電子領収書:受け取ったらどう保存するか
最終確認日 2026年10月15日
メールのPDFやWebからダウンロードした領収書は、紙に印刷するだけでは足りず、データのまま保存します。改ざんを防ぐ措置と、日付・金額・取引先で探せる状態にしておくことが基本の要件です。
電子領収書に当たるもの
国税庁の電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係、令和8年7月)は、次のようなやり取りを「電子取引」に当たると考えられるとしています。
- メールに添付されて届いたPDFの領収書
- Webサイトからダウンロードした領収書や、画面に表示された領収書のスクリーンショット
- 電子領収書の受け渡しに使うクラウドサービス
- クレジットカードの利用明細データや、スマートフォン決済のデータを取り込むクラウドサービス
改ざんを防ぐ措置(どれか一つ)
電子取引のデータは、次の4つのうちどれか一つの措置をとって保存します。
- タイムスタンプが付いた状態のデータを受け取る
- 受け取った後、速やかにタイムスタンプを付ける
- 訂正や削除の記録が残るシステム、または訂正削除ができないシステムでやり取りし保存する
- 訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて備え付け、そのとおりに運用する
日付・金額・取引先で探せるようにする
原則として、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を条件にして検索できる状態で保存します。メールソフトの中で開けるだけでは足りないとされています。
専用ソフトがなくても、ファイル名を「20261015_株式会社サンプル_33000」のように規則的に付け、取引先別や月別のフォルダに入れたうえで事務処理規程を運用する方法が、一問一答で示されています。ファイルに連番を付け、内容を索引簿(一覧表)で管理する方法も認められています。
このほか、パソコンやディスプレイ、プリンタを備えておき、求められたらすぐに画面や紙に出せるようにしておくことも要件の一つです。
PDFのファイル名を日付・取引先・金額でそろえる売上高5,000万円以下なら検索機能が不要になる場合
基準期間(通常は2年前)の売上高が5,000万円以下で、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、検索機能の確保は不要とされています。
判定に使うのは、個人事業者なら前々年の1月1日から12月31日までの売上高、法人なら前々事業年度の売上高です。
売上高にかかわらず、データを印刷した書面を日付と取引先ごとに整理して提示できるようにし、ダウンロードの求めにも応じられるなら、同じく検索機能は要りません。いずれの場合も、改ざん防止の措置とデータの保存そのものは必要です。
印刷した紙だけを残すことはできない
令和3年度の税制改正で、電子取引のデータを印刷した書面で保存する措置は廃止されました。今は、印刷した紙は法人税や所得税の保存書類として扱われません。
令和6年1月1日以後の電子取引には猶予措置があります。要件どおりに保存できなかったことに所轄税務署長が相当の理由があると認め、調査の際にデータとその印刷した書面を提示・提出できる場合は、要件にかかわらずデータを保存できます。この場合も、データの代わりに紙だけを残すことは認められません。
なお消費税の仕入税額控除については、電子インボイスを整然とした形式で印刷した書面を保存すれば適用を受けられると説明されています。
電子領収書に収入印紙は要らない
印紙税の課税対象は課税物件表に挙げられた文書で、国税庁は電磁的記録は文書に含まれないと回答しています。PDFで送る領収書には、金額が5万円以上でも収入印紙を貼る必要はありません。
ただし、同じ取引について紙の領収書も別に渡すと、その紙は通常の領収書として印紙税の対象になります。
よくある質問
メールで届いた領収書を印刷して保管すれば足りますか。
足りません。法人税と所得税では、受け取ったデータそのものを要件に沿って保存する必要があります。印刷した紙は手元の確認用と考えてください。
パソコンがなく、スマートフォンだけで保存してもかまいませんか。
一問一答(問21)では、スマートフォンでも検索の工夫と事務処理規程があれば対応できるとしています。プリンタは、調査のときに近くの有料プリンタなどで速やかに出力できれば足りるとされています。
データはいつまで残しますか。
紙の領収書と同じく、各税法で決められた保存期間が満了するまで残します。
出典(確認日)
- 国税庁 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和8年7月)(2026-10-15)
- 国税庁 電子帳簿保存法関係 一問一答(Q&A)一覧(2026-10-15)
- 国税庁 質疑応答事例 取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い(2026-10-15)