個人どうしで渡す領収書:手書きの書き方と印紙
最終確認日 2026年10月23日
個人どうしの受け渡しでも、日付、支払った人の名前、金額、何のお金か、受け取った人の名前を書けば領収書になります。商人ではない個人が私的に作る受取書は営業に関しないものとして、5万円以上でも印紙税はかかりません。
個人間でも領収書は求められる
民法第486条の受取証書の規定は、事業者に限ったものではありません。友人や親族とのやり取りでも、払う人は受取証書を求められ、紙の代わりに電磁的記録を求めることもできます。
お金の貸し借りで借用書を作っていた場合、民法第487条により、全額を返した人はその証書の返還も請求できます。完済のときは、領収書と借用書の返却をセットで考えると整理しやすくなります。
手書きの見本
書式の決まりはないので、便せんやメモ用紙でも作れます。一般的には、次のような並びで書くと読み手に伝わりやすくなります。
- 表題:上部中央に「領収書」
- 支払った人:「山田花子 様」
- 金額:「金80,000円也」
- 内容:「中古ロードバイク1台の代金として」
- 受け取った日:「2026年10月23日」と、文言「上記の金額を確かに受け取りました」
- 受け取った人:住所と氏名(署名か押印は任意)
5万円以上でも印紙が要らない理由
国税庁のタックスアンサー(No.7125)は、受取人にとって営業に関しない受取書は非課税だとしています。個人の場合、商人としての行為は営業に当たり、事業を離れた私的な日常生活に関するものは営業に当たりません。
質疑応答事例では、個人がたまたま私的財産を譲渡したときの受取書は非課税と明記されています。給料を得て働く会社員や内職の行為も、営業にはならないと説明されています。
このため、自家用車や家具を知人に売った代金の受取書は、金額にかかわらず収入印紙を貼る必要がありません。
個人でも印紙が要るケース
国税庁の質疑応答では、会社員が家屋を貸して家賃を受け取る行為は、収入の規模にかかわらず営業に当たるとされています。家賃と権利金は売上代金、敷金は売上代金以外の受取書です。
また「営業の意義」の事例では、営利の目的と反復する意思があれば、1回でやめても営業に当たると説明されています。売るために仕入れた品を個人で販売する場合は、非課税とは限りません。
店舗などの設備を持たない農家が自分で作った作物を売る場合や、医師・弁護士の業務の受取書は、営業に関しないものとして扱われます。
登録番号や消費税の欄は要らない
インボイスの登録を受けられるのは課税事業者に限られる、と国税庁のQ&A(問1)は説明しています。私的な売り買いをする個人は通常この立場にないため、登録番号や税率ごとの消費税額を書く欄は設けなくてかまいません。
分割で受け取るときは、一般的には但し書きに「第2回分」や「残額12万円」のように書き添えると、後で回数を確かめやすくなります。控えとして写真を撮っておく方法もあります。
よくある質問
フリマで売ったときも手書きの領収書を出すべきですか。
相手から求められたときに出せば足ります。一般的には、アプリの取引画面に記録が残るので、その画面で済ませる例も多く見られます。
印紙が要らないのに貼ってしまいました。
課税文書に当たらない文書と誤って貼った印紙は、還付の対象になる場合があります。「印紙税過誤納確認申請(兼充当請求)書」に文書の現物を添えて、所轄の税務署に出します。作成日から5年を過ぎたものは還付されません。
銀行振込で受け取った分も領収書を書きますか。
振込の記録が支払いの証明になるため、一般的には求められなければ書きません。書く場合の印紙の扱いは別のページにまとめています。
印鑑の代わりにサインでもよいですか。
受取証書に押印を求める規定はないため、署名でもかまいません。読み取れる字で氏名を書いておくと、後で誰が受け取ったかが分かります。
出典(確認日)
- e-Gov 法令検索 民法 第486条・第487条(2026-10-23)
- 国税庁 No.7125 営業に関しない受取書(2026-10-23)
- 国税庁 質疑応答事例 営業に関しない受取書(作成者)(2026-10-23)
- 国税庁 質疑応答事例 営業の意義(2026-10-23)
- 国税庁 質疑応答事例 会社員が家屋を賃貸した場合に作成する受取書(2026-10-23)
- 国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和8年5月改訂)(2026-10-23)
- 国税庁 No.7130 印紙税の過誤納(2026-10-23)