事前確定届出給与とは:役員賞与を損金にするための事前の届出
最終確認日 2026年10月21日
事前確定届出給与は、役員の職務について所定の時期に確定した額の金銭などを支給する定めをし、期限までに税務署へ届け出て、そのとおりに支給する役員給与です。法人税では、定期同額給与・事前確定届出給与・一定の業績連動給与のどれにも当たらない役員給与は損金に算入されないため、役員賞与を損金にするときに使われます。
事前確定届出給与 届出メーカー
事業年度、決議の日、職務執行の開始日、役員ごとの支給日と金額を入れると、届出期限と、届出書・付表1の記入例PDF、議案の文例を作ります。
届出期限を計算する仕組み:決めて、届けて、そのとおり払う
法人が役員に支払う給与のうち、定期同額給与、事前確定届出給与、一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものは、損金の額に算入されません(法人税法34条1項)。役員賞与を損金にするには、通常は事前確定届出給与として手続きをします。
事前確定届出給与は、株主総会などの決議で「いつ、いくら払うか」を決め、その内容を届出期限までに所轄税務署長に届け出て、決めたとおりの日に決めたとおりの金額を支払うものです。三つのどれかが欠けると、事前確定届出給与には当たりません。
なお、事前確定届出給与に当たる場合でも、不相当に高額な部分の金額は損金に算入されません。
定期同額給与との違い
- 定期同額給与:1か月以下の一定の期間ごとに、同じ額を支給する給与(毎月の役員報酬)。届出は不要で、額の改定ができる時期が限られます。
- 事前確定届出給与:支給の時期と金額を事前に決めて届け出る給与(夏と冬の役員賞与など)。届出どおりに支給することが条件です。
- 業績連動給与:利益などの指標をもとに算定する給与。損金になる要件が厳しく、同族会社では一般的には使いにくい仕組みです。
届出が要る会社と要らない会社
同族会社に該当しない法人が、定期給与を支給しない役員に金銭で支給する給与は、届出が必要ありません。中小企業の多くは同族会社なので、役員賞与には届出が必要と考えておくのが一般的です。
同族会社が非常勤役員に年1回や四半期ごとに支払う給与も、所定の時期に確定した額を払う定めであれば届出が必要です(記載要領の注)。
届出書の様式と出し方
様式は「事前確定届出給与に関する届出書」と、役員ごとに作る付表1(金銭交付用)または付表2(株式交付用)です。届出書は定めごとに作り、その定めの対象になる役員の分をまとめて出します。
提出先は納税地の所轄税務署長で、e-Tax ソフトで作成・提出できます。書面なら1部を持参するか送付します。手数料はかかりません。
メーカーで作る手順
事業年度、決議の日、職務の執行を開始する日、役員ごとの支給日と金額を入れると、届出期限とその期限を決めた決まりを表示し、届出書と付表1の記入例PDF、議案の文例を作ります。
役員給与のほかのページ
期限の数え方と、届出と違う支給をしたときの扱いは別のページにまとめています。
よくある勘違い
「届出をすれば役員賞与はいくらでも損金になる。」
→ 届出どおりに支給することが条件で、不相当に高額な部分は損金になりません。
「毎月の役員報酬も届け出なければならない。」
→ 毎月同額の役員報酬は定期同額給与で、届出は不要です。
「非常勤役員への年1回の報酬なら届出は要らない。」
→ 同族会社が支給する場合は、年1回でも所定の時期に確定額を払う定めなら届出が必要です。
よくある質問
役員賞与は事前確定届出給与にしないと損金になりませんか。
定期同額給与・事前確定届出給与・一定の業績連動給与のいずれにも当たらない役員給与は損金に算入されません。賞与の形で払うなら、一般的には事前確定届出給与として届け出ます。
届出書はどこに出しますか。
納税地の所轄税務署長に出します。e-Tax ソフトで作成・提出でき、書面なら1部を持参または送付します。
届出書の書き方で迷ったときは。
国税庁の記載要領に欄ごとの書き方があります。個別の判断は税理士・税務署にご相談ください。
出典(確認日)
- 国税庁 タックスアンサー No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)(2026-10-21)
- 国税庁 C1-23 事前確定届出給与に関する届出(手続案内)(2026-10-21)
- 国税庁 事前確定届出給与に関する届出書の記載要領(2026-10-21)