退職所得の源泉徴収票・特別徴収票を作る(会社向け)
最終確認日 2026年10月15日
退職金を払った会社は、退職の日以後1か月以内に「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」を本人へ交付します。令和8年分からは役員かどうかにかかわらず、すべてを税務署へ提出します。税額は、退職所得の受給に関する申告書があれば退職所得控除と2分の1課税で計算し、なければ支払額の20.42%です。
源泉徴収票 作成ツール(令和8年分)
退職金の額と勤続年数を入れると、源泉徴収税額と住民税の特別徴収税額を計算し、退職所得の源泉徴収票の受給者交付用をPDFにします。
退職所得を計算する源泉徴収税額の計算
まず勤続年数から退職所得控除額を出します。20年以下は1年につき40万円(最低80万円)、20年を超えると800万円に、20年を超えた年数1年につき70万円を足した額です。1年未満の端数は1年に切り上げます。
支払額から控除額を引いた残りの2分の1が課税退職所得金額です(1,000円未満切捨て)。これに所得税の速算表を当て、102.1%を掛けた額が源泉徴収税額になります。国税庁の例では、勤続10年2か月で800万円なら91,890円です。
2分の1にならない場合
役員等としての勤続年数が5年以下の人に払う特定役員退職手当等は、2分の1をしません。
役員等以外で勤続5年以下の人に払う短期退職手当等は、控除後の額のうち300万円を超える部分は2分の1をしません。300万円までの部分の半分である150万円に、300万円を超えた部分を足して課税額を出します。
申告書を出してもらう
「退職所得の受給に関する申告書」は、退職金を払う前に本人から出してもらい、会社が保管します。出ていないときは、支払額にそのまま20.42%を掛けて源泉徴収し、精算は本人の確定申告になります。
住民税は、課税退職所得金額に市区町村民税6%、道府県民税4%を掛けて特別徴収します(東京都の場合の案内)。
令和8年分からの提出
これまでは役員分などに限られていた税務署への提出が、令和8年分からは居住者に払ったすべての退職手当等が対象になりました。提出期限は翌年1月31日で、令和8年分は令和9年2月1日です。
eLTAXで出す仕組みが整うまでの当分の間、特別徴収票を市区町村へ出す必要はありません。税務署提出用には新しく【番号】欄ができ、退職一時金などに当たる場合は区分ごとの番号を書きます。
計算の例をもう一つ
国税庁の例では、勤続29年2か月の人に2,300万円を払う場合、勤続年数は30年に切り上がり、退職所得控除額は800万円に70万円の10年分を足した1,500万円です。
残りの800万円の2分の1である400万円が課税退職所得金額で、速算表と102.1%から源泉徴収税額は380,322円になります。ツールで同じ数字を入れると同じ結果になります。
よくある質問
退職金と最後の給与の源泉徴収票は別ですか。
別です。最後の給与は給与所得の源泉徴収票に、退職金は退職所得の源泉徴収票に記載します。
障害者になったことが原因の退職はどう変わりますか。
退職所得控除額に100万円を加えます。摘要欄にその旨を書きます。
令和9年分以後の計算は同じですか。
令和9年分以後は防衛特別所得税が加わる予定のため、源泉徴収の税率が変わります。このツールの計算は令和8年分の支払が対象です。
出典(確認日)
- 国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収(2026-10-15)
- 国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)(2026-10-15)
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(2026-10-15)
- 東京都主税局 個人住民税(退職所得に対する住民税)(2026-10-15)