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10人未満の会社の就業規則:義務はなくても作る意味と最小限の形

最終確認日 2026年10月17日

まず、よくある答え

従業員が常時10人未満の事業場は、労働基準法上は就業規則を作らなくても差し支えありません。ただ、作成して周知した合理的な就業規則は労働契約の内容になるため、遅刻や懲戒、副業のルールを示す根拠として、小さな会社でも作っておく意味があります。

就業規則 メーカー

モデル就業規則(令和7年12月版)を基に、労働時間・休日・賃金・副業・定年の選択から就業規則を組み立てます。10人未満版、意見書、就業規則届、育児・介護の規則もPDFで出力します。

就業規則を組み立てる

作成義務と人数の数え方

労働基準法89条の義務は、常時10人以上を使用する使用者にかかります。数え方は事業場単位で、店舗が二つあれば店舗ごとに数えます。広島労働局の説明は、常態として10人未満なら法律上は作らなくてもよいとしつつ、10人未満でも作ることが望まれるとしています。

石川労働局のQ&Aは、パートやアルバイトも人数に含まれ、出勤している人数ではなく常態として雇っている人数で判断するとしています。派遣労働者は派遣元の労働者として数えるという説明が、東京労働局や富山労働局の資料にあります。繁忙期だけ一時的に10人を超える場合は該当しないと考えられる、という整理も同じQ&Aにあります。

出典:石川労働局 就業規則の届出に関するQ&A

作ると何が変わるか(労働契約法7条)

労働契約法7条は、合理的な労働条件を定めた就業規則を周知していた場合、労働契約の内容はその就業規則の労働条件によると定めています。厚生労働省の施行通達は、この「就業規則」には10人未満の会社が任意に作ったものも含まれると説明しています。

つまり、作って見せておけば、一人ひとりと細かく合意していない事項でも、就業規則の定めが共通のルールとして働きます。反対に規則がないと、懲戒をしようにも根拠となる定めがなく、一般的には処分が難しくなります。

出典:厚生労働省 労働契約法の施行について(平成24年8月10日 基発0810第2号)

小さな会社に合う最小限の構成

どの会社も書く事項(始業・終業、休憩、休日、休暇、賃金、退職と解雇)に加え、服務規律、懲戒の種類と事由、ハラスメントの禁止、副業の扱いを入れておくと、小さな職場で起きやすい場面の多くをカバーできます。

一方、労使協定を前提にする制度(時間単位の年次有給休暇、代替休暇)や、50人以上で義務になるストレスチェック、300人以下では努力義務の公益通報の体制、任意の表彰は、制度がなければ外して構いません。

モデル就業規則の使い方

出典:厚生労働省 モデル就業規則について(令和7年12月版)

メーカーで作った例

就業規則 メーカーで人数を「10人未満」にすると、時間単位年休、代替休暇、ストレスチェック、表彰、公益通報者の保護の5条を外し、外した理由を条文名と根拠の条項つきで示します。9時から18時、土日休み、月給、退職金なしの例では、標準版56条に対して10人未満版は12章51条でした。

退職金を「あり」にすると、10人未満版でも退職金の章(支給、額、支払時期の3条)が残ります。制度がある事項は人数にかかわらず書く、という考え方です。

就業規則 メーカー

出典:厚生労働省 モデル就業規則(令和7年12月)全体版PDF

届出と意見聴取は要るか

10人未満の事業場には届出の義務がないため、監督署への届出も意見書の添付も法律上は求められません。ただ、作成した規則を従業員に見せ、意見を聴いておくと、後で内容を争われにくくなります。

届け出ること自体は任意でできます。人数が増えて10人に達したら、そのときに遅滞なく届け出ます(施行規則49条)。届け出るかどうかや規則の中身を自社に当てはめる判断は、社会保険労務士か労働基準監督署に相談してください。

意見書の書き方と記入例就業規則の閲覧と周知

出典:e-Gov法令検索 労働基準法施行規則(第6条の2・第49条・第52条の2)

自分で確かめる項目

よくある質問

10人未満でも就業規則を作ったら届け出ないといけませんか。

届出は義務ではありません。任意で届け出ることはできますが、作成した規則は従業員に周知しておくことが大切です。

無料のひな形を手を加えずに使えますか。

モデル就業規則は事業場の実態に合わせる前提の例です。空欄の日数や金額を決め、実際にない制度の条文は外してから使います。

パートだけを雇う店でも人数に入りますか。

入ります。短時間でも常態として雇っていれば人数に含め、全員が1日1〜2時間程度の勤務でも、常時10人以上なら作成・届出の義務が生じるという説明があります。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。