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貸借対照表(B/S)の読み方と作り方

最終確認日 2026年10月31日

まず、よくある答え

貸借対照表(B/S)は、決算日時点の財産を、左側の資産と、右側の負債・純資産に分けて示す表で、左右の合計はいつも一致します。例のA社は資産2,800万円に対して、負債が1,800万円、純資産が1,000万円です(会社計算規則73条〜76条)。

財務指標の計算

貸借対照表と損益計算書の数字から、自己資本比率・流動比率・各利益率を計算式つきで出します。

指標を計算する

貸借対照表の例:A社(小売業の小さな株式会社、3月決算)

資産の部

流動資産(20,000,000円)

現金及び預金8,000,000円
売掛金6,000,000円
商品5,000,000円
前払費用1,000,000円

固定資産(8,000,000円)

建物附属設備3,000,000円
車両運搬具2,000,000円
工具器具備品1,000,000円
差入保証金2,000,000円

資産合計28,000,000円

負債の部

流動負債(8,500,000円)

買掛金4,000,000円
未払金1,500,000円
短期借入金2,000,000円
未払法人税等600,000円
預り金400,000円

固定負債(9,500,000円)

長期借入金9,500,000円

負債合計18,000,000円

純資産の部

株主資本

資本金3,000,000円
繰越利益剰余金7,000,000円

純資産合計10,000,000円

負債純資産合計28,000,000円

個人事業主の例:Bさん(雑貨のネットショップを営む青色申告の個人事業主)(青色申告決算書の4ページ目)

資産の部(12月31日)

現金300,000円
普通預金2,200,000円
売掛金500,000円
棚卸資産800,000円
工具器具備品450,000円
事業主貸1,600,000円

合計5,850,000円

負債・資本の部(12月31日)

買掛金400,000円
未払金150,000円
事業主借100,000円
元入金2,800,000円
青色申告特別控除前の所得金額2,400,000円

合計5,850,000円

どちらも説明のための架空の数字です。科目名をクリックすると、その勘定科目の解説ページに移ります。

資産・負債・純資産の並び

会社計算規則73条は、貸借対照表を資産、負債、純資産の部に分けて表示するとしています。資産の部は流動資産・固定資産・繰延資産に、固定資産はさらに有形固定資産・無形固定資産・投資その他の資産に分かれます(74条)。負債の部は流動負債と固定負債です(75条)。

純資産の部は、株式会社なら株主資本・評価換算差額等・株式引受権・新株予約権に分かれ、株主資本の中に資本金、資本剰余金、利益剰余金、自己株式(控除項目)が並びます(76条)。小さな会社では、資本金と繰越利益剰余金の2行だけということもよくあります。

流動と固定の分け方

会社計算規則74条は、決算日の翌日から1年以内に現金化や費用化されるものを流動資産とし、4項で「一年内」の数え方を定めています。売掛金や受取手形のように通常の取引(経常的に、または短期間に循環して発生する取引)から生じたものは、期限が1年を超えても流動資産です。

負債も同じ考え方で、買掛金など通常の取引から生じたものと、1年以内に払うものが流動負債、長期借入金など1年を超えて返すものが固定負債です(75条)。長期借入金のうち翌年に返す分を流動負債に移して表示する会社もあり、その場合は1年以内に返す額が分かりやすくなります。

流動資産とは

勘定科目の置き場所

下の表の科目名は、それぞれの勘定科目の解説ページにつながっています。売掛金、商品(棚卸資産)、前払費用は流動資産、工具器具備品や差入保証金は固定資産、買掛金や未払金、預り金は流動負債、資本金と繰越利益剰余金は純資産です。

未払法人税等は、その期の利益にかかる法人税などのうち、決算日にまだ払っていない分です。損益計算書の法人税、住民税及び事業税と同じ額が、貸借対照表の流動負債に入ります。

見るべきポイント

一つ目は、資産のうち純資産がどれだけあるかです。A社の自己資本比率は35.7%で、中小企業実態基本調査 令和7年確報(令和6年度決算実績)の小売業(法人)の39.4%と比べると、借入への依存はやや少ない状態です。

二つ目は、1年以内に払う負債に対して、1年以内に現金になる資産が足りているかです。A社の流動比率は235.3%、在庫を除いた当座比率は164.7%です。三つ目は、前の年と比べて借入金や売掛金が大きく増えていないかで、売上が増えていないのに売掛金だけ増えていれば、回収が遅れているかもしれません。

自己資本比率とは流動比率とは純資産とは

作り方

総勘定元帳の期末残高のうち、資産・負債・純資産の科目を集めて並べます。その前に、棚卸で期末の在庫を数えて商品の残高を合わせ、減価償却費を計上し、未払費用や前払費用を整理します。最後に、当期純利益を繰越利益剰余金に加えると、資産の合計と負債・純資産の合計が一致します。

総勘定元帳とは繰越利益剰余金とは

個人事業主の貸借対照表

青色申告決算書の4ページ目は、1月1日(期首)と12月31日(期末)の2列の貸借対照表です。資本金の代わりに元入金、生活費などに回したお金は事業主貸、個人のお金を入れたときは事業主借の行があります。例のBさんは、期末の資産の合計が585万円です。

負債・資本の部の一番下には青色申告特別控除前の所得金額(Bさんは240万円)が入り、国税庁の書き方は、損益計算書と貸借対照表のこの金額は一致するとしています。合わないときは、記帳の漏れや元入金の計算を確かめます。

元入金とは事業主貸とは

よくある勘違い

「貸借対照表の右側は借金の一覧だ」

→ 右側には返す必要のある負債と、返さなくてよい純資産の両方が並びます。資本金や利益の積み上がりは負債ではありません。

「資産が多い会社ほど安全だ」

→ 資産が多くても、その多くが借入でまかなわれていれば返済の負担が大きくなります。純資産の割合や、短期の支払能力と合わせて見ます。

よくある質問

B/Sの左右が合わないときは。

当期純利益を繰越利益剰余金(個人は所得金額の行)に入れ忘れていないか、仕訳の片側だけを記帳していないかを確かめます。会計ソフトでは、期首残高の入力漏れもよくある原因です。

繰延資産とは何ですか。

創立費や開業費のように、支出の効果が将来にも及ぶとして資産に計上し、何年かに分けて費用にするものです。小さな会社ではないことも多い区分です。

自分の会社の科目の置き場所に迷うときは。

勘定科目の解説ページで区分を確かめ、判断に迷う取引は税理士または税務署に相談します。

減価償却累計額はどこに書きますか。

固定資産から直接差し引いて表示する方法と、固定資産の下に累計額を控除項目として並べる方法があります。小さな会社では直接差し引く方法がよく使われます。

期首と期末のどちらの貸借対照表を見ればよいですか。

会社の決算書は期末の1列だけのことが多いので、前の期の決算書の期末と並べて見ます。個人事業主の青色申告決算書は期首と期末の2列があり、1年の増減がそのまま分かります。

出典(確認日)

一般的な情報とセルフチェックの提供です(税理士法52条により、個別の税務相談や申告書の作成はお受けしていません)。個別の判断は税理士または税務署にご相談ください。