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絵画・美術品の減価償却:100万円の基準

最終確認日 2026年10月15日

まず、よくある答え

絵画などの美術品は、1点の取得価額が100万円未満なら原則として減価償却資産として扱い、100万円以上なら原則として時の経過で価値が減らない資産として減価償却できません。古美術品や出土品のように歴史的価値や希少価値があり代替のきかないものは、金額にかかわらず対象外です。事務所に飾る絵の耐用年数は、器具備品の室内装飾品として8年(主に金属製なら15年)です。

100万円の基準

所得税基本通達2-14は、古美術品などの代替性のないものと、それ以外の美術品等で取得価額が1点100万円以上のものを「時の経過によりその価値の減少しない資産」として扱います。ただし、100万円以上でも時の経過で価値が減ることが明らかなものは減価償却できます。

反対に、1点100万円未満のものは、時の経過で価値が減らないことが明らかな場合を除き、減価償却資産として扱います。この基準は平成27年1月から適用されていて、それ以前は20万円未満が目安でした。

出典:国税庁 所得税基本通達 2-14(美術品等についての減価償却資産の判定)

耐用年数と計算

事務所や店舗に飾る絵画は、器具備品の「室内装飾品」に当たり、主として金属製のもの以外は8年です。50万円の絵を1月から飾るなら、定額法の償却率0.125で毎年6万2,500円です。

10万円未満なら全額経費、20万円未満なら一括償却資産、青色申告なら40万円未満(令和8年4月以後の取得)の特例も使えます。

少額の枠

出典:国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

価値が減ることが明らかなもの

通達の注では、会館のロビーや葬祭場のホールのように不特定多数が利用する場所に飾るために取得し、移設が難しくその用途にしか使わないことが明らかで、ほかに転用すると美術品としての市場価値が見込まれないものを例に挙げています。

個人事業主の事務所に飾る絵がこれに当たることは多くありません。100万円以上の絵を減価償却する場合は、根拠を説明できるようにしておく必要があります。

出典:国税庁 所得税基本通達 2-14(美術品等についての減価償却資産の判定)

事業に使っているか

減価償却できるのは、事業のために使っている美術品だけです。自宅のリビングに飾っている絵は、事業用とは言えません。店舗や事務所の来客の目に入る場所に飾るなど、事業との関係を説明できる使い方が前提になります。

出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし

買ったときに残す記録

美術品を事業用に買ったら、作家名、作品名、購入先、取得価額、飾っている場所を一覧にしておきます。100万円の基準は1点ごとの取得価額で判定するため、何点かをまとめて買ったときは1点ずつの価格が分かる書類を残します。

絵を別の場所へ移したり、自宅に持ち帰ったりしたときは、事業に使わなくなった日から減価償却をやめます。一覧に移動の日付を書き加えておくと、毎年の計算で迷いません。事務所を移転したときも、新しい事務所で引き続き飾っていれば減価償却を続けられます。

出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし

よくある質問

額縁代は取得価額に入りますか。

絵と一体で飾るための額縁は、取得価額に含めて判定するのが一般的です。

リースやレンタルの絵は。

レンタル料は、借りている期間の経費になります。減価償却はしません。

100万円以上の美術品を売ったら。

減価償却していない美術品を売った利益は、一般的には譲渡所得として扱われます。

出典(確認日)

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