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特別条項付き36協定:事由・上限・割増率・健康確保措置の書き方

最終確認日 2026年10月17日

まず、よくある答え

特別条項は、通常予見できない業務量の大幅な増加などに伴い、臨時的に限度時間を超える必要がある場合に限って結べます(労働基準法36条5項)。様式第9号の2で、事由、1か月(時間外+休日、100時間未満)と回数(6回以内)、1年(時間外、720時間以内)、割増賃金率、手続、健康福祉確保措置を定めて届け出ます。

36協定届 メーカー

事由・業務の種類・延長時間・特別条項・過半数代表者を入れると、様式第9号(特別条項付きは第9号の2)の協定届をPDF・Word・テキストで作ります。上限を超える入力では作成せず、理由と条文を示します。

協定届を作る

使える事由と使えない事由

指針5条1項は、限度時間を超えられる場合をできる限り具体的に定めるよう求め、「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」のように恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものは認められないとしています。

厚生労働省のパンフレットは、臨時的な特別の事情の例として、予算・決算業務、ボーナス商戦に伴う業務の繁忙、納期のひっ迫、大規模なクレームへの対応、機械のトラブルへの対応を挙げています。毎月のように起きる繁忙は、臨時的とはいえないと一般的には考えられています。

出典:厚生労働省 労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第323号)

特別条項の上限

1か月の欄には時間外労働と休日労働を合わせた時間を100時間未満で、1年の欄には時間外労働だけの時間を720時間以内で書きます。限度時間(月45時間)を超えられる回数は6回以内です。指針5条2項は、これらの時間を限度時間にできる限り近づけるよう努めることを求めています。

協定で月80時間と定めても、実際の労働が2〜6か月平均80時間を超えれば36条6項違反です。協定の数字と実績の両方を管理します。

残業時間の上限残業時間の上限チェック(12か月)

出典:e-Gov法令検索 労働基準法(第32条・第36条・第37条・第60条・第106条・第109条・第119条・附則第139条〜第143条)

割増賃金率と60時間超の書き方

様式第9号の2には、限度時間を超えた労働に係る割増賃金率を1か月と1年のそれぞれに書きます。法定の下限は25%で、指針5条3項は25%を超える率とするよう努めることを求めています。

月60時間を超える時間外労働は、企業の規模にかかわらず50%以上です(37条1項ただし書、中小企業も令和5年4月1日から)。記載例としては、1か月の欄に「35%(月60時間を超える時間外労働は50%)」のように書き添えておくと、給与計算の担当者が読み違えにくくなります。

月60時間を超える残業

出典:厚生労働省 36協定届の記載例(様式第9号・第9号の2)パンフレット

健康福祉確保措置の選び方

様式第9号の2の記載心得は、次の番号から措置を選び、具体的内容を書くとしています。(1)医師による面接指導、(2)深夜業(22時〜5時)の回数制限、(3)終業から始業までの休息時間の確保(勤務間インターバル)、(4)代償休日・特別な休暇の付与、(5)健康診断、(6)連続休暇の取得促進、(7)心とからだの相談窓口の設置、(8)配置転換、(9)産業医等による助言・指導や保健指導、(10)その他です。

番号だけでなく、「月80時間を超えた者に医師の面接指導を行う」「11時間の勤務間インターバルを設ける」のように、運用できる内容を書くのが一般的です。措置の実施状況の記録は、有効期間中と満了後5年間(当分の間3年間)保存します(施行規則17条2項)。

出典:厚生労働省 様式第9号の2(記載心得つき、Word)

メーカーでの記載例

36協定届 メーカーで特別条項を付け、事由を「大規模なクレームへの対応」、1か月80時間・6回・割増率35%、1年720時間・割増率35%、手続を「労働者代表者に対する事前申入れ」、措置を(1)と(3)にすると、2ページの様式第9号の2ができます。1枚目は月45時間・年360時間までの一般条項、2枚目が特別条項と協定の当事者の欄です。

同じ入力で1か月を100時間にすると「月100時間未満です」と表示され、回数を7回にすると年6回までと表示されて、どちらも作成されません。

36協定届 メーカー(様式第9号・第9号の2)

届け出る前に確かめる項目

よくある質問

特別条項は毎月使えますか。

使えません。月45時間を超えられるのは年6回までで、事由も臨時的なものに限られます。

特別条項の割増率は25%でもよいですか。

法定の下限の25%でも届出はできますが、指針は25%を超える率とするよう努めることを求めています。月60時間を超える時間外は50%以上です。

手続の欄には何を書きますか。

限度時間を超えて働かせる前に、労働者代表に申し入れる、協議するなど、労使で決めた手順を書きます。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。