家事按分(かじあんぶん)とは:割合の決め方と記録
最終確認日 2026年10月15日
家事按分(かじあんぶん)は、仕事と私生活の両方に使う費用(家事関連費)のうち、仕事に使った部分だけを必要経費にする計算です。所得税法施行令96条と基本通達45-2により、仕事に使う部分が50%を超えるか、50%以下でも仕事の部分を明らかに区分できれば、その部分を経費にできます。割合は面積、時間、日数、走行距離などの客観的な基準で決め、根拠を残します。
家事関連費と家事按分
生活のための支出(家事費)は経費になりません。家賃、電気代、通信費、車の費用のように、一つの支出が仕事と生活の両方に関係するものを家事関連費といい、仕事に直接必要だった部分を明らかに区分できる場合に、その部分だけが経費になります。
基本通達45-2は、仕事に必要な部分が50%を超えるかどうかで判定し、50%以下でも必要な部分を明らかに区分できればその部分を経費にして差し支えないとしています。按分の結果が少ない割合でも、根拠があれば経費にできます。
割合の決め方
- 家賃・固定資産税・建物の減価償却費: 仕事に使う部屋の床面積 ÷ 住まい全体の床面積
- 電気代: 仕事に使う時間や部屋のコンセント・機器の使用量(基本料金を含めて同じ割合にすることが多い)
- スマートフォン・インターネット: 仕事で使う時間や日数の割合
- 車の費用: 仕事で走った距離 ÷ 全体の走行距離、または仕事で使う日数
- 水道代・ガス代: 店舗や作業場で使う場合を除き、仕事との関係を説明しにくいことが多い
計算の例
家賃月12万円の2LDK(60平方メートル)のうち、15平方メートルの一部屋を仕事専用にしているなら、割合は25%で、家賃の経費は月3万円、年36万円です。リビングの一角を仕事にも使う程度なら、使う時間も考えて割合を控えめにします。
車を週5日のうち3日仕事に使い、走行距離の記録でも6割が仕事なら、ガソリン代、保険料、車検代、減価償却費の60%を経費にします。
証拠の残し方
間取り図に仕事用の場所を書き込んだもの、仕事に使う時間の記録、走行距離のメモなど、割合の根拠になる資料を保存します。毎年同じ考え方で計算し、生活の変化があれば見直します。
家族と生計を一にしていて、家族名義の家に家賃を払っている場合は、その家賃は経費になりません(固定資産税などは按分して経費にできます)。名義と支払いの関係も確かめておきます。
よくある誤り
根拠なく割合を高くしたり、年によって理由なく割合を変えたりすると、税務調査で説明できません。また、家族が使う車や家族旅行の費用など、仕事との関係を説明できない支出は、割合を低くしても経費にはなりません。
よくある質問
読み方は。
「かじあんぶん」と読みます。家事は家庭の生活、按分は基準に従って分けるという意味です。
何%までなら認められますか。
決まった上限や目安の割合はありません。実際の使い方にもとづいて、説明できる割合で計算します。
白色申告でも家事按分できますか。
できます。仕事に必要な部分を明らかに区分できれば、青色申告と同じように経費にできます。
出典(確認日)
- 国税庁 所得税基本通達 45-1・45-2(家事関連費)(2026-10-15)
- 国税庁 No.2210 必要経費の知識(2026-10-15)