雇入時健康診断の義務と進め方
最終確認日 2026年10月15日
事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるとき、医師による健康診断を行う義務があります(労働安全衛生規則43条)。パートやアルバイトでも、1年以上使う予定で週の所定労働時間が正社員の4分の3以上なら対象です。費用は事業者の負担で、3か月以内に受けた健康診断の結果を本人が書面で出せば、その項目は省けます。
対象になる人
対象は「常時使用する労働者」です。厚生労働省の労働局の資料は、期間の定めのない契約か1年以上使う予定があり、かつ週の所定労働時間が同じ業務の通常の労働者の4分の3以上の人を挙げています。この条件に当てはまれば、パートやアルバイトという呼び方に関係なく対象になります。
4分の3に届かなくても、おおむね2分の1以上働く人には実施することが望ましいとされています。役員や業務委託の人は労働者ではないため、この義務の対象には入りません。
検査する11項目
定期健康診断と違い、雇入時健康診断には医師の判断で項目を省略する規定がありません。健診機関に申し込むときは「雇入時健康診断」と伝えると、必要な項目がそろった検査になります。
- 既往歴と業務歴の調査
- 自覚症状と他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量、赤血球数)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖と蛋白の有無)
- 心電図検査
実施する時期
規則は「雇い入れるとき」と定めており、労働局の資料は雇い入れの直前または直後に実施するとしています。入社日が決まった時点で健診の予約を入れておくと、入社後に慌てずに済みます。
3か月以内の健康診断で代える
医師による健康診断を受けてから3か月を経過していない人を雇い入れる場合、本人がその結果を証明する書面を出せば、受けた項目に相当する項目は改めて行わなくてよいとされています。
前の職場の定期健康診断や、自治体の健診の結果を使えることがあります。足りない項目があれば、その項目だけを追加で受けてもらいます。
費用と結果の保存
労働局の資料は、雇入時健康診断も含めて一般健康診断は事業者の負担で行うよう求めています。入社前に本人に受けてもらう場合でも、費用は会社が持つのが原則です。
結果は健康診断個人票にまとめ、5年間保存します。
よくある質問
3か月だけのアルバイトも対象ですか。
労働局の資料が挙げる「常時使用する労働者」は、1年以上使う予定があることなどが条件です。短期で契約の更新も予定していない場合は、一般的には対象に入りません。更新して1年以上になる見込みが出たら対象になります。
試用期間中の人も対象ですか。
期間の定めのない契約で雇い入れ、週の所定労働時間が4分の3以上なら、試用期間中でも対象になります。
健診の結果を本人以外が見てもよいですか。
健康情報は配慮が必要な個人情報です。見る人の範囲や保管の方法を社内で決めておきます。
雇入時健康診断の結果は報告が必要ですか。
労働基準監督署への結果の報告が求められているのは、常時50人以上の事業者が行う定期健康診断などで、雇入時健康診断は対象ではありません。個人票の作成と5年の保存は必要です。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 労働安全衛生規則(第43条、第44条、第45条、第51条、第52条)(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 労働安全衛生法(第66条 健康診断)(2026-10-15)
- 石川労働局 労働安全衛生法に基づく健康診断に関するFAQ(2026-10-15)
- 新潟労働局 パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう!!(2026-10-15)