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事前確定届出給与の否認:届出と違う支給をすると、原則として全額が損金にならない

最終確認日 2026年10月21日

まず、よくある答え

届け出た支給額と実際の支給額が異なると、事前確定届出給与に該当しないこととなり、原則としてその支給額の全額が損金不算入になります(法人税基本通達9-2-14)。届出より少なく払った場合も同じです。

事前確定届出給与 届出メーカー

支給日と金額を入れて届出期限を計算し、届出書・付表1の記入例を作ります。届け出た内容と実際の支給を合わせるための控えにも使えます。

届出期限を計算する

原則:届出額と違えば全額が損金不算入

通達9-2-14は、事前確定届出給与は所定の時期に確定した額を支給する定めに基づく給与であるから、届け出た支給額と実際の支給額が異なる場合にはこれに該当しないこととなり、原則として、その支給額の全額が損金不算入となるとしています。

多く払った差額だけでなく、少なく払ったときも、その支給額の全額が対象になる点に注意が必要です。

否認されるかどうかは届出書と付表1に書いた支給時期と金額との比較で決まるため、届出の控えと実際の支給の記録(振込日と金額)をそろえて保管しておくと、後から確かめやすくなります。

出典:国税庁 法人税基本通達 第2節第4款 事前確定届出給与(9-2-14)

複数回支給の判定は職務執行期間で

質疑応答事例は、役員給与は定時株主総会から次の定時株主総会までの職務執行の対価と解されるので、複数回の支給は職務執行期間を一つの単位として判定するとしています。

例えば3月決算の会社が、12月と翌6月にそれぞれ200万円を届け出て、12月に100万円しか払わず6月に200万円を払ったときは、支給の全てが定めどおりとはいえないため、全額300万円が損金不算入になります。

ただし、当該事業年度中は定めどおりに支給し、翌事業年度の支給だけが定めどおりでなかった場合は、直前の事業年度の課税所得に影響を与えるものではないため、翌事業年度に支給した額だけを損金不算入として差し支えないとしています。

出典:国税庁 質疑応答事例 定めどおりに支給されたかどうかの判定(事前確定届出給与)

一部の役員だけ違ったとき

届出書の記載額と異なる支給をしたのがA役員だけなら、記載額どおり支給したほかの役員の給与は損金算入できます。事前確定届出給与は役員ごとの給与について規定しているためです。

出典:国税庁 質疑応答事例 届出書を提出している法人が特定の役員に記載額と異なる支給をした場合の取扱い

支給時期の考え方

職務執行期間の途中(6月と12月など)で支給する場合でも、使用人の盆暮れの賞与と同じ時期にし、毎期継続して同時期に支給しているなど、支給時期が一般的に合理的に定められていれば、事前確定届出給与として損金算入できるとされています。

出典:国税庁 質疑応答事例 職務執行期間の中途で支給した事前確定届出給与

支給前に確かめる項目

事前確定届出給与 届出メーカー

役員給与のほかのページ

届出の仕組みと期限の数え方は、それぞれのページで説明しています。

事前確定届出給与とは事前確定届出給与の届出期限

よくある勘違い

「届出より少なく払えば、払った分は損金になる。」

→ 原則として、その支給額の全額が損金不算入です(通達9-2-14)。

「一人でも届出と違えば、全役員の分が否認される。」

→ 役員ごとに判定し、届出どおり払った役員の分は損金算入できます(質疑応答事例)。

「2回払いのうち2回目だけ違えば、2回目だけが否認される。」

→ 原則は職務執行期間で判定して全額です。2回目が翌事業年度の場合に限り、翌事業年度の分だけでよいとされています。

よくある質問

資金が足りず、届出より少なく払うしかないときは。

原則として支給額の全額が損金不算入になります。業績悪化改定事由による変更の届出ができる場合があるため、支給の前に税理士・税務署にご相談ください。

支給しなかった場合はどうなりますか。

支給しなければ損金の問題は生じませんが、複数回支給のうち一部を払わなかった場合は、払った分が定めどおりかどうかの判定に影響します。

否認された金額はどうなりますか。

損金に算入されない金額は、法人税の計算上、所得に加算されます。役員の側では給与として課税されます。

出典(確認日)

一般的な情報とセルフチェックの提供です(税理士法52条により、個別の税務相談や申告書の作成はお受けしていません)。個別の判断は税理士または税務署にご相談ください。