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就業規則に違反したとき:社員の懲戒と、会社の義務違反

最終確認日 2026年10月17日

まず、よくある答え

社員が就業規則に違反したときは、規則に定めた懲戒の種類と事由の範囲で、違反の程度に見合った処分をします(労働契約法15条)。会社が作成・届出・意見聴取・周知の義務を怠ったときは30万円以下の罰金の対象になり、法令に反する規則の定めは効力を持ちません。

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モデル就業規則(令和7年12月版)を基に、労働時間・休日・賃金・副業・定年の選択から就業規則を組み立てます。10人未満版、意見書、就業規則届、育児・介護の規則もPDFで出力します。

就業規則を組み立てる

社員が違反したとき:懲戒の前提

懲戒をするには、あらかじめ就業規則に懲戒の種類と事由を定め、周知しておくことが前提です(労働基準法89条9号)。モデル就業規則は、けん責、減給、出勤停止、懲戒解雇の4種類と、それぞれの事由を第67条・第68条に置いています。

労働契約法15条は、懲戒が労働者の行為の性質や態様などに照らして客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合は、権利の濫用として無効になると定めています。一般的には、同じ違反に二度処分しないこと、弁明の機会を与えること、過去の同種の事案との均衡をとることが求められます。

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出典:e-Gov法令検索 労働契約法(第7条・第9条・第10条・第12条・第15条・第16条)

減給の限度

減給の制裁は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、総額が一賃金支払期の賃金総額の10分の1を超えてはなりません(労働基準法91条)。モデルの第67条も、この限度を条文に書き込んでいます。

遅刻や欠勤の時間分を賃金から差し引くのは、働かなかった分を払わない扱いで、制裁としての減給とは別のものです。遅刻3回で1日分を差し引くような定めは、不就労の時間を超える部分が減給の制裁に当たると考えられています。

出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)

会社側の違反:作成・届出・周知

常時10人以上の事業場で就業規則を作らない、変更を届け出ない、意見を聴かない、周知しない場合は、労働基準法120条により30万円以下の罰金の対象になります。120条1号が挙げているのは89条、90条1項(意見聴取)、106条などです。

監督署の調査(臨検)で指摘されると、まず是正勧告を受けて改善を報告するのが一般的な流れです。周知していない規則は労働契約の内容にならないため(労働契約法7条)、罰則より先に、規則を根拠にした処分ができなくなる問題が起きます。

就業規則の閲覧と周知

出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)

法令に反する定めは無効

就業規則は、法令や、その事業場に適用される労働協約に反してはなりません(労働基準法92条1項)。行政官庁は、抵触する就業規則の変更を命じられます(同条2項)。割増率を法定より低く書いた条文や、年次有給休暇を法定より少なく書いた条文は、その部分が法律の基準に置き換わります。

就業規則 メーカーは、割増率25%未満、年次有給休暇の法定日数未満、6時間超で45分未満の休憩などを入力した段階で、根拠の条文を示して作成を止めます。例えば時間外の割増率を20%にすると、37条の下限を下回るという理由が表示されます。

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出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)

労働契約との関係

個別の労働契約が就業規則の基準より低い条件を定めていても、その部分は無効になり、就業規則の基準によります(労働契約法12条)。反対に、就業規則より有利な条件を個別に合意していれば、その合意が優先します(同法7条ただし書)。個別の処分が有効かどうかは、社会保険労務士や所轄の労働基準監督署、弁護士に確認してください。

出典:e-Gov法令検索 労働契約法(第7条・第9条・第10条・第12条・第15条・第16条)

自分で確かめる項目

よくある質問

始末書を出さない社員をさらに処分できますか。

始末書の提出を強制し、出さないことを理由に重ねて懲戒することには慎重な判断が要るとされています。個別の事案は社会保険労務士や弁護士に相談してください。

就業規則がない会社で懲戒はできますか。

懲戒の種類と事由の定めがない状態では、一般的には懲戒処分の根拠がありません。10人未満の会社でも、懲戒を予定するなら規則を作って周知しておきます。

監督署に申告されたらどうなりますか。

監督署が事実を確認し、違反があれば是正勧告などの指導が行われるのが一般的です。申告したことを理由に労働者を不利益に扱うことは禁じられています(労働基準法104条2項)。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。