源泉徴収票の見方:各欄の意味と手取りの目安
最終確認日 2026年10月15日
支払金額は額面の年収で、非課税の通勤手当は入っていません。
源泉徴収税額は所得税の分だけで、住民税は含まれません。
手取りは書かれていないので、引き算で目安を出します。
源泉徴収票は何を書いた書類か
給与所得の源泉徴収票は、勤め先が1年間に支払った給与と、そこから差し引いた所得税をまとめた書類です。
所得税法第226条では、給与を支払う会社は従業員ごとに源泉徴収票を作り、本人に交付することになっています。年末まで勤めた人の分は翌年1月31日まで、年の途中で辞めた人の分は退職の日以後1か月以内が期限です。
数字の多くは、年末調整をしたかどうかで中身が変わります。年末調整を受けた人の票には控除の内訳まで載り、受けていない人の票は一部の欄が空いたままになります。
主な欄の意味(一覧)
国税庁の手引に書かれた記載のしかたをもとに、受け取った人が確認しやすい順に並べました。「年末調整をした人のみ」とある欄は、年の途中で退職した人などの票では空欄が普通です。
| 欄 | 書かれている内容 | 見るときのポイント |
|---|---|---|
| 支払金額 | その年に支払が確定した給与・賞与の総額 | 額面の年収にあたる数字。前職分を合わせて年末調整した場合は前職分も含む |
| 給与所得控除後の金額(調整控除後) | 支払金額から給与所得控除を引いた金額(所得金額調整控除があれば、それも引いた後) | 年末調整をした人のみ記載 |
| 所得控除の額の合計額 | 社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除などの合計 | 年末調整をした人のみ記載 |
| 源泉徴収税額 | 年末調整後の所得税と復興特別所得税の合計(年末調整をしない場合は、その年に源泉徴収すべき税額の合計) | 1年間に負担した所得税の額。住民税は入らない |
| 社会保険料等の金額 | 給与から差し引いた社会保険料、申告した社会保険料、小規模企業共済等掛金の合計 | 健康保険・厚生年金・雇用保険などの本人負担分がここに入る |
| 基礎控除の額 | 基礎控除申告書から転記した額 | 年末調整をした人のみ記載 |
| 中途就・退職 | 年の途中で就職・退職した場合の印と年月日 | 退職日の確認に使う |
| 摘要 | 前職分を合わせた場合の前の会社名・退職日・給与額・税額・社会保険料、5人目以降の扶養親族の氏名など | 転職した年は前職分が正しく載っているか確認 |
| 支払者 | 会社の所在地、名称、電話番号 | 受給者に渡す票には、本人や会社のマイナンバー・法人番号は書かれない |
交通費(通勤手当)は支払金額に入るか
国税庁の通勤手当Q&Aでは、源泉徴収票の「支払金額」欄には、非課税とされる部分の通勤手当を除いた金額を書くと説明されています。
電車やバスで通う人の非課税限度額は、一般的には最も経済的かつ合理的な経路の定期券代などで、1か月15万円が上限です。この上限を超えて支給された部分は給与として課税されるため、その超えた額は支払金額に含まれます。
このため、通勤手当を含めた年間の振込額と比べると、源泉徴収票の支払金額の方が小さく見えることがあります。数字が合わないときは、まず交通費の分を差し引いて比べてみてください。
手取りはどこに書いてあるか
源泉徴収票には手取り額の欄はありません。所得税の計算のための書類なので、住民税の金額も載っていません。
1年間の手取りのおおよその額は、次の引き算で出せます。年末調整の還付や追加徴収、給与から引かれるその他の控除(財形、組合費など)は入っていないため、あくまで目安です。
- 支払金額 − 社会保険料等の金額 − 源泉徴収税額 − 住民税(その年に給与から引かれた額)= 手取りの目安
- 住民税の額は源泉徴収票ではわからないため、毎月の給与明細で天引きされた額を足し合わせます。
- 支払金額には非課税の通勤手当が入っていないので、交通費を含めた振込額とは一致しません。
空欄が多い源泉徴収票の読み方
給与所得控除後の金額や所得控除の額の合計額が空いている票は、一般的には年末調整を受けていない票です。年の途中で退職し、そのまま年内に別の会社へ移らなかった場合などがこれにあたります。
この票は、転職先での年末調整や、自分で行う確定申告で使います。退職金を受け取った人には、給与とは別の様式で「退職所得の源泉徴収票」も交付されます。
よくある質問
源泉徴収票の年収とは、どの欄のことですか。
一般的には「支払金額」が額面の年収にあたります。賞与も含みますが、非課税の通勤手当は含まれません。
源泉徴収税額が0円なのはなぜですか。
年末調整で生命保険料控除や扶養控除などを差し引いた結果、納める所得税がなくなると0円になります。年の途中の天引き分は年末調整で精算されています。
住民税はどこで確認できますか。
源泉徴収票には載っていません。毎月の給与明細の住民税欄で、天引きされた額を確認してください。
源泉徴収票にマイナンバーが書かれていないのは誤りですか。
誤りではありません。本人に渡す源泉徴収票には、本人や会社のマイナンバー・法人番号を書かないことになっています。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 所得税法 第226条(源泉徴収票)(2026-10-15)
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(2026-10-15)
- 国税庁 「支払金額」欄(法定調書の手引)(2026-10-15)
- 国税庁 「社会保険料等の金額」欄(法定調書の手引)(2026-10-15)
- 国税庁 通勤手当の非課税限度額の引上げに関するQ&A(令和7年11月)(2026-10-15)
- 国税庁 No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当(2026-10-15)
- 国税庁 No.2665 年末調整の対象となる人(2026-10-15)
- 国税庁 No.2662 年末調整のしかた(2026-10-15)