領収書の宛名:「御中」と「様」の使い分け
最終確認日 2026年10月23日
一般的には、会社や部署など組織あてなら「御中」、人の名前あてなら「様」を付けます。インボイスで求められるのは受け取る事業者の氏名又は名称で、敬称の種類まで定めた決まりはありません。
使い分けの目安
敬称の選び方は法令ではなく、ビジネス文書の慣行です。一般的には、「御中」は組織の中のどなたかに宛てるときの言葉で、「様」は特定の人に宛てるときの敬称です。具体的には次のように書き分けます。
- 会社あて:「株式会社サンプル 御中」
- 部署あて:「株式会社サンプル 経理部 御中」
- 担当者あて:「株式会社サンプル 経理部 佐藤一郎 様」
- 個人あて:「佐藤一郎 様」
- 屋号あて:「サンプル商店 御中」または屋号に続けて店主名と「様」
「御中」と「様」は重ねない
会社名と担当者名を並べるときは、一般的には最後の人名にだけ「様」を付け、「御中」は書きません。「御中」と「様」を一つの宛名に並べると、敬称が重なった書き方と受け止められがちです。
市販の領収書は、宛名欄の右端に「様」が印刷されたものが多くあります。会社あてに書くときは、一般的には「様」を二重線で消して横に「御中」と書くか、そのまま「様」で済ませます。どちらでも書類の効力に差はありません。
国税庁の記載例ではどう書かれているか
国税庁のQ&Aに載る請求書や仕入明細書の記載例では、宛名が「㈱○○御中」の形で書かれています。会社あての書類に「御中」を付ける例です。
一方、問58-2の手書きの領収書の例は、宛名の下線の後に「様」が印刷された用紙です。宛名は省略でき、「上様」でもよいと注記されています。
問24-2には、会員向けの領収書にあらかじめ「●●会会員様」と印刷しておく例も出てきます。どれも記入例として示されたもので、敬称をこう書けという定めではありません。
インボイスで要るのは名称そのもの
国税庁のQ&A(問25)は、適格請求書の6つ目の記載事項を「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」としています。求められているのは相手を示す名称で、そこに付ける敬称ではありません。
小売や飲食、タクシーなど簡易インボイスを出せる業種では、この名称自体が記載事項に入っていません。宛名を空けても、敬称の書き方を気にする必要はありません。
宛名を書くときに迷いやすい点
「株式会社」が社名の前に付くか後に付くかは、会社ごとに違います。名刺や請求書で確かめてから書くと、書き直しを頼まれにくくなります。
支店や営業所あてにするか本社あてにするかは、一般的には相手の希望に合わせます。迷ったら、会計のときに「宛名はどうしますか」と聞くのが早道です。
よくある質問
「御中」と書くべきところを「様」と書いた領収書は使えますか。
敬称の違いで領収書の効力が変わる決まりはありません。相手の名称が正しく書かれていれば、一般的にはそのまま使えます。
個人事業主の屋号あてには、どちらを付けますか。
一般的には、屋号だけなら「御中」、屋号の後に事業主の氏名を書くなら「様」を付けます。相手から指定があれば、それに従います。
メールで送るPDFの領収書でも同じ使い分けですか。
一般的には紙と同じで、組織あてなら「御中」、人あてなら「様」を付けます。送信メールの宛先と領収書の宛名をそろえておくと、受け取った側が照合しやすくなります。
「殿」と書いてもよいですか。
一般的には、「殿」は目下の相手に使う敬称と受け止められることがあります。取引先やお客様あての領収書では、「様」か「御中」を使うほうが角が立ちません。
出典(確認日)
- 国税庁 適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和8年5月改訂)(2026-10-23)