業務委託基本契約書と個別契約書の使い分け
最終確認日 2026年10月15日
同じ相手に何度も業務を頼むなら、共通の条件を基本契約書にまとめ、案件ごとの内容と金額を個別契約書や発注書で決める方法が便利です。基本契約には支払条件や知的財産、秘密保持、損害賠償などを書き、個別契約には業務の内容、成果物、納期、報酬を書きます。印紙は、請負なら基本契約が第7号の4,000円、個別契約が金額に応じた第2号になるのが一般的です。
業務委託契約書 メーカー
「基本契約書+個別契約書」を選ぶと、2つの書類を続けて作り、それぞれの印紙を表示します。
2つの書類を作る分ける理由
案件ごとに長い契約書を交わすと、毎回同じ条項を読み合わせることになり、法務や担当者の確認にも時間がかかります。共通の条件を一度基本契約で決めておけば、個別の案件は内容と金額だけを決めればよく、やりとりが早くなります。
基本契約を結んだ後は、発注書と注文請書のやりとりを個別契約とする定め方もよく使われます。
それぞれに書くこと
- 基本契約書:個別契約の成立方法、支払条件、検収、知的財産権、再委託、秘密保持、損害賠償、解除、反社会的勢力の排除、管轄
- 個別契約書:業務の内容、成果物、期間・納期、納品場所、報酬の額
- 優先関係:個別契約と基本契約が違うときにどちらを優先するか(個別契約を優先とする例が多い)
印紙の違い
請負の基本契約書で、単価や支払方法を定めて継続的に取引するものは第7号文書(4,000円)です。個別契約書や注文請書は、記載された金額に応じた第2号文書になります。
準委任だけを内容とする基本契約と個別契約は、一般的にどちらも印紙は不要です。契約期間が3か月以内で更新の定めがない基本契約は、第7号から除かれます。
フリーランスとの基本契約
フリーランス法の明示は、個々の委託ごとに必要です。基本契約で共通の事項を示しておき、個別の発注で業務の内容や報酬、支払期日などを示す形でも構いません。
6か月以上続く基本契約を終えるときの30日前予告も、基本契約の解約条項とそろえておきます。
個別契約書の構成例
- 前文:基本契約に基づいて締結する旨
- 業務の内容と成果物、期間と納期、納品場所
- 報酬の額と消費税の扱い
- 定めのない事項は基本契約による旨
基本契約を見直すとき
支払条件や責任の範囲を変えたいときは、基本契約を変更する覚書を交わします。個別契約で毎回違う条件を書くと、どの条件が優先するのか分かりにくくなります。見直しの際は、すでに進んでいる個別契約に新しい条件を適用するかどうかも、覚書の中で明確にしておきます。
よくある質問
基本契約だけで個別契約を交わさないとどうなりますか。
案件ごとの内容や金額が書面で残らず、後で行き違いになりやすくなります。発注書とメールでの承諾だけでも残しておくと安心です。
基本契約の有効期間はどのくらいにしますか。
1年とし、申出がなければ自動更新とする例が多く見られます。
注文請書にも印紙は必要ですか。
請負の注文請書は第2号文書として、記載金額に応じた印紙が必要です。発注書だけなら一般的には課税文書に当たりません。
個別契約を発注書と請書で行う場合の注意は。
基本契約に、発注書の発行と請書の交付(または一定期間内に異議がないこと)で個別契約が成立する旨を書いておきます。
出典(確認日)
- 国税庁 No.7104 継続的取引の基本となる契約書(2026-10-15)
- 国税庁 質疑応答事例 第7号文書と他の号に該当する文書の所属の決定(2026-10-15)
- 公正取引委員会 フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(2026-10-15)