不動産の使用料等の支払調書の書き方と提出範囲
最終確認日 2026年10月15日
会社(法人)が事務所や駐車場の家賃・地代を払っていて、同じ貸主への令和8年中の支払が15万円を超えると、不動産の使用料等の支払調書を税務署に出します。貸主が法人なら家賃そのものは不要で、権利金や更新料などだけが対象です。個人事業主は、不動産業者である場合だけ提出者になります。
提出するのは誰か
提出者は、不動産の使用料等を払う法人(国や地方公共団体、人格のない社団等を含みます)と、不動産業者である個人です。不動産業者でも、主に建物の賃貸借の代理や仲介をしている人は除かれます。
そのため、事務所を借りている一般の個人事業主は、家賃をいくら払っていても提出者になりません。会社の場合は、社長個人から事務所を借りているときも対象になります。
提出範囲:同じ貸主に年15万円超
同じ貸主に対する令和8年中の支払金額の合計が15万円を超えると提出します。月1万3,000円の駐車場でも、12か月で15万6,000円になるので対象です。
貸主が法人の場合は、賃借料(毎月の家賃や地代)は出さず、権利金、更新料、承諾料、名義書換料などだけを出します。管理会社に家賃を払っていても、物件の持ち主が個人なら個人への支払として扱い、支払を受ける者の欄には管理会社ではなく持ち主を書きます。
金額は原則として消費税等を含めて判定しますが、消費税等の額がはっきり分かれていれば、含めずに判定しても構いません。
対象になる支払
- 土地・建物の賃借料(地代、家賃、駐車場代)
- 返還されない部分の保証金・敷金、礼金などの権利金
- 契約更新や増改築のときの更新料・承諾料、借地権などを譲り受けたときの名義書換料
- 催し物の会場、陳列ケース、広告のための塀や壁面などの一時的・部分的な賃借料
- 総トン数20トン以上の船舶や航空機の借受けの対価
各欄の書き方
支払を受ける者の欄には、契約書などで確かめた持ち主(または転貸人)の住所と氏名・名称、マイナンバーまたは法人番号を書きます。屋号だけを書くのは避けます。区分の欄には地代、家賃、権利金、更新料などを、物件の所在地と細目(宅地、鉄筋コンクリート造の事務所など)とともに書きます。
計算の基礎の欄には、令和8年中の賃借期間と月額などの単位あたりの賃借料を書き、支払金額には区分ごとに令和8年中に支払が確定した額を書きます。持ち主が共有なら共有者ごとに作ります。仲介した不動産業者へのあっせん手数料は「あっせんをした者」の欄に書くと、あっせん手数料の支払調書を別に出さずに済みます。
あわせて確認する2つの支払調書
事務所や土地を買ったときは「不動産等の譲受けの対価の支払調書」が関係します。提出者は家賃の場合と同じく法人と不動産業者である個人で、同じ相手への令和8年中の支払合計が100万円を超えると出します。
賃貸や売買を仲介した不動産業者に払う手数料は「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」の対象で、同じ相手に年15万円を超えると出します。家賃や譲受けの支払調書の「あっせんをした者」の欄に書いた分は、この調書を別に作らずに済み、合計表の摘要にその人員と金額を書きます。
合計表の欄(313)
合計表の「4 不動産の使用料等の支払調書合計表(313)」には、提出範囲に入らない分も含めた支払総額と、そのうち調書を出す分の人員と金額を書きます。法人の貸主に払った家賃は調書を出しませんが、総額には含めて書くのが基本です。
よくある質問
貸主に支払調書の写しを渡す必要はありますか。
不動産の使用料等の支払調書は、貸主への交付は義務ではありません。写しを渡すときは、マイナンバーを書かないで渡します。
社宅の家賃も対象ですか。
会社が借り上げて家賃を払っている社宅も、会社が借主として払っているなら対象です。貸主が個人で年15万円を超えれば提出します。
税務署に出すのは何枚ですか。
不動産の使用料等の支払調書は、税務署へ1枚出します。
出典(確認日)
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 所得税法(第225条 支払調書、第226条 源泉徴収票、第242条 罰則)(2026-10-15)