労働条件を変更するときの通知と合意
最終確認日 2026年10月15日
労働条件は、会社と労働者が合意すれば変えられます(労働契約法8条)。変更後の条件を書いた「労働条件変更通知書」や変更合意書を渡し、本人の署名をもらっておくのが一般的です。就業規則の変更で一律に変える場合は、変更が合理的で、新しい就業規則を周知していることが必要です。
労働条件通知書(兼雇用契約書)メーカー
変更後の条件で通知書を作り直すことができます。兼雇用契約書の形にすると、変更に合意した署名欄も付きます。
変更後の通知書を作る変更は合意が原則
賃金を下げる、勤務時間を延ばすなど労働者に不利な変更は、本人の合意がなければできないのが原則です。合意は口頭でも成立しますが、後で争いにならないよう書面に残します。
合意を得るときは、変更の内容と理由、いつから変わるかを具体的に説明します。説明が不十分なまま署名だけを求めると、合意が有効と認められないことがあります。
就業規則の変更で変える場合
就業規則を変えて全員の条件を一律に変えるときは、変更後の就業規則を周知し、変更が合理的であることが必要です(労働契約法10条)。合理性は、不利益の程度、変更の必要性、内容の相当性、労働組合などとの交渉の経緯などから判断されます。
就業規則を変えた場合も、個々の通知書の内容と食い違っていないか見直します。
通知書の「変更の範囲」との関係
2024年4月から、通知書には就業場所と業務の「変更の範囲」を書いています。その範囲の中での配置転換は、就業規則などの定めにもとづいて命じられる場合があります。
範囲の外への異動、たとえば「変更なし」と書いた人の転勤は、本人の同意を得て行うのが一般的です。その場合は変更後の通知書を作り直します。
有期契約の更新時
有期契約の更新は新しい契約の締結にあたるため、条件を変えない場合でも、更新のたびに労働条件を明示します。更新上限や無期転換に関する事項もこのときに示します。
更新を機に条件を下げる場合は、合意を得たうえで新しい通知書を交付します。
変更通知書に書くこと
賃金の減額など影響の大きい変更は、いきなり書面を出すのではなく、面談で説明してから書面を渡す流れにすると、本人の理解を得やすくなります。
- 変更する項目ごとに、変更前と変更後の内容を並べて書く。
- 変更の効力が生じる日を書く。
- 変更の理由を簡潔に書く(説明した内容と一致させる)。
- 本人が内容を理解し同意したことを示す日付と署名の欄を設ける。
- 変更しない項目は「従前のとおり」として、元の通知書を参照する。
よくある質問
昇給したときも変更通知書は必要ですか。
法律上の交付義務はありませんが、新しい賃金額を書面で知らせておくと、給与明細との照合や後の確認に役立ちます。
変更に同意しない人がいる場合は。
合意がなければ個別の契約は変わりません。就業規則の変更による場合は合理性が問われます。対応に迷う場合は、社会保険労務士や労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。
変更通知書の書式は決まっていますか。
決まった様式はありません。変更前と変更後の条件、変更の日、本人の同意欄を設けるのが一般的です。
勤務地が変わるだけでも書面は必要ですか。
通知書に書いた変更の範囲の中での異動なら、辞令などで足りることが多いです。範囲の外への異動は本人の同意を得て、変更後の条件を書面で確認します。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 労働契約法(第4条、第8条〜第10条、第17条〜第19条)(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 労働基準法施行規則(第5条 労働条件の明示)(2026-10-15)
- 厚生労働省 リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 労働基準法(第14条、第15条、第20条、第21条、第37条)(2026-10-15)