法人が赤字のとき:法人税は0円、均等割は納める、欠損金は10年使える
最終確認日 2026年10月16日
赤字(所得が0円以下)の事業年度は、法人税・地方法人税・法人住民税の法人税割・事業税は0円ですが、法人住民税の均等割は納めます。青色申告をしていれば、その欠損金を翌期以後10年間繰り越して所得から差し引けます。申告は赤字でも必要です。
法人税 計算ツール(赤字の年は均等割だけを表示)
所得をマイナスで入れると、納める税が均等割だけになることと、欠損金の注意点を表示します。
赤字の年を計算する赤字でもかかる税とかからない税
東京23区で資本金1,000万円以下、従業者50人以下の会社なら、赤字の年に納める地方税は均等割の70,000円です。
- かからない:法人税、地方法人税、防衛特別法人税、法人税割、事業税の所得割、特別法人事業税
- かかる:法人住民税の均等割(資本金等の額と従業者数で決まる定額)
- 資本金1億円超の法人は、事業税の付加価値割・資本割(外形標準課税)も赤字に関係なくかかる
欠損金の繰越控除(10年)
青色申告書を出した事業年度の欠損金は、翌期以後10年以内に開始する事業年度の所得から差し引けます(平成30年4月1日以後に開始した事業年度の欠損金)。中小法人等は所得の全額まで差し引け、それ以外の法人は所得の50%が上限です。
使い続けるには、欠損が出た年に青色申告であることと、その後も連続して確定申告書を出していることが条件です。赤字の年に申告をしないと、翌年以後に欠損金を使えなくなります。
中小法人の繰戻し還付
青色申告の中小法人は、赤字になった事業年度の欠損金を前1年以内に開始した事業年度に繰り戻し、その年に納めた法人税の還付を請求できます。還付を受けるには、確定申告書と同時に還付請求書を出します。
繰戻し還付は法人税(国税)の制度で、法人住民税や事業税には同じ制度がなく、地方税は欠損金の繰越で調整します。中小企業者等以外の法人は、令和10年3月31日までに終わる事業年度では使えません。
計算の例
前期に所得800万円で法人税120万円を納め、当期に200万円の赤字になったとします。繰戻し還付を選ぶと、200万円 ÷ 800万円 × 120万円 で約30万円の法人税の還付を請求できます。
繰り越しを選ぶと、翌期の所得から200万円を差し引けます。どちらが有利かは翌期以後の見込みによって変わるため、計算ツールに翌期の見込み所得と繰越欠損金を入れて比べられます。
赤字と役員報酬の関係
法人の赤字は、役員報酬を多く払った結果として生じることもあります。役員報酬は事業年度の途中で自由に変えられず、定期同額給与の要件を外れた部分は損金になりません。翌期の見込みを立てて、期首から3か月以内に報酬額を決めるのが一般的な流れです。
赤字の年に役員報酬を未払いにしたり、後から減額したりする扱いには税務上の制約があります。迷う場合は、決める前に税理士に確かめてください。
赤字の年のセルフチェック
- 青色申告の承認を受けているか
- 期限までに確定申告書を出すか(0円でも申告)
- 均等割の納付を予定しているか
- 繰戻しか繰越しかを決めたか(繰戻しは申告と同時に請求)
よくある質問
赤字なら申告しなくてもよいですか。
法人は赤字でも確定申告書を出す必要があります。出さないと欠損金の繰越ができなくなり、均等割の申告も漏れます。
均等割は経費になりますか。
均等割は法人住民税の一部で、法人税の所得の計算では損金になりません。
白色申告でも欠損金は繰り越せますか。
欠損金の繰越控除と繰戻し還付は、欠損が出た年に青色申告であることが条件です。
出典(確認日)
- 国税庁 No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除(2026-10-16)
- 国税庁 No.5763 欠損金の繰戻しによる還付(2026-10-16)
- 東京都主税局 法人都民税 均等割の税率表(2026-10-16)
- 総務省 法人住民税(2026-10-16)