BridgeInvoice

退職所得の源泉徴収票の見方と、給与の源泉徴収票との違い

最終確認日 2026年10月15日

まず、よくある答え

退職金については、給与の源泉徴収票とは別に「退職所得の源泉徴収票」が退職後1か月以内に交付されます。「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば一般的には源泉徴収で課税が終わり、出していないと支給額の20.42%が源泉徴収されます。

給与の源泉徴収票とは別の書類

所得税法第226条は、給与の源泉徴収票(第1項)と、退職手当等の源泉徴収票(第2項)を分けて定めています。退職金を受け取った年は、2種類の源泉徴収票を受け取ることになります。

退職所得は、原則として給与など他の所得と分けて税額を計算します。そのため、退職金の額は給与の源泉徴収票の支払金額には入りません。

国税庁の手引では、退職所得の源泉徴収票と、住民税の「退職所得の特別徴収票」は同じ様式とされています。1枚の用紙に所得税と住民税の両方の数字が載っているのはこのためです。

給与の源泉徴収票の見方

出典:国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

主な欄の意味

退職所得の源泉徴収票の欄は、給与の票よりも少なく、退職金の税額計算に必要な項目に絞られています。

退職所得の源泉徴収票・特別徴収票の主な欄
欄書かれている内容
区分(上段・中段・下段)上段:申告書を出し、その年に他の退職金がない。中段:申告書を出し、他の退職金がある。下段:申告書がなく20.42%で源泉徴収した
支払金額その年に支払が確定した退職金の額
源泉徴収税額源泉徴収すべき所得税と復興特別所得税の合計
特別徴収税額特別徴収すべき住民税(地方税)の額
退職所得控除額税額の計算で差し引いた退職所得控除の額
勤続年数計算の基礎にした勤続年数(1年未満の端数は1年に切り上げ)
摘要勤続年数の計算の基礎、他の退職金の支払者と金額など

出典:国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(第3章)

「退職所得の受給に関する申告書」を出した場合

退職所得の受給に関する申告書は、退職金を受け取るまでに、支払う会社へ出す書類です。会社が保管し、税務署へは原則として提出しません。

申告書を出していると、会社が勤続年数から退職所得控除額を計算し、退職所得の金額に応じた税額を源泉徴収します。このため、一般的には確定申告は不要です。

ただし、医療費控除や寄附金控除を受けるなどの理由で確定申告をする年は、退職所得の金額も含めて申告する必要があります。

出典:国税庁 A2-29 退職所得の受給に関する申告(退職所得申告)

申告書を出していないと20.42%

申告書の提出がないと、退職金の支給額に20.42%を掛けた所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。退職所得控除は差し引かれません。

この場合、本人が確定申告をして、申告書を出したときと同じ計算で精算する仕組みです。国税庁の例では、退職金800万円で申告書がないときの源泉徴収税額は1,633,600円です。

同じ800万円でも、勤続期間10年2か月(勤続年数11年)で申告書を出していた例では、源泉徴収税額は91,890円と示されています。源泉徴収票の区分欄が下段になっていたら、確定申告の要否を確認してください。

出典:国税庁 No.2732 退職手当等に対する源泉徴収

いつ届くか、なくしたときは

退職所得の源泉徴収票は、退職の日以後1か月以内に交付されます。国税庁の手引では、税務署への提出範囲にかかわらず、退職金を受け取った全員に交付するとしています。

書面ではなく、電子データで提供されることもあります。再発行が必要になったときは、給与の票と同じく、退職金を支払った会社に依頼してください。

源泉徴収票の再発行の頼み方給与の源泉徴収票が届く時期

出典:e-Gov法令検索 所得税法 第226条第2項

退職所得控除額の計算

源泉徴収票の「退職所得控除額」欄は、勤続年数から次の式で計算されます。障害者になったことが直接の原因で退職した場合は、さらに100万円が加わります。

退職所得控除額
勤続年数(A)退職所得控除額
20年以下40万円 × A(80万円に満たない場合は80万円)
20年超800万円 + 70万円 ×(A − 20年)

出典:国税庁 No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)

よくある質問

退職金の源泉徴収票は確定申告に使いますか。

申告書を出して正しく源泉徴収されていれば、一般的には退職所得のための確定申告は不要です。医療費控除などで申告するときは、退職所得の金額も申告書に記載します。

同じ年に2か所から退職金をもらいました。

後から受け取る会社に申告書を出すときは、先に受け取った退職金の源泉徴収票を添付します。源泉徴収票の区分は中段になり、摘要に他の退職金が記載されます。

住民税も退職金から引かれていますか。

特別徴収税額の欄に金額があれば、住民税も退職金から差し引かれています。この欄で額を確認できます。

出典(確認日)

あわせて使える早見表・計算ツール(そろばんノート)

一般的な情報です。個別の判断は税理士・社労士などにご相談ください。