領収書の再発行:なくしたときの頼み方と代わりの書類
最終確認日 2026年10月15日
領収書の再発行は、同じ支払いに2枚の証拠ができるのを防ぐため、一般的には慎重に扱われます。応じる場合は「再発行」と明記し、もらえないときは支払証明書や振込の記録などで支払いを示します。
再発行が断られやすい理由
同じ支払いに領収書が2枚あると、両方が経費として使われるおそれがあります。発行した側も、二重計上に手を貸したと疑われかねません。
最初の1枚が本当に失われたのか、発行した側には確かめようがありません。そのため、紛失の申し出があっても再発行はしないと決めているお店や会社は珍しくありません。
レシートを渡していれば改めて渡す義務はない
国税庁Q&A(問24-5)では、小売業者がレジで簡易インボイスとなるレシートを渡していれば、その時点で交付義務を果たしており、後日求められても改めて交付する義務は生じないとしています。
一方で、一度もインボイスを渡していない取引なら、レジの仕様で再印字できなくても交付義務は残り、手書きなどで対応する必要があるとされています。
応じるときの書き方
受取金額が5万円以上なら、再発行した領収書にも収入印紙を貼ります。国税庁の質疑応答では、再発行の旨を書いた受取書も第17号文書に当たり、納税義務者は再発行を頼んだ得意先ではなく作成した側だとしています。
- 表題の近くに「再発行」と大きく書く
- 元の領収書の番号と発行日を書き添える(例:No.0123(2026年9月30日発行)の再発行)
- 受領日は元の日付のままにし、再発行した日は別の欄に書く
- 控えにも、再発行した日と理由を残しておく
再発行してもらえないときの代わりの書類
国税庁のパンフレットでは、個人の青色申告者が残す現金預金取引等関係書類として、領収書と並んで預金通帳が挙げられています。振込で払ったものは、通帳や明細が支払いの記録になります。
振込で支払ったときは、もともと領収書を出さない会社も多く見られます。民法は、支払う人が支払いと引き換えに受取証書を求められると定めているので、どうしても必要なら支払いの前に発行を頼んでおきます。
社内の経費精算では、なくした経緯と支払いの中身を書いた紛失届や出金伝票に、上長の承認を付けて代わりにする方法がよく使われます。
- 支払証明書:支払った日と金額を証明する書面を、受け取った側に作ってもらう
- 銀行振込なら、振込の控えや利用明細、通帳の記録
- クレジットカード払いなら、カード会社の利用明細
- 請求書や納品書:何に対する支払いかを示す書類として、支払いの記録と一緒に残す
仕入税額控除のためにインボイスが要るとき
仕入税額控除に必要なのは、名前を問わずインボイスの記載事項がそろった書類です。領収書が手に入らなくても、同じ取引の請求書がインボイスの要件を満たしていれば、そちらを保存する方法があります。
相手が登録事業者かどうかは、国税庁の公表サイトで番号から確認できます。
よくある質問
再発行の領収書には、いつの日付を書きますか。
受け取った日は元の日付のまま書き、再発行である旨と再発行した日を別に示します。元の領収書と見分けがつかない形で出すのは避けます。
宛名の書き間違いを直してもらうのも再発行ですか。
書き直しなら、元の領収書を返してもらい、それと引き換えに新しいものを渡すのが一般的です。インボイスの記載に誤りがあった場合、売り手は修正したインボイスを交付します。
再発行を断られたら、経費にできませんか。
振込の記録やカードの明細、請求書などで支払いの事実と内容を示せれば、一般的には経費の証拠として使えます。社内規程で求められる書類も確認してください。
出典(確認日)
- 国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和8年5月改訂)(2026-10-15)
- 国税庁 質疑応答事例 再発行した受取書(2026-10-15)
- 国税庁 記帳・帳簿等の保存制度(パンフレット)(2026-10-15)
- e-Gov 法令検索 民法 第486条(2026-10-15)
- 国税庁 インボイス制度の理解のために(令和8年4月)(2026-10-15)