個人事業主・フリーランスと結ぶ業務委託契約書(委託する側)
最終確認日 2026年10月15日
個人のフリーランスに業務を委託するときは、フリーランス法により、給付の内容、報酬の額、支払期日などを書面かメールなどですぐに示します。委託者が従業員を使っている会社なら、支払期日は給付を受け取った日から60日以内に定め、6か月以上続く委託を解除・不更新にするときは30日前までに予告します。業務の進め方を細かく指示すると偽装請負とされるおそれがあります。
業務委託契約書 メーカー
「受託者は個人」にチェックを入れると、フリーランス法の明示事項がそろっているかと、支払期日が60日以内かを確認できます。
明示事項を確認する明示する事項
これらは書面のほか、メールやチャットなどの電磁的方法で示すこともできます。電磁的方法で示した後に受託者から書面を求められたら、原則として書面を交付します。
- 委託者と受託者の名称、業務委託をした日
- 給付の内容(業務の内容、成果物)
- 給付を受け取る期日と場所
- 検査をする場合は、検査を完了する期日
- 報酬の額と支払期日、現金以外で払う場合はその方法
60日以内の支払期日
従業員を使っている委託者は、給付を受け取った日(役務の提供を受けた日)から起算して60日以内のできる限り短い期間で支払期日を定めます。月末締め翌月末払いならおおむね収まりますが、翌々月末払いなどは60日を超えることがあります。
検収に時間がかかっても、起算日は受け取った日です。
継続的な委託の解除と予告
6か月以上の継続的な委託を解除するとき、または期間満了で更新しないときは、少なくとも30日前までに予告します。受託者から理由を求められたら、原則として開示します。
契約書の中途解約の条項も、予告期間を30日以上にしておくとそろいます。
偽装請負にならないために
契約の名前が業務委託でも、委託者が作業の進め方を細かく指示し、勤務時間や場所を管理していると、実態は雇用や労働者派遣と判断されることがあります。厚生労働省の基準(37号告示)は、受託者が自ら業務の遂行方法を決め、独立して処理しているかを見ます。
契約書では、業務の遂行方法と時間配分を受託者が決めることを書き、運用も実際にそうなっているかを確かめます。
その他に禁止される行為
1か月以上の委託では、受託者に責任がないのに受け取りを拒む、報酬を減らす、返品する、相場より著しく低い報酬を定める、物の購入やサービスの利用を強制するといった行為が禁止されています(委託者が従業員を使用する場合)。
ハラスメントの相談に応じる体制を整えることや、育児・介護との両立への配慮も求められています。
よくある質問
フリーランス法は個人の側が委託する場合も対象ですか。
従業員を使わない個人が、同じく従業員を使わない個人に委託する場合は、明示義務(3条)は対象ですが、60日の支払期日などの義務の対象にはなりません。
取適法(旧下請法)とはどう違いますか。
取適法は委託者と受託者の資本金や従業員数で対象が決まり、フリーランス法は受託者が従業員を使わない個人かどうかで決まります。両方に当たる取引もあります。
報酬から振込手数料を差し引いてもよいですか。
取適法の対象取引では差し引きが問題になります。契約で委託者の負担と定めておくのが一般的です。
フリーランス法の明示は契約書でなくてもよいですか。
メールやチャットのメッセージでも、明示事項がそろっていれば足ります。後から確認できるよう、送った内容を保存しておきます。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(第3条、第4条、第16条)(2026-10-15)
- 公正取引委員会 フリーランス・事業者間取引適正化等法 パンフレット(2026-10-15)
- 厚生労働省 労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年労働省告示第37号)(2026-10-15)