2割特例が終わった後の選び方:令和9年分からの3つの選択肢
最終確認日 2026年10月15日
2割特例は、個人事業主は令和8年分(2026年分)の申告が最後です。令和9年分からは、本則課税、簡易課税、条件を満たす人の3割特例(令和9年分・令和10年分)の3つから選びます。令和8年分に2割特例を使った人は、令和9年分の申告期限(2028年3月31日)までに届け出れば令和9年分から簡易課税にでき、急いで12月中に決めなくても間に合います。
消費税 4方式 比較ツール(本則・簡易・2割・3割)
売上と経費、事業区分を入れると、簡易課税(75%ルールを含む)と本則課税、2割特例・3割特例の税額を並べて比べられます。
税額を比べる3つの選択肢
- 3割特例: 売上の消費税の30%を納める。インボイス登録で課税事業者になった個人で、基準期間の課税売上高が1,000万円以下。令和9年分・令和10年分のみ。事前の届出は不要
- 簡易課税: 売上の消費税 × (1 − みなし仕入率)を納める。届出が必要で、2年縛りがある。期限の定めはなく続けられる
- 本則課税: 売上の消費税 − 実際の仕入れの消費税を納める。届出は不要。仕入れ側のインボイスの保存が必要
業種ごとの比べ方
サービス業(第5種50%)なら、売上の消費税に対して簡易課税は50%、3割特例は30%を納めるため、3割特例を使える間は3割特例が軽くなります。卸売業(第1種90%)や小売業(第2種80%)は簡易課税の方が軽く、3割特例より有利です。
製造業(第3種70%)は3割特例と簡易課税が同じ水準になります。経費の消費税が大きい事業は、本則課税の方が軽くなることもあるため、ツールで3つを並べて確かめます。
届出の特例で何が変わったか
令和8年度の改正で、2割特例や3割特例を使った年の翌年に簡易課税へ移る場合は、その翌年分の申告期限までに届出書を出せばよいことになりました。令和8年分に2割特例を使った個人なら、令和9年分の簡易課税は令和10年3月31日まで間に合います。
3割特例を使える人も、令和9年分を3割特例で申告し、令和10年分も3割特例、令和11年分から簡易課税へ移るという順番を取れます。その場合は令和11年分の申告期限までに届出書を出します。
12月31日までに確かめておくこと
- 令和8年分を2割特例で申告する予定か(そうでなければ簡易課税の届出は12月31日が期限)
- 令和7年の課税売上高が1,000万円以下か(3割特例の条件)
- 主な事業の事業区分とみなし仕入率
- 令和9年に予定している大きな設備投資や仕入れの有無(本則課税で還付が見込めるか)
- 経費の帳簿とインボイスの保存のしかた(本則課税を選ぶ場合)
よくある質問
法人も同じですか。
法人は3割特例の対象外です。2割特例は令和8年9月30日の属する事業年度までで、その後は本則課税か簡易課税になります。簡易課税への移行の届出の特例は法人にもあります。
3割特例と簡易課税の両方の条件を満たすときは。
税額をツールで比べたうえで、国税庁の3割特例の適用可否フローチャートとQ&Aで、自分の場合の扱いを確かめてから申告します。
インボイス登録をやめるという選択は。
基準期間の売上が1,000万円以下なら、登録を取り消して免税事業者に戻ることもできます。取引先への影響があるため、取消しの時期と手続は国税庁の案内で確かめてください。
出典(確認日)
- 国税庁 インボイス制度 令和8年度税制改正特集(3割特例、簡易課税への移行)(2026-10-15)
- 国税庁 No.6505 簡易課税制度(2026-10-15)
- 国税庁 No.6501 納税義務の免除(2026-10-15)