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就業規則の閲覧と周知:見せ方と、見せないときの問題

最終確認日 2026年10月17日

まず、よくある答え

就業規則は、職場に掲示するか備え付ける、書面で渡す、電子ファイルにして常時見られる機器を置く、のいずれかの方法で従業員に周知します(労働基準法106条、施行規則52条の2)。社員から閲覧を求められたら、一般的には見せるのが前提で、見せない状態は周知義務違反になり得ます。

就業規則 メーカー

モデル就業規則(令和7年12月版)を基に、労働時間・休日・賃金・副業・定年の選択から就業規則を組み立てます。10人未満版、意見書、就業規則届、育児・介護の規則もPDFで出力します。

就業規則を組み立てる

周知の方法

施行規則52条の2は、周知の方法を三つ定めています。1号は常時各作業場の見やすい場所への掲示または備え付け、2号は書面の交付、3号は電子計算機のファイルなどに記録し、各作業場に従業員が内容を常時確認できる機器を置く方法です。

共有フォルダやクラウドに置く場合は、全員がアクセスでき、パソコンやタブレットなど見るための機器が職場にあることが要件になります。管理職だけが見られる場所や、鍵のかかった書庫に置くだけでは足りないと考えるのが一般的です。

出典:e-Gov法令検索 労働基準法施行規則(第6条の2・第49条・第52条の2)

見せないとどうなるか

周知をしないと、労働基準法106条の違反として30万円以下の罰金の対象になります(同法120条)。それに加えて、民事上の効力の問題があります。労働契約法7条は、周知していることを、就業規則が労働契約の内容になる条件にしています。

厚生労働省の施行通達は、7条の周知は106条の三つの方法に限らず、従業員が知ろうと思えばいつでも内容を知り得る状態かどうかで実質的に判断すると説明しています。見せていなかった規則を根拠に懲戒や不利益な扱いをすると、一般的にはその規則の効力自体が争われます。

出典:厚生労働省 労働契約法の施行について(平成24年8月10日 基発0810第2号)

閲覧を求められたときの対応

在職中の社員から「就業規則を見せてほしい」と言われたら、一般的には置き場所を案内するか写しを渡します。理由を尋ねたり、上司の許可を条件にしたりする運用は、いつでも確認できる状態という周知の考え方と合いません。

コピーや持ち出しを制限したい場合でも、閲覧そのものを妨げない範囲にとどめるのが一般的です。会社の秘密を含む規程があるなら、就業規則の本体とは別の規程にして管理する方法があります。

就業規則に違反したとき

退職した人からの請求

退職者に就業規則を見せる義務を定めた条文や、厚生労働省の公式見解は見当たりません。106条の周知の対象は「労働者」であり、退職後の閲覧は法律上の権利としては定められていない、というのが条文から読める範囲です。

ただ、退職金や未払い残業代の計算で規則の内容が争点になるときは、在職中の規則の内容が問題になります。一般的には、請求の目的を確認し、必要な条文の写しを示すなど穏当な対応をとる会社が多いようです。退職者からの請求への個別の対応は、社会保険労務士か所轄の労働基準監督署に相談するのが確実です。

出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第19条・第20条・第32条・第34条〜第39条・第89条・第90条・第92条・第106条・第120条)

メーカーでの周知の選び方

就業規則 メーカーの「周知の方法」で掲示・書面・電子のいずれかを選ぶと、届出前チェックに選んだ方法と根拠の条文が表示されます。何も選ばないと、周知の方法が選ばれていないという注意が出ます。

就業規則 メーカー

自分で確かめる項目

よくある質問

入社時に就業規則を渡す義務はありますか。

入社時の交付は義務ではありませんが、書面交付は周知の方法の一つです。モデル就業規則は、採用時に労働条件通知書とこの規則を交付する条文例を置いています。

パートにも見せる必要がありますか。

あります。周知の対象は事業場の労働者全員です。パート向けの別規則がある場合は、その規則も見られるようにします。

閲覧を拒んだら罰則はありますか。

周知義務(106条)の違反は30万円以下の罰金の対象です。個別の場面が違反に当たるかは、労働基準監督署の判断になります。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。