白色申告の専従者控除:配偶者86万円・その他50万円か、所得÷(人数+1)の低い方
最終確認日 2026年10月21日
白色申告の事業専従者控除は、生計を一にする配偶者や15歳以上の親族が事業に専ら従事しているとき、配偶者は86万円、その他の親族は50万円と、控除前の事業所得を専従者の数に1を足した数で割った金額の、いずれか低い金額を必要経費とみなす仕組みです。届出書は要らず、確定申告書に書いて受けます。
専従者給与 いくらが得か+届出書
白色申告の専従者控除を使う場合と配偶者控除・扶養控除を受ける場合の、世帯の所得税・住民税を比べます。
専従者控除を比べる控除額の計算
控除額は、イ 事業専従者が配偶者なら86万円、配偶者でなければ一人につき50万円、ロ この控除をする前の事業所得等の金額を事業専従者の数に1を足した数で割った金額、のいずれか低い金額です。
例えば事業所得が120万円で配偶者が一人専従しているなら、120万円 ÷(1 + 1)= 60万円が86万円より低いので、控除額は60万円です。
要件
- 白色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
- その年の12月31日現在で15歳以上であること。
- その年を通じて6か月を超える期間、その事業に専ら従事していること。
- 確定申告書に、この控除を受ける旨と金額などを書くこと。
青色の専従者給与との違い
青色申告の専従者給与は、届出書に書いた範囲内で実際に払った相当な額が必要経費になります。白色申告の専従者控除は、実際に払った額にかかわらず上の計算で決まる金額を必要経費とみなし、その金額が専従者の給与所得の収入金額とみなされます(所得税法57条4項)。
どちらの場合も、事業専従者は控除対象配偶者や扶養親族になれません。
確定申告書と収支内訳書への書き方
事業専従者控除は、確定申告書に控除を受ける旨と控除額を書いて受けます(所得税法57条5項)。白色申告者は収支内訳書を添付するので、専従者の氏名、続柄、年齢、従事月数と控除額をそこにも書きます。記載がない場合は、やむを得ない事情があると認められるときを除き、控除は受けられません。
二人の専従者(配偶者と子)がいて控除前の事業所得が210万円なら、210万円 ÷(2 + 1)= 70万円と比べて、配偶者は70万円(86万円より低い)、子は50万円(70万円より低い)で、合計120万円が必要経費とみなされます。
不動産所得の場合は、不動産の貸付けが事業として行われているときに限って専従者控除を使えます。
配偶者控除と比べた例
事業所得120万円、配偶者が専従者の例をメーカーで計算すると、専従者控除60万円を使う場合の本人と配偶者の所得税・住民税の合計は22,000円、使わずに配偶者控除を受ける場合は49,000円でした(国保・年金は含みません)。所得や家族の状況で結果は変わるため、自分の数字で比べてください。
あわせて読むページ
青色申告の専従者給与と、確定申告の進め方もあわせて確かめられます。
よくある勘違い
「白色申告でも家族に払った給与は全額経費になる。」
→ 白色では払った給与は経費にならず、決まった計算の専従者控除だけが必要経費とみなされます。
「専従者控除には届出書が必要。」
→ 届出書は要らず、確定申告書に控除を受ける旨と金額を書きます。
「配偶者なら86万円をそのまま控除できる。」
→ 控除前の事業所得を(人数+1)で割った金額の方が低ければ、そちらが上限です。
よくある質問
専従者が二人いるときは。
一人ずつ86万円(配偶者)・50万円(その他)を上限に、控除前の事業所得を3で割った金額と比べて、それぞれ低い方です。
専従者控除を受けた家族の税金は。
控除額がその家族の給与収入とみなされるので、ほかの所得とあわせて所得税・住民税がかかることがあります。
青色申告にした方が得ですか。
青色なら相当な額の給与を経費にでき、青色申告特別控除もあります。帳簿の付け方などの要件も含めて比べてください。
出典(確認日)
- 国税庁 タックスアンサー No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除(2026-10-21)
- e-Gov法令検索 所得税法(第57条)(2026-10-21)
- 国税庁 タックスアンサー No.1191 配偶者控除(2026-10-21)