簡易課税の事業区分の判定:第1種から第6種と具体例
最終確認日 2026年10月15日
事業区分は取引ごとに判定します。他から買った商品を形を変えずに事業者へ売れば第1種、消費者へ売れば第2種です。自分で作ったり建てたりして売れば第3種、サービス業は第5種、不動産業は第6種、飲食店業とどれにも当たらない事業は第4種です。飲食店は、店内で食べさせる売上が第4種で、持ち帰り用に自分で作った料理を売る部分は製造小売として第3種になるのが一般的です。
消費税 4方式 比較ツール(本則・簡易・2割・3割)
売上と経費、事業区分を入れると、簡易課税(75%ルールを含む)と本則課税、2割特例・3割特例の税額を並べて比べられます。
税額を比べる判定の順番
- 他から仕入れた商品を、性質や形状を変えずに売るか → 事業者に売るなら第1種、消費者に売るなら第2種
- 原材料から作る、建設する、農林水産物を生産するか → 第3種(飲食料品になる農林水産物は第2種)
- 日本標準産業分類で運輸通信業、金融・保険業、サービス業か → 第5種(飲食店業を除く)
- 不動産業か → 第6種
- どれにも当たらない、または飲食店業 → 第4種
業種ごとの例
- ウェブ制作、デザイン、ライター、コンサルタント、士業、美容室、学習塾: 第5種
- 雑貨店や食料品店での仕入れ商品の販売: 第2種(事業者に売る分は第1種)
- パン屋やケーキ屋が自分で作って店頭で売る: 第3種(製造小売)
- 建設業、リフォーム工事: 第3種(材料を相手が用意し加工賃だけを受け取る場合は第4種)
- アパートや事務所の賃貸、不動産の仲介: 第6種
- 仕事で使っていた車やパソコンを売った: 第4種
飲食店:店内と持ち帰り
飲食店業は第4種です。テーブルやいすを置いた店内で食べさせる売上がこれに当たります。同じ店で、自分で調理した料理を持ち帰り用に売る部分は、製造小売業として第3種とするのが国税庁の考え方です。
売上を店内と持ち帰りに分けて記録していないと、分けていない部分は低い方の率(第4種60%)で計算されます。レジで区分しておくと、控除が大きくなる可能性があります。令和9年4月からの飲食料品の税率引下げ案では、持ち帰りは1%、店内飲食は10%と税率も分かれる予定です。
農業と不動産
農業は、作った農産物が飲食料品なら第2種(80%)、花や苗木など飲食料品以外なら第3種(70%)です。令和元年10月から、軽減税率の対象になる飲食料品を生産する農業・林業・漁業が第2種になりました。
不動産業は第6種(40%)です。ただし、住宅の家賃は非課税で消費税の計算に入らないため、第6種が関係するのは事務所や店舗の賃料、駐車場、仲介手数料などの課税売上です。
区分を記録する方法
会計ソフトでは、売上の勘定科目や補助科目、税区分で事業区分を選べるものが多くあります。請求書や売上の明細に区分を書いておけば、申告のときに集計し直す手間が省けます。
よくある質問
ネットショップで仕入れた商品を売るのは何種ですか。
消費者に売るなら第2種、事業者に売ることが帳簿などで明らかな分は第1種です。自分で作った商品なら第3種です。
イラストの受注制作は第3種ですか。
イラストやデザインの制作は、一般的にはサービス業として第5種に当たります。物を製造して売る事業とは扱いが異なります。
区分が分からない売上はどうなりますか。
区分していない売上には、営んでいる事業のうち一番低いみなし仕入率が使われます。判断に迷う取引は、国税庁の質疑応答事例や税務署で確かめます。
出典(確認日)
- 国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分(2026-10-15)
- 国税庁 No.6505 簡易課税制度(2026-10-15)
- 国税庁・財務省 消費税率引下げ特設サイト(飲食料品に係る2年間の消費税率引下げ)(2026-10-15)