スーツ・眼鏡・時計・美容院は経費になるか
最終確認日 2026年10月17日
スーツ、眼鏡、腕時計、散髪・美容院代は、仕事以外でも使うため原則は家事費で、経費になりません。作業着や制服、舞台や撮影のためだけの衣装のように、仕事の場でしか使わないと示せるものは経費にできます。
経費になるか判定ツール
支出の名前を入れると、一般的な扱い・勘定科目・根拠を表示します。
支出を調べる原則は家事費
所得税法45条1項は家事上の経費を必要経費から外しています。スーツや眼鏡は仕事中にも使いますが、私生活でも同じように使えるため、施行令96条のいう業務に必要な部分を明らかに区分することが難しく、一般的には家事費とされます。
これは働き方によらず同じで、営業で毎日スーツを着る人でも、スーツが通勤や私用の場面でも着られる限り、原則は変わりません。国税庁の収支内訳書の書き方も、衣料費や食費などの家事上の費用は必要経費にならないと説明しています。
経費にできる例
- 作業着、制服、店名入りのエプロンなど、仕事の場でしか使わないもの
- 舞台衣装や撮影用の衣装で、私生活では使わないもの
- 撮影のためだけのヘアメイク(仕事の依頼や撮影日と結びつくもの)
- 安全靴、ヘルメット、防護メガネなど、作業のための保護具
判断の分かれ目
経費にできるかどうかは、私生活で使えるかどうかと、仕事専用であることを示せるかどうかで分かれます。衣装なら撮影日や出演の記録、保管場所、デザイン(日常で着にくいもの)などが材料になります。
例えば年3回の講演のために買った5万円のスーツは、講演の後も私用で着られるなら家事費です。舞台用に仕立てた衣装で、出演の記録と一緒に保管しているなら、消耗品費として経費にする考え方があります。
職業ごとの例
モデルや俳優が撮影のために使う衣装や、美容師が仕事中に着る店のユニフォームは、仕事の場以外で使わないことを示せれば経費にする考え方があります。一方、動画配信者が動画に映る普段着を買った場合は、日常でも着られるため家事費に近くなります。仕事との結びつきが強く、私生活で使う余地が小さいほど、経費として説明しやすくなります。
クリーニング代、靴の修理、カバンの購入も同じ考え方で、仕事専用の物にかかった費用なら経費にでき、私生活でも使う物なら家事費です。迷う支出は、支払った理由を一文で書いてみて、その文が仕事の内容と直接つながるかを確かめます。
ジムや人間ドックのように健康のための支出も、仕事を続けるために必要だと感じても、体は私生活と切り離せないため一般的には家事費です。医療費控除の対象になるものもあるので、支出の性格に合わせて扱いを選びます。
自分で確かめる3点
- 私生活でも使えるものではないか。
- 仕事専用であることを、記録や保管の仕方で示せるか。
- 健康や身だしなみのための費用(眼鏡、ジム、散髪)を経費に入れていないか。
よくある質問
パソコン作業用の眼鏡は経費になりますか。
作業用でも、日常生活で使えるものは原則として家事費です。医師の処方による眼鏡は、条件により医療費控除の対象になることがあります。
仕事用の靴やカバンは。
通勤や私用でも使えるものは家事費寄りです。作業用の安全靴や、商品を運ぶための専用のケースなど、仕事専用と示せるものは経費にできます。
クリーニング代は経費になりますか。
制服や作業着のクリーニング代は経費にできます。私服やスーツのクリーニング代は家事費です。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 所得税法(37条・45条・56条・57条)(2026-10-17)
- e-Gov法令検索 所得税法施行令(96条・138条・139条・139条の2)(2026-10-17)
- 国税庁 所得税基本通達 45-1・45-2(家事関連費)(2026-10-17)
- 国税庁 令和7年分 収支内訳書(一般用)の書き方(2026-10-17)