給与計算を自動にする前に決めておくこと
最終確認日 2026年10月15日
給与計算を自動にしても、計算のルールは会社が決めたものをソフトに設定するだけです。締め日と支払日、残業を何分単位で集計するか、時間単価や割増賃金の端数処理、固定残業代の時間数、有給の日の賃金の方式、日割りの方法、手当を割増の基礎に入れるかどうかを、就業規則や賃金規程と合わせて先に決めておきます。
給与計算ソフトの比較(3問で絞り込み)
従業員数、年末調整、勤怠の3つの質問で、公表されている料金と機能を並べて比べられます。
比較を見る設定の前に決めること
- 賃金の締め日と支払日(支払日が休日のときの前倒し・後ろ倒し)
- 残業の集計単位(1分単位か、月合計で30分基準の端数処理か)
- 時間単価・割増賃金の円未満の端数処理(50銭基準など)
- 固定残業代の有無、時間数、超過分の計算方法
- 有給の日の賃金の方式(通常の賃金・平均賃金・標準報酬日額)
- 入社月・退職月の日割りの方法と、日割りの対象にする手当
- 手当ごとの区分(割増の基礎に入れるか、最低賃金の比較に入れるか、社会保険の報酬か)
就業規則・賃金規程と合わせる
ソフトの設定と賃金規程が食い違うと、毎月の計算は自動でも、結果が規程どおりではない状態になります。設定を決めたら、賃金規程の条文と一つずつ照らし合わせます。
規程に書いていないことは、この機会に決めて書き加えます。端数処理や日割りの方法は、厚生労働省のモデル就業規則も参考になります。
本番前に並行して確かめる
切り替えの最初の1〜2か月は、これまでの方法と新しいソフトの両方で計算し、結果が一致するかを確かめます。残業が多い人、途中入社の人、パート、手当の多い人など、条件の違う人を選んで比べると、設定の漏れに気づきやすくなります。
年の途中で切り替えるときは、1月からの支給額と源泉徴収税額をソフトに登録しないと、年末調整を正しく計算できません。
ソフト選びとの関係
従業員数、年末調整や勤怠管理までソフトで行うか、社会保険の電子申請を使うかによって、必要なプランが変わります。決めたルールをそのまま設定できるか(集計単位、端数処理、日割りの方法など)を、無料期間のうちに試します。設定できない項目があれば、規程を変えるか、その部分だけ手で調整する運用にするかを先に決めておきます。
決めたことを残す
決めたルールは、設定画面の写しと一緒に一覧にして保管します。担当者が替わったときや料率の改定で設定を変えるときに、なぜその設定にしたのかが分かるようにしておくためです。
よくある質問
Excelで自動計算しても大丈夫ですか。
小規模なら可能ですが、料率の改定や源泉徴収税額表の更新を自分で反映させる必要があります。改定月を一覧にして、毎年確認する仕組みを作ります。
勤怠システムと給与ソフトは同じ会社にすべきですか。
同じシリーズなら連携が簡単ですが、CSVで取り込める組み合わせも多くあります。勤怠の集計単位と給与の端数処理が合っているかを確認します。
自動化した後に毎月確認することは。
前月との差が大きい人、残業が多い人、入退社のあった人の明細を中心に見ると、設定の誤りや入力漏れに早く気づけます。
途中入社の人の前職分はソフトに入れますか。
年末調整で合算するため、前職の源泉徴収票の支払金額、社会保険料、源泉徴収税額を登録します。
出典(確認日)
- 愛知労働局 賃金計算の端数の取扱い(昭和63年3月14日 基発第150号より)(2026-10-15)
- 厚生労働省 モデル就業規則(令和7年12月版)(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 労働基準法(第12条 平均賃金、第24条 賃金の支払、第39条 年次有給休暇)(2026-10-15)