過半数代表者の選び方:36協定を有効にするための要件
最終確認日 2026年10月17日
過半数代表者は、管理監督者でなく、36協定を結ぶ代表を選ぶと明らかにして行う投票・挙手などで選ばれ、会社の意向で選ばれたものでない人でなければなりません(労働基準法施行規則6条の2第1項)。この要件を満たさない代表者と結んだ協定は、届け出ても有効な36協定になりません。
36協定届 メーカー
事由・業務の種類・延長時間・特別条項・過半数代表者を入れると、様式第9号(特別条項付きは第9号の2)の協定届をPDF・Word・テキストで作ります。上限を超える入力では作成せず、理由と条文を示します。
協定届を作る代表者の二つの要件
一つ目は、労働基準法41条2号の監督又は管理の地位にある者(管理監督者)でないことです。部長や工場長のように経営者と一体的な立場の人は、労働者側の代表になれません。
二つ目は、協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法で選ばれ、使用者の意向に基づき選出されたものでないことです。様式第9号の記載心得は、この要件を満たさない場合は有効な協定とはならないと明記しています。
選出の方法
全員が集まる場での挙手、投票箱やオンラインフォームでの投票、候補者を回覧して信任を集める方法などが一般的です。どの方法でも、「36協定を結ぶ代表を選ぶ」ことを事前に伝え、過半数の支持があったことを確認します。
選出の経過は、日付、方法、候補者、賛成の人数を書いたメモや投票結果として残しておくと、監督署から確認されたときに説明できます。
会社が勝手に決めた代表は無効
青森労働局のリーフレットは、使用者が指名した場合や、社員親睦会の幹事などを自動的に代表者にした場合は36協定が無効になるとしています。無効な協定のもとでの残業は、協定なしの残業と同じく32条違反になります。
「総務課長が代表者欄に署名しておいた」「毎年同じ人に頼んでいる」という運用は、選出の手続を欠くおそれがあります。協定のたびに選び直すのが一般的です。
過半数の母数
過半数は、正社員だけでなく、パート、アルバイト、契約社員を含めた事業場のすべての労働者で数えます。管理監督者も母数に含めて数えるのが一般的な扱いで、迷うときは所轄の労働基準監督署に確認します。派遣社員は派遣元の労働者として数えます。
様式の「労働者数(満18歳以上の者)」欄は協定の対象になる人数で、過半数の母数とは別の数字です。
任期、不利益取扱いの禁止、配慮
代表者に法律上の任期の定めはありません。36協定は有効期間ごとに結び直すため、そのたびに選ぶのが一般的です。就業規則の意見聴取など、別の目的で選んだ代表者を流用する場合は、選出の時に目的を明らかにしておく必要があります。
会社は、代表者であることや代表者として正当な行為をしたことを理由に、不利益な取扱いをしないようにしなければなりません(6条の2第3項)。協定の事務を円滑に行えるよう、意見集約のための時間や場所を用意するなどの配慮も求められています(同条4項)。
メーカーでの確認
36協定届 メーカーで代表者を「管理監督者ですか:はい」と答えるか、選出方法を空欄にすると、協定が無効になるおそれがあるとして作成されません。適格性の二つのチェックボックスを入れない場合も同じです。
選出の前後に確かめる項目
- 候補者が部長・工場長などの管理監督者ではないか。
- 36協定を結ぶ代表を選ぶと事前に全員へ伝えたか。
- パート・アルバイトを含めた全員の過半数の支持があったか。
- 選出の記録(日付・方法・人数)を残したか。
よくある質問
会社が代表者を指名してもよいですか。
指名はできません。会社の意向で選ばれた代表者との協定は、有効な36協定になりません。
代表者に立候補する人がいない場合はどうしますか。
会社が人を決めるのではなく、候補を募って投票や信任の手続を行います。手続の進め方は労働基準監督署にも相談できます。
代表者が協定に反対したら残業はできませんか。
協定が成立しなければ、法定労働時間を超える残業はさせられません。内容を見直して協議を続けます。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 労働基準法施行規則(第6条の2・第16条・第17条・第59条の2・附則第69条〜第71条)(2026-10-17)
- 厚生労働省 様式第9号(記載心得つき、Word)(2026-10-17)
- 青森労働局 36協定の締結当事者(過半数代表者)の適正な選出(リーフレット)(2026-10-17)
- 厚生労働省 36協定届の記載例(様式第9号・第9号の2)パンフレット(2026-10-17)