就業規則とは:何を定め、誰が作り、どう届け出るか
最終確認日 2026年10月17日
就業規則は、始業・終業の時刻、休日、賃金の決め方と支払日、退職と解雇の事由など、職場で働く全員に共通するルールを書いた文書です。常時10人以上の労働者を使う事業場は、作成して労働基準監督署長に届け出る義務があります(労働基準法89条)。
就業規則 メーカー
モデル就業規則(令和7年12月版)を基に、労働時間・休日・賃金・副業・定年の選択から就業規則を組み立てます。10人未満版、意見書、就業規則届、育児・介護の規則もPDFで出力します。
就業規則を組み立てる何を定めるか
労働基準法89条は、就業規則に書く事項を号ごとに並べています。1号から3号は定めの有無にかかわらず書く事項で、一般的には「絶対的必要記載事項」と呼ばれます。始業・終業の時刻、休憩、休日、休暇、交替制の就業時転換、賃金の決定・計算・支払の方法、締切日と支払日、昇給、そして解雇の事由を含む退職に関する事項です。
3号の2から10号は、会社がその制度を設けるなら書く事項で、「相対的必要記載事項」と呼ばれます。退職手当、賞与などの臨時の賃金、食費や作業用品の負担、安全衛生、職業訓練、災害補償、表彰と制裁、全員に適用されるその他の定めが入ります。なお、この二つの呼び名は条文の書き分けからくる説明上の分類で、法律の文言そのものではありません。
出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)
誰に作成・届出の義務があるか
義務があるのは、常時10人以上の労働者を使用する使用者です。人数は会社全体ではなく、本社・支店・店舗などの事業場ごとに数えます。正社員だけでなくパートやアルバイトも、常態として雇っていれば人数に入ります。
内容を変えたときも届出が要ります。届出の際は、過半数で組織する労働組合、なければ労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、その意見を書いた書面(意見書)を添付します(同法90条)。作成や届出、意見聴取、周知を怠ると、30万円以下の罰金の対象になります(同法120条)。
出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)
労働条件通知書・雇用契約書との関係
労働条件通知書は一人ひとりの労働条件を示す書面で、就業規則は全員に共通する基準です。賃金の額や契約期間のように人によって違う項目は通知書に書き、共通の事項は「就業規則第何条による」として就業規則を参照する形が一般的です。
労働契約で就業規則の基準に達しない条件を定めても、その部分は無効になり、就業規則の基準によります(労働契約法12条)。また、合理的な内容の就業規則を周知していれば、その規則の労働条件が労働契約の内容になります(同法7条)。
モデル就業規則から作る手順
厚生労働省は、条文の例と解説をまとめたモデル就業規則を公開しています。最新は令和7年12月版で、総則から副業・兼業までの14章・70条です。下線部の日数や金額を自社の実態に合わせて決め、使わない制度の条文を外し、変形労働時間制などの例から自社に合う形を選びます。
就業規則 メーカーで、9時から18時(休憩1時間)、土日休み、月給、退職金なし、副業は届出制、定年60歳として組み立てると、標準版は13章56条になりました。退職金の章や、選ばなかった手当・特別休暇の条文は外れ、外した理由が一覧で表示されます。
自分で確かめる項目
- 事業場ごとに、パート・アルバイトを含めて常時10人以上いるか。
- 始業・終業、休憩、休日、休暇、賃金の計算と支払、昇給、退職と解雇の事由がすべて書かれているか。
- 退職金や賞与、手当など、実際にある制度の定めが漏れていないか。
- 割増率や年次有給休暇の日数が、法律の下限を下回っていないか。
- 意見書をつけて届け出て、従業員がいつでも見られる状態にしたか。
就業規則の個別のページ
作成の義務がない小さな会社の作り方、閲覧と周知、意見書と変更届、副業・退職・違反時の扱い、改定の手順、作成費用、モデル就業規則の使い方を、それぞれのページで扱っています。自社の規則が要件を満たしているかの判断は、社会保険労務士か所轄の労働基準監督署に確かめてください。
10人未満の会社の就業規則就業規則の閲覧と周知意見書の書き方と記入例就業規則変更届の記入例副業・兼業の定め方退職の定め就業規則に違反したとき就業規則の改定の手順就業規則の作成費用モデル就業規則の使い方
よくある質問
就業規則と労使協定は何が違いますか。
就業規則は会社が作り、労働者側の意見を聴いて届け出る文書です。労使協定は、36協定のように会社と過半数労働組合または過半数代表者が結ぶ書面の約束で、法律の例外を使うための手続です。
社長と家族だけの会社にも就業規則は要りますか。
同居の親族のみを使用する事業には労働基準法が適用されないため(同法116条2項)、作成義務もありません。親族以外を雇うようになったら、人数に応じて考えます。
就業規則はいつから効力がありますか。
モデル就業規則の解説は、作成や意見聴取だけでは効力は生じず、何らかの方法で労働者に周知された時期以降で、施行日の定めがあればその日と説明しています。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)(2026-10-17)
- e-Gov法令検索 労働契約法(第7条・第9条・第10条・第12条・第15条・第16条)(2026-10-17)
- 厚生労働省 モデル就業規則について(令和7年12月版)(2026-10-17)
- 厚生労働省 モデル就業規則(令和7年12月)全体版PDF(2026-10-17)
- 厚生労働省 労働契約法の施行について(平成24年8月10日 基発0810第2号)(2026-10-17)