法人税の計算の流れ:決算の利益から所得金額、税額までの順番
最終確認日 2026年10月16日
法人税は、決算書の当期利益から始めて、別表四で税法上の加算と減算をして所得金額を出し、別表一でその所得に税率をかけて計算します。所得金額は1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満を切り捨てます。
法人税 計算ツール(税引前利益から目安を出す)
税引前利益と加算・減算の額を入れると、所得金額の目安と法人税・地方税の内訳を表示します。
利益から計算する4つの段階
- 決算を確定させ、損益計算書の当期利益を出す(株主総会などで承認)
- 別表四で、税法と会計の違いを加算・減算して所得金額を出す
- 繰越欠損金があれば、別表七で控除できる額を出して所得から差し引く
- 別表一で税率をかけて法人税額を出し、地方法人税・防衛特別法人税もあわせて計算する
加算する代表例
会計では費用でも、法人税の所得の計算では損金にならないものは別表四で加算します。代表的なのは、交際費のうち損金にならない部分、減価償却費のうち税法の限度額を超えた部分、役員報酬のうち定期同額などの要件を満たさない部分、法人税・住民税の本税、罰金や延滞金などです。
事業税は申告した事業年度ではなく、納める(申告する)事業年度の損金になります。前期分の事業税を当期に払った場合は、当期の損金です。
減算する代表例
会計では収益でも、所得の計算では益金にしないものは減算します。代表的なのは、受取配当等の益金不算入額、前期に払いすぎて戻ってきた法人税等の還付金、前期に加算した減価償却の超過額が当期に認容される分などです。
法人税法26条は、法人税や住民税などの還付金を益金に算入しないと定めています。還付金を雑収入に入れている場合は、別表四で減算します。
計算の例
税引前の当期利益600万円に、損金にならない交際費などの加算50万円、受取配当の益金不算入などの減算20万円があるとすると、所得金額は6,300,000円です。法人税は945,000円、地方法人税は97,300円になります。
計算ツールの「税引前利益から目安を出す」はこの流れの目安で、別表四そのものを作るものではありません。実際の申告では、加算・減算の項目ごとに留保と社外流出を分けて書きます。
端数の扱い
国税通則法118条で課税標準の1,000円未満は切り捨て、119条で確定した税額の100円未満は切り捨てます。所得金額が8,000,999円なら課税標準は800万円で、法人税は120万円です。地方法人税は法人税額の1,000円未満を切り捨てた額に10.3%をかけます。
計算の前のセルフチェック
- 決算書(貸借対照表・損益計算書)が確定しているか
- 交際費、役員報酬、減価償却費に税法上の限度がないか
- 前期の別表四で加算した項目が、当期に減算になっていないか
- 繰越欠損金の残高と、使える期限(10年)を確かめたか
よくある質問
別表四と別表一の違いは何ですか。
別表四は会計の利益から所得金額を出す表で、別表一はその所得金額に税率をかけて税額を出す表です。
当期利益がマイナスでも所得がプラスになることはありますか。
交際費や役員報酬の加算が大きいと、決算は赤字でも所得金額がプラスになり、法人税がかかることがあります。
別表四は自分で作れますか。
会計ソフトや申告ソフトの多くが決算データから作る機能を持っています。加算・減算の判断に迷う項目は税理士に確かめてください。
出典(確認日)
- 国税庁 法人税のあらまし(令和7年版)(2026-10-16)
- e-Gov法令検索 国税通則法(第118条・第119条 端数計算)(2026-10-16)
- e-Gov法令検索 法人税法(第26条 還付金等の益金不算入)(2026-10-16)
- 国税庁 No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除(2026-10-16)