領収書がない経費の扱い
最終確認日 2026年10月17日
領収書がなくても、業務の支出であることを記録で示せれば経費にできます。出金伝票に日付・相手・金額・内容を書き、カードや口座の明細、案内状などで裏付けます。メールやウェブで受け取った領収書は、電子取引のデータとして保存します。
経費になるか判定ツール
支出の名前を入れると、一般的な扱い・勘定科目・根拠を表示します。
支出を調べる領収書は経費の条件ではない
必要経費になるかどうかは、支出が業務について生じたかどうかで決まります(所得税法37条)。領収書はその証拠の一つで、領収書がないことだけで経費にならないわけではありません。代わりの記録で、いつ、誰に、いくら、何のために払ったかを示します。
場面ごとの残し方
| 場面 | 残すもの |
|---|---|
| 香典・ご祝儀 | 出金伝票、会葬礼状・招待状 |
| 電車・バス代 | 出金伝票または交通費の記録(日付・区間・目的)、ICカードの利用履歴 |
| 自動販売機・小さな店 | 出金伝票、メモ |
| クレジットカード払い | カードの利用明細、注文確認メール |
| 銀行振込 | 振込の控え・口座の明細、請求書 |
| ネットでの購入 | 注文確認・領収書のデータ(電子取引として保存) |
出金伝票の書き方
出金伝票には、支払った日、支払先、金額、内容(何の費用か)を書きます。相手の会社名や担当者名、目的もあわせて書いておくと、後から見返したときにも説明できます。
出金伝票はあくまで自分で作る記録なので、明細や案内状など外部の資料と組み合わせると説明しやすくなります。国税庁の帳簿・書類の保存の説明に「出金伝票」という言葉は出てきませんが、保存する書類には請求書や領収書に類する書類が含まれます。
なお令和5年分以後、隠蔽や仮装があった年などは、帳簿書類などで相手や金額が明らかでない経費は必要経費に算入されません(所得税法45条3項)。記録を残すことは、この点でも大切です。
電子取引のデータ
メールに添付されたPDFの領収書や、ネットショップの購入履歴のように電子で受け取ったものは、電子帳簿保存法により、データのまま検索できる形で保存します(2024年1月から)。紙に印刷しただけの保存では足りません。
紙で受け取った領収書をスキャンしてデータで保存する方法(スキャナ保存)は任意で、紙のまま保管しても構いません(電子帳簿保存法4条3項は「代えることができる」と定めています)。
保存期間とよくある誤り
青色申告では帳簿と領収書などの書類を原則7年、白色申告では収入や経費を書いた帳簿を7年、領収書などの書類を5年保存します。出金伝票も支払いの記録として、帳簿と同じ期間保存しておくと安心です。
カードの明細だけを残して何を買ったかがわからない場合は、店名だけでは業務の支出か判断できません。注文確認メールや納品書で品名を確認できるようにしておきます。領収書を受け取ったのに、出金伝票だけ作って領収書を捨ててしまうのは避けます。
金額の大きい支出や継続的な取引は、請求書と振込の記録をそろえておけば、領収書がなくても取引の内容を示せます。
自分で確かめる3点
- 領収書がない支出ごとに、出金伝票やメモを作ったか。
- 明細・案内状など、外部の資料で裏付けられるか。
- 電子で受け取った領収書をデータのまま保存しているか。
よくある質問
レシートしかない場合はどうなりますか。
レシートにも日付・店名・金額・品名が載っているので、領収書と同じように証拠になります。宛名がないことは問題になりにくい書類です。
領収書をなくしたときは。
お店に再発行を頼めることもありますが、できない場合はカードや口座の明細と出金伝票で記録を補います。
出金伝票だけで経費にしてよいですか。
出金伝票は自分で作る記録なので、金額が大きいものや頻繁なものは、ほかの資料と組み合わせて説明できるようにしておくのが安全です。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 所得税法(37条・45条・56条・57条)(2026-10-17)
- 国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について(2026-10-17)
- 国税庁 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和6年6月)(2026-10-17)
- 国税庁 No.2210 必要経費の知識(2026-10-17)
- 国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度(2026-10-17)
- 国税庁 No.2070 青色申告制度(2026-10-17)