簡易課税の2年縛り:やめられる時期と不適用届出書
最終確認日 2026年10月15日
簡易課税を選ぶと、事業を廃止した場合を除き、効力が生じた年の初日から2年を経過する日の属する年の初日以後でなければ不適用届出書を出せません。令和9年分から簡易課税にした個人事業主なら、不適用届出書を出せるのは令和10年1月1日以後で、本則課税に戻れるのは早くて令和11年分です。
2年の数え方
令和9年1月1日に効力が生じた場合、2年を経過する日は令和10年12月31日です。その日の属する課税期間(令和10年分)の初日、つまり令和10年1月1日以後に不適用届出書を出せます。出した日の翌年から本則課税になるため、最短で令和9年分と令和10年分の2年間は簡易課税で申告します。
期間の途中で基準期間の売上が5,000万円を超えて本則課税になった年があっても、届出の効力は消えません。2年縛りは届出の効力が生じた日から数えます。
不適用届出書の期限
本則課税に戻りたい年の前年12月31日までに「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を出します。期限を過ぎると、その年も簡易課税で申告することになります。
不適用届出書には、簡易課税をやめたい年の初日と、簡易課税を始めた日を書きます。始めた日が2年以内だと受け付けられないため、届出書の控えで開始日を確かめておきます。
設備投資の年に困る理由
本則課税なら、売上の消費税より仕入れの消費税が多い年は差額が還付されます。簡易課税は売上の消費税にみなし仕入率を掛けるだけなので、店舗の改装や機械の購入で多額の消費税を払っても、その年の控除額は増えません。
大きな投資の予定があるなら、その年が本則課税になるよう、前年末までに不適用届出書を出しておく必要があります。2年縛りの期間中ならそれもできないため、簡易課税を選ぶ前に、向こう3年ほどの投資計画を確かめておくことが大切です。
飲食料品の税率引下げ案と2年縛り
令和9年4月1日から2年間、飲食料品の税率を1%に下げる案では、飲食料品を売る簡易課税の事業者が、令和9年4月1日の属する課税期間中に不適用届出書を出せば、その期間から本則課税で申告できる特例が予定されています。この期間には2年縛りも適用しないとされています。
これは令和8年9月15日に閣議決定された大綱にもとづく説明で、法律が成立した場合の内容です。対象になりそうな事業者は、国税庁・財務省の特設サイトで最新の情報を確認してください。
選ぶ前に3年分を見通す
2年縛りがあるため、簡易課税を選ぶかどうかは、届出の年を含めて3年ほどの売上と経費の見通しで決めます。開業から数年で店舗や設備を増やす予定がある事業は、その年だけ本則課税にできるよう、届出の時期を投資の計画に合わせます。
迷う場合は、比較ツールで今の売上と経費のほか、投資をした年の数字も入れて、本則と簡易の差がどれくらいになるかを確かめておくと判断しやすくなります。
よくある質問
事業をやめた場合も2年縛りはありますか。
事業を廃止した場合は、2年以内でも不適用届出書を出せます。
免税事業者に戻った年は数えますか。
2年縛りは届出の効力が生じた日からの暦の期間で数えるため、途中で免税事業者になった年も期間に含まれます。
2年縛りの間に事業区分が変わったら。
事業区分は取引ごとに判定するため、2年縛りの間でも新しい事業の売上はその区分の率で計算します。届出をやり直す必要はありません。
出典(確認日)
- 国税庁 No.6505 簡易課税制度(2026-10-15)
- 国税庁 D1-23 消費税簡易課税制度選択不適用届出手続(2026-10-15)
- 国税庁・財務省 消費税率引下げ特設サイト(飲食料品に係る2年間の消費税率引下げ)(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 消費税法(第37条 中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例)(2026-10-15)