健康診断の費用は誰が負担する?
最終確認日 2026年10月15日
労働安全衛生法で事業者に実施が義務づけられた健康診断の費用は、事業者が負担します。法定の項目を超えるオプション検査や、本人の希望で受ける人間ドックの上乗せ分は、会社の規程で本人負担にすることが多い部分です。個人事業主が自分のために受ける健康診断の費用は、一般的には事業の必要経費になりません。
法定の健康診断は会社の負担
労働局の資料は、雇入時健康診断、定期健康診断、特定業務従事者の健康診断のいずれも、事業者の負担で行うよう求めています。実施を義務づけられているのが事業者である以上、その費用も事業者が持つという考え方です。
本人に立て替えてもらった場合も、会社が精算します。
オプション検査と再検査
法定の項目に含まれないがん検診などのオプション検査は、会社の福利厚生として負担するか、本人負担にするかを会社が決められます。どちらにするかを就業規則や社内規程に書いておくと、従業員ごとに扱いが分かれずに済みます。
再検査や精密検査の費用は、法令で負担者が決まっておらず、労使で話し合って決めるものとされています。
受診中の賃金
一般健康診断を受けている時間の賃金は、労使で協議して決めるものとされ、事業者が支払うことが望ましいとされています。特殊健康診断の時間は労働時間なので、賃金の支払いが必要です。
パートタイムの人が勤務時間外に受診する場合も、受診の時間を勤務として扱い賃金を払う取組が、労働局の資料で好事例として紹介されています。
会社が負担したときの税金
国税庁の質疑応答事例は、役員と使用人の全員を対象に定期健康診断を行い、一定年齢以上の希望者全員の人間ドックの費用を会社が負担する例について、給与として課税しなくてよいとしています。
一方で、役員など特定の人だけを対象にした費用の負担は、給与として課税されることがあるとしています。対象と金額の決め方を規程にしておくことが大切です。
個人事業主が自分の健康診断を受けるとき
所得税法は、家事上の経費(家事費)を必要経費に入れないと定めています。事業主本人の健康診断は本人の健康のための支出と考えられるため、一般的には必要経費にはならないと解されています。
医療費控除でも、健康診断の費用は原則として対象外です。ただし、健康診断で重大な疾病が見つかり、引き続き治療を受けた場合は、その健康診断の費用も医療費控除の対象になります。個別の扱いは税務署や税理士に確認してください。
よくある質問
入社前の健康診断を自費で受けてもらうことはできますか。
雇入時健康診断は事業者の義務なので、費用は会社が負担するのが原則です。本人に立て替えてもらった場合は、入社後に精算します。
従業員を雇っている個人事業主が、従業員の健康診断を払った場合は。
雇っている従業員の法定の健康診断の費用は、事業者の負担であり、福利厚生費として必要経費になるのが一般的です。
家族従業員の健康診断はどうなりますか。
家族以外の従業員と同じ基準で実施しているかなど、事情によって扱いが変わります。必要経費にできるかは税理士に確認してください。
健康診断の費用は経費の科目で何になりますか。
従業員の法定の健康診断の費用は、福利厚生費として処理するのが一般的です。
出典(確認日)
- 石川労働局 労働安全衛生法に基づく健康診断に関するFAQ(2026-10-15)
- 厚生労働省 健康診断を受けている間の賃金はどうなるのでしょうか?(2026-10-15)
- 新潟労働局 パートタイム労働者の健康診断を実施しましょう!!(2026-10-15)
- 国税庁 質疑応答事例 人間ドックの費用負担(2026-10-15)
- 国税庁 No.1122 医療費控除の対象となる医療費(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 所得税法(第45条 家事関連費等の必要経費不算入等)(2026-10-15)