育児・介護休業法 改正 2025をわかりやすく
最終確認日 2026年10月24日
2025年の育児・介護休業法の改正は、4月1日に子の看護等休暇と残業免除の対象拡大、介護に直面した社員への個別周知・意向確認と40歳等への情報提供、介護の雇用環境整備などが、10月1日に3歳から小学校入学までの子を育てる社員のための柔軟な働き方の措置(5つから2つ以上)と、その個別周知・意向確認、意向聴取と配慮が始まりました。多くは規模を問わずすべての会社の義務で、規程の改定と書面の準備が必要です。
育児・介護休業法 改正 対応チェックリスト
従業員数や選んだ措置を入れると、会社に必要なことを施行日つきで一覧にします。
対応を確認する2025年4月1日に始まったこと(育児)
子の看護休暇は「子の看護等休暇」に名前が変わり、対象が小学校就学前から小学校3年生の修了までに広がりました。病気やけがの看護、予防接種・健康診断に加えて、感染症に伴う学級閉鎖等と、入園(入学)式・卒園式にも使えます。日数は1年に5日、子が2人以上なら10日のままです。
これまで労使協定で除外できた勤続6か月未満の人は除外できなくなりました(週の所定労働日数が2日以下の人の除外は残ります)。所定外労働の制限(残業免除)を請求できる人も、3歳未満の子を育てる人から小学校就学前の子を育てる人に広がりました。
3歳未満の子を育てる人がテレワークを選べるようにすることは努力義務になり、短時間勤務を労使協定で除外した人への代替措置にテレワークが加わりました。常時雇用する労働者が300人を超える会社は、男性の育児休業等の取得状況を年1回公表する義務を負います。
2025年4月1日に始まったこと(介護)
社員から家族の介護に直面したと申出があったときは、介護休業や介護両立支援制度等、申出先、介護休業給付金を個別に知らせ、利用の意向を確かめることが義務になりました。面談か書面の交付で行い、FAXや電子メール等は本人が希望した場合に限られます。
介護に直面する前の早い段階として、40歳に達する日の属する年度(または40歳の誕生日から1年の間)に、同じ内容を情報提供することも義務になりました。あわせて、研修、相談窓口の設置、利用事例の提供、方針の周知のうち1つ以上を行う雇用環境の整備も求められます。
介護休暇でも、勤続6か月未満の人を労使協定で除外する定めは廃止されました。家族を介護する人がテレワークを選べるようにすることは努力義務です。
2025年10月1日に始まったこと
3歳から小学校入学までの子を育てる社員のために、会社は5つの措置のうち2つ以上を選んで講じなければなりません。5つは、始業時刻等の変更(フレックスや時差出勤)、テレワーク等(月10日以上)、保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配と費用負担を含む)、養育両立支援休暇(年10日以上)、短時間勤務(1日6時間を含む)です。社員はその中から1つを選んで使えます。
措置を選ぶ前には、過半数労働組合(ない場合は過半数代表者)の意見を聴きます。テレワーク等と養育両立支援休暇は、原則として時間単位で取れるようにします。
子が3歳になる前の適切な時期(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)に、選んだ措置の内容、申出先、所定外・時間外・深夜の制限を個別に知らせ、利用の意向を確かめます。妊娠・出産等の申出があったときと、子が3歳になる前の時期には、勤務時間帯や勤務地などの意向を聴いて配慮することも求められます。
義務と努力義務の違い、罰則
義務は、必ず実施しなければならないもので、行わないと労働局の助言・指導・勧告の対象になります。勧告に従わない場合は、厚生労働大臣がその事実を公表することがあり、報告を求められて報告しなかったり虚偽の報告をしたりすると20万円以下の過料の対象です。
努力義務は、実施に努めるよう求められているもので、行わなくても直ちに違反にはなりません。ただし、両立を進める会社の姿勢を示すうえで、取り組みを検討する価値があります。次世代育成支援対策推進法でも、100人を超える会社は行動計画で数値目標を定めることが義務になりました。
会社が準備すること
まず育児・介護休業等に関する規則を改め、子の看護等休暇、残業免除、柔軟な働き方の措置の条文を新しい内容にします。厚生労働省は改正後の規定例と社内様式例を公開しているので、それにそって見直すと漏れが少なくなります。
次に、介護の個別周知と40歳の情報提供、子が3歳になる前の個別周知に使う書面を用意し、渡す時期を人事の手順に組み込みます。誰にいつ渡したかを記録しておくと、確認を求められたときに説明できます。
よくある勘違い
「柔軟な働き方の措置は、大企業だけの義務。」
→ 会社の規模にかかわらず、すべての会社の義務です。300人超などの条件があるのは、育児休業取得状況の公表です。
「個別周知は社内掲示やメールの一斉送信で足りる。」
→ 対象の社員に個別に、面談か書面の交付で行います。FAXや電子メール等は、本人が希望した場合に限られます。
「措置を5つすべて用意しなければならない。」
→ 会社が選ぶのは2つ以上です。社員はその中から1つを選んで使います。
よくある質問
個別周知の書面にはどんな様式を使えばよいですか。
決まった様式はありませんが、厚生労働省が様式例を公開しています。会社名、交付日、相手の氏名を加え、選んだ措置や窓口を自社の内容にして使います。
パートや契約社員も対象ですか。
対象です。労使協定で入社1年未満や週2日以下の人を除外できる制度もありますが、除外していない限り、有期雇用の人にも個別周知や意向確認を行います。
出典(確認日)
- 厚生労働省 育児・介護休業法について(2026-10-24)
- 厚生労働省 育児・介護休業法等の改正の概要(令和6年改正)(2026-10-24)
- 厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(2026-10-24)
- 厚生労働省 育児・介護休業等に関する規則の規定例・社内様式例(2026-10-24)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(e-Gov法令検索)(2026-10-24)
- 同法施行規則(e-Gov法令検索)(2026-10-24)