形の売却損、本業以外の雑損失などが入ります。
A社の営業外費用60万円は、長期と短期の借入金の利息です。借入が多い会社ほど営業外費用が大きくなり、営業利益と経常利益の差が開きます。
経常利益率の目安(業種別)
中小企業実態基本調査 令和7年確報(令和6年度決算実績)は、中小企業(法人)の売上高経常利益率を公表していて、全業種で4.4%、建設業で5.7%、小売業で2.6%です。経常利益率は、金融機関が融資の審査で利益の水準を見るときにもよく使われる指標です。
| 業種 | 経常利益率 |
|---|---|
| 合計 | 4.4% |
| 建設業 | 5.7% |
| 製造業 | 5.0% |
| 情報通信業 | 6.3% |
| 運輸業,郵便業 | 4.1% |
| 卸売業 | 2.7% |
| 小売業 | 2.6% |
| 不動産業,物品賃貸業 | 9.0% |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 13.0% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 4.3% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 2.8% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 5.6% |
経常利益の見方
営業利益より経常利益が大きく下回っている場合は、借入金の利息が利益を圧迫しています。金利の見直しや、手元資金で借入を減らすことも検討材料になります。
反対に、受取利息や雑収入で経常利益が営業利益を大きく上回っている場合は、本業以外の収入に頼っている状態です。その収入が来年も続くかどうかを確かめて、本業の利益と分けて考えます。
営業利益・当期純利益との違い
営業利益(A社300万円)は本業だけの利益で、経常利益(260万円)は利息など財務の損益も含めた利益です。経常利益から、固定資産の除却損などの特別損益を加減したものが税引前当期純利益(220万円)、そこから法人税等を引いたものが当期純利益(160万円)です。
特別損益はその年だけの臨時のものなので、何年かの業績を比べるときは当期純利益より経常利益のほうが安定した比較になります。
よくある勘違い
「経常利益は本業だけの利益だ」
→ 本業だけの利益は営業利益です。経常利益は、利息の受け払いなど本業以外で毎年生じる損益も含めた利益です。
「経常利益が黒字ならその分の税金がかかる」
→ 法人税は会計の利益ではなく、税務上の所得で計算します。繰越欠損金がある場合などは、経常利益が黒字でも税額が小さくなることがあります。
よくある質問
経常利益がマイナスとは。
本業の利益で利息などをまかなえていない状態で、経常損失と表示します。借入の返済計画を見直すきっかけになります。
個人事業主にも経常利益はありますか。
青色申告決算書には経常利益の行がありません。所得金額は、利息も経費として差し引いたあとの金額で、本人の報酬を引く前の利益です。
自分の会社の損益の区分に迷ったら。
営業外か特別かで経常利益が変わるので、判断に迷うときは税理士または税務署に相談します。
為替差損益はどこに入りますか。
外貨建ての取引や預金で生じた為替差損益は、一般に営業外収益か営業外費用に入るので、経常利益に影響します。
経常利益は決算書のどこにありますか。
損益計算書の営業外費用の下、特別利益の上の行です。マイナスなら経常損失と書かれています。
助成金は経常利益に入りますか。
雇用関係の助成金などを営業外収益の雑収入とする会社が多く、その場合は経常利益に入ります。臨時で大きなものを特別利益とする扱いもあります。
経常利益と所得の違いは。
経常利益は会計の利益で、法人税の所得はそこから税務上の加算・減算をした金額です。交際費の限度超過などは所得に加算されます。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 会社計算規則(59条・73条〜76条・88条〜94条・96条)(2026-10-31)
- 国税庁 令和7年分 青色申告決算書(一般用)の書き方(2026-10-31)
- 中小企業庁 中小企業実態基本調査 令和7年確報 調査の概況 第10-1表 中小企業(法人企業)の経営指標(産業大分類別)(e-Stat)(2026-10-31)