自己資本比率とは(計算式と業種別の目安)
最終確認日 2026年10月31日
自己資本比率は、純資産 ÷ 総資産(負債+純資産)× 100 で計算する割合で、会社の財産のうち返さなくてよいお金でまかなっている部分を示します。例のA社は純資産1,000万円 ÷ 総資産2,800万円で35.7%、中小企業実態基本調査 令和7年確報(令和6年度決算実績)の中小企業(法人)全体では44.9%です。
財務指標の計算
貸借対照表と損益計算書の数字から、自己資本比率・流動比率・各利益率を計算式つきで出します。
指標を計算する自分の数字で計算する
決算書の数字を入れて「計算する」を押すと、このページの指標と関連する指標を表示します。入力はこのページの中だけで計算し、送信も保存もしていません。
計算はJavaScriptを使います。財務指標の計算
計算式と使う数字
自己資本比率の分子は貸借対照表の純資産の部の合計、分母は資産の合計(負債と純資産の合計と同じ額)です。この調査が公表している自己資本比率も、純資産を総資本で割った値です。
A社の純資産は資本金300万円と繰越利益剰余金700万円です。毎年の利益を配当せずに残していけば繰越利益剰余金が増え、自己資本比率は上がっていきます。
業種別の目安
自己資本比率の水準は業種で違い、中小企業実態基本調査 令和7年確報(令和6年度決算実績)では建設業49.4%、小売業39.4%、宿泊業・飲食サービス業31.0%です。設備や店舗に多くの資金がかかる業種ほど、借入で始めることが多く低くなりがちです。
この数字は業種ごとの合計どうしで計算した値で、規模の大きい会社の影響を受けます。自分の会社がこれより低いかどうかより、毎年上がっているか下がっているかを見るほうが手がかりになります。
| 業種 | 自己資本比率 |
|---|---|
| 合計 | 44.9% |
| 建設業 | 49.4% |
| 製造業 | 49.3% |
| 情報通信業 | 54.1% |
| 運輸業,郵便業 | 36.9% |
| 卸売業 | 43.7% |
| 小売業 | 39.4% |
| 不動産業,物品賃貸業 | 38.4% |
| 学術研究,専門・技術サービス業 | 66.9% |
| 宿泊業,飲食サービス業 | 31.0% |
| 生活関連サービス業,娯楽業 | 31.4% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 43.4% |
低いと何が問題か
自己資本比率が低いのは、資産の多くを借入などの負債でまかなっている状態です。売上が落ちたときにも利息と元本の返済が続くので、資金繰りが苦しくなりやすく、金融機関の審査でも見られる項目です。
マイナスになると、負債が資産を上回る債務超過です。すぐに会社が続けられなくなるわけではありませんが、新しい借入や取引の審査が厳しくなることがあります。
上げる方法
利益を出して繰越利益剰余金を積み上げるのが基本です。ほかに、増資で資本金を増やす方法、使っていない資産を売って借入を返し総資産を小さくする方法があります。役員からの借入を資本金に振り替える方法もありますが、登記や税金の手続きがかかるので、専門家に相談して進めます。
推移で見る
自己資本比率は、3年から5年の決算書を並べて推移を見ると、会社の体力が増しているかどうかが分かります。利益が出ているのに比率が下がっている場合は、借入で資産を増やしているか、配当や役員への貸付で純資産が流れ出ていないかを確かめます。
設備投資をした年は、借入で資産が増えるので比率が一時的に下がります。投資の効果で利益が増えて、何年かかけて比率が戻っていくかを見るのが自然な読み方です。
よくある勘違い
「自己資本比率は高ければ高いほどよい」
→ 借入を上手に使って事業を広げている会社では低めに出ます。高すぎて手元資金を活かせていない場合もあり、業種と会社の段階で見方が変わります。
「個人事業主にも自己資本比率がある」
→ 個人事業主の貸借対照表は元入金や事業主貸・借が入り、事業と家計のお金が混ざるので、会社と同じ意味の自己資本比率は出しにくくなります。
よくある質問
自己資本比率と純資産比率は同じですか。
中小企業ではほぼ同じ意味で使われます。厳密には、純資産から新株予約権などを除いたものを自己資本とする定義もあります。
赤字が続くとどうなりますか。
当期純損失の分だけ繰越利益剰余金が減り、純資産が小さくなるので自己資本比率は下がります。
自分の会社の数字の見方に迷ったら。
決算書の数字で下の計算を試し、増資や借入の判断に関わるときは税理士または税務署、金融機関に相談します。
期の途中の自己資本比率は分かりますか。
月次の試算表の貸借対照表の数字を使えば、期の途中でも同じ計算ができます。