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標準報酬月額と残業代の関係(会社側)

最終確認日 2026年10月15日

まず、よくある答え

残業代は、健康保険・厚生年金の標準報酬月額を決める報酬に含まれます。毎年の算定基礎届では4月から6月に払った報酬の平均で決めるため、この時期に残業が多いと標準報酬月額が上がります。一方、残業代など非固定的賃金の増減だけでは随時改定(月額変更)の対象にはなりません。

給与明細 作成ツール

標準報酬月額から健康保険・厚生年金の保険料を計算し、給与明細を作れます。

保険料を計算する

残業代は報酬に含まれる

標準報酬月額の報酬には、基本給や手当のほか、残業手当、通勤手当、住宅手当など、労働の対償として受け取るものが含まれます。割増賃金の計算とは違い、通勤手当も報酬に入ります。

年3回以下の賞与は報酬ではなく標準賞与額として、別に保険料を計算します。

出典:日本年金機構 定時決定(算定基礎届)

算定基礎届と4〜6月の残業

毎年7月1日から10日までに出す算定基礎届では、4月、5月、6月に払った報酬の平均から標準報酬月額を決め、その年の9月分から翌年8月分までの保険料に使います。支払基礎日数が17日未満の月は除いて平均します。

業務の性質上、4〜6月に例年残業が多く、年間の平均と2等級以上の差が出る場合は、年間平均で決める保険者算定を申し立てられる仕組みがあります。本人の同意など要件があります。

出典:日本年金機構 定時決定(算定基礎届)

残業代の増減で随時改定にならない理由

随時改定は、昇給や降給など固定的賃金が変わり、変動後3か月の報酬の平均が2等級以上変わった場合に行います。残業代は月ごとに変わる非固定的賃金なので、その増減だけでは対象になりません。

ただし、残業代の単価や割増率を変えた場合は、固定的賃金の変動として扱われます。固定残業代の額を変えた場合も、固定的賃金の変動にあたるかを確認します。

出典:日本年金機構 随時改定(月額変更届)

本人への説明

4〜6月の残業で保険料が上がったという質問は毎年出ます。保険料が上がった分、将来の厚生年金や傷病手当金などの給付の基礎も上がることをあわせて伝えると、理解を得やすくなります。

働く人向けの随時改定の早見と解説は、そろばんノートにもまとめられています。

そろばんノート 随時改定の早見

計算の例

基本給25万円で、4月の残業代が3万円、5月が4万円、6月が5万円なら、3か月の報酬の平均は29万円です。残業がない月の報酬25万円で決める場合より等級が上がり、9月分からの保険料が増えます。

同じ人が7月以降に残業がなくなっても、固定的賃金は変わっていないため随時改定にはならず、翌年の算定基礎届まで同じ標準報酬月額が続きます。

よくある質問

4月から残業代の単価を上げたら月額変更ですか。

単価の変更は固定的賃金の変動にあたるため、3か月の平均が2等級以上変われば随時改定の対象です。

固定残業代を廃止して基本給に組み入れたら。

固定的賃金の内訳が変わるため、変動月から3か月の報酬平均で2等級以上の差が出るかを確認します。

4〜6月にだけ休職していた場合は。

支払基礎日数が17日未満の月は除き、3か月とも該当すれば従前の標準報酬月額で決めるなどの扱いがあります。日本年金機構の案内を確認してください。

パートの算定基礎届で日数が少ない月は。

短時間労働者は支払基礎日数11日以上の月で平均するなど、一般の人と扱いが違います。加入の区分に合わせて確認します。

残業代を翌月払いにしている場合、4月の残業はいつの報酬ですか。

算定基礎届は実際に払った月で数えます。3月の残業を4月の給与で払っていれば、4月に払った報酬に含めます。

出典(確認日)

一般的な情報の提供です(社会保険労務士法27条・税理士法52条により、個別の書類作成や相談はお受けしていません)。個別の判断は社会保険労務士・税理士へご相談ください。