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月額変更届はいつ出す

最終確認日 2026年10月23日

まず、よくある答え

月額変更届は、固定的賃金が変わった月から3か月分の給与を払い終え、その3か月の平均で標準報酬月額が2等級以上変わると分かった時点で、速やかに出します。日本年金機構は「何日以内」という日数を示していません。新しい標準報酬月額は変動月から数えて4か月目の分から使われ、たとえば4月支払分から昇給した人は7月分から改定されます。

月額変更届(随時改定)判定ツール

3か月の報酬と支払基礎日数を入れると、要・不要と新しい等級、改定月、保険料の差、届書の記入例を表示します。

月額変更届を判定する

出すのは3か月分の給与を払い終えたあと

月額変更届の提出時期について、日本年金機構の案内は「速やかに」とだけ書いています。判定に使うのは変動月から続く3か月の報酬なので、3か月目の給与を支払って平均を出すまでは、届け出るかどうか決まりません。

4月支払分の給与から基本給が上がった人なら、4月・5月・6月の3回の給与を払った後に平均を計算し、2等級以上の差があれば6月の給与支払いの後すぐに届書を作ります。給与計算の締めと支払日がずれている会社でも、数えるのは実際に給与を支払った月です(届書の⑨支給月の注記)。

提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、電子申請、郵送、窓口持参のいずれでも受け付けています。資本金等が1億円を超える法人などの事業所は、月額変更届を電子申請で出す決まりです。

出典:日本年金機構「随時改定(月額変更届)」

随時改定の3つの条件

月額変更届が必要になるのは、次の3つがすべてそろったときです。1つでも欠ければ随時改定は行われず、翌年の定時決定まで今の標準報酬月額が続きます。

出典:日本年金機構「随時改定(月額変更届)」

平均には残業代も入るが、きっかけにはならない

2つ目の条件で使う平均には、残業代や通勤手当、食事や住宅などの現物給与も含めます。一方で、残業代のような非固定的賃金が増えただけでは1つ目の条件を満たさないため、何等級上がっても随時改定にはなりません。

反対の向きにも注意が要ります。基本給が上がったのに残業が大きく減って平均の等級が下がった場合や、基本給が下がったのに平均が上がった場合は、2等級以上の差があっても対象外です。固定的賃金が動いた向きと、平均の等級が動いた向きがそろっている必要があります。

等級表のいちばん上やいちばん下にいる人には特例があります。たとえば厚生年金保険の31等級(62万円)の人が昇給して平均が66万5千円以上になると、等級の差は1つでも32等級へ改定されます。

出典:日本年金機構「随時改定(月額変更届)」

いつから保険料が変わるか

改定されるのは、変動月から数えて4か月目の標準報酬月額からです。健康保険法43条と厚生年金保険法23条は、3か月の平均が著しく高低を生じた月の翌月から改定すると定めています。

保険料の控除は、事業主が前月分の保険料を当月の給与から差し引けると定められているため(健康保険法167条)、多くの会社では改定月の翌月に支払う給与から控除額が変わります。7月改定なら7月分の保険料が新しい額になり、8月の給与で差し引く形です。

改定された標準報酬月額は、1月から6月の改定ならその年の8月まで、7月から12月の改定なら翌年の8月まで使われます。その間にまた固定的賃金が変われば、同じ手順でもう一度判定します。

例:基本給 30万円から32万円(4月支払分から)、東京都、40歳未満
項目内容
3か月の報酬4月 335,000円、5月 340,000円、6月 338,000円(残業代を含む)
平均1,013,000円 ÷ 3 = 337,666円(1円未満切り捨て)
等級健康保険 22級 30万円 → 24級 34万円(2等級差)
改定月7月分から(7月から12月の改定なので翌年8月まで)
本人負担の保険料(月額の目安)健康保険 15,120円 → 17,136円、厚生年金保険 27,450円 → 31,110円

出典:e-Gov法令検索 健康保険法(41条・43条・43条の2・167条)

算定基礎届との違い

算定基礎届(定時決定)は、毎年7月1日に在籍する人について4月から6月の報酬で標準報酬月額を決め直す手続きで、その年の9月から翌年8月まで使われます。昇給の有無に関係なく全員が対象で、等級の差の条件もありません。

月額変更届は、固定的賃金が変わった人だけを、変わったときに見直す手続きです。7月から9月までのいずれかの月から随時改定される人は、その年の定時決定の対象から外れます(健康保険法41条3項)。そのため、4月から6月に昇給して7月改定になる人は、算定基礎届ではなく月額変更届で手続きします。

出典:e-Gov法令検索 健康保険法(41条・43条・43条の2・167条)

提出が遅れたとき

改定月は届書を出した日では決まらず、変動月と3か月の報酬で決まります。届出が遅れても改定月は4か月目のままなので、遅れた分は改定月までさかのぼって保険料を精算するのが一般的です。

さかのぼる期間が長いほど、給与から差し引く差額や会社負担の追加がまとまって発生します。昇給の辞令を出したら、3か月後に判定する予定を給与計算の予定表に入れておくと、出し忘れを防げます。

月額変更届(随時改定)判定ツール標準報酬月額と残業代育児休業等終了時報酬月額変更届給与明細 作成

よくある勘違い

「残業代が増えて標準報酬月額が2等級上がるなら、月額変更届を出す。」

→ 随時改定のきっかけは固定的賃金の変動です。残業代などの非固定的賃金が増えただけなら対象にならず、翌年の定時決定で反映されます。

「昇給したら1等級でも標準報酬月額が上がる。」

→ 通常は2等級以上の差が条件です。1等級差で改定されるのは、等級表の上限・下限をまたぐ場合などに限られます。

「3か月のうち1か月でも17日以上あれば判定できる。」

→ 随時改定は3か月とも17日(特定適用事業所の短時間労働者は11日)以上が必要です。1か月でよいのは育休・産休終了時の改定です。

よくある質問

変動月とはいつのことですか。

変わった後の固定的賃金で、初めて給与を支払った月です。5月分の給与を6月に支払う会社で5月分から昇給したなら、変動月は6月です。

さかのぼって昇給し、差額をまとめて払ったときは。

差額を支払った月を変動月とし、差額を除いた3か月の平均で判定します。届書には遡及支払額と、差額を除いた修正平均額を書きます。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。