雇用契約書とは何か、会社が用意する理由
最終確認日 2026年10月15日
雇用契約書は、会社と労働者が労働条件に合意したことを示す書類です。法律で作成が義務づけられているわけではなく、義務があるのは労働条件通知書の交付のほうです。ただし、合意の証拠として残しておくと、後で条件をめぐる行き違いが起きたときに役立つため、通知書と一体にして作る会社が多くあります。
労働条件通知書(兼雇用契約書)メーカー
初めて人を雇う場合は、労働条件通知書兼雇用契約書の形にすると、交付義務と合意の記録を1枚で満たせます。
雇用契約書を作る作成義務はない
雇用は、働くことと賃金を払うことを約束すれば成立する契約で、書面がなくても有効です。このため、雇用契約書そのものを作る法律上の義務はありません。
一方、労働条件のうち契約期間や賃金など一定の項目は、通知書として書面で渡す義務があります。契約書だけを作り、そこに必要な項目が欠けていると、明示の義務を果たしたことになりません。
書いておく内容
- 通知書で書面にする項目の全て(期間、場所と業務、時間、休日、賃金、退職)
- 試用期間の有無と長さ、その間の条件
- 秘密保持や副業の扱いなど、就業規則に定めがあり本人に特に確認しておきたい事項
- 契約が成立したことと、双方が1通ずつ保有することの文言
保存しておく期間
労働者名簿や賃金台帳、雇入れに関する書類は、労働基準法で一定期間の保存が求められています。雇用契約書もこの雇入れに関する書類として扱い、退職後もしばらく保管しておくのが一般的です。
保存期間は現在5年(経過措置として当分の間3年)とされています。社内では、退職日から5年を目安にまとめて保管すると管理しやすくなります。
行き違いを防ぐ使い方
内定の段階で口頭やメールで伝えた条件と、入社時の書面の条件が違うと、もめる原因になります。募集時の条件から変わった点があれば、契約書を交わす前に説明しておきます。
本人と一緒に読み合わせ、分かりにくい欄はその場で説明すると、署名の意味が明確になります。控えを渡したことも記録しておきます。
内定通知書との関係
内定通知書は採用を決めたことを伝える書類で、労働条件の明示の代わりにはなりません。内定の段階で条件を伝えた場合でも、入社時には改めて通知書を渡します。
内定の時点で労働契約が成立していると考えられる場合もあり、内定を取り消すには相応の理由が必要とされています。内定通知書に取消しの事由を書いておく会社もあります。
よくある質問
アルバイト1人でも雇用契約書は必要ですか。
契約書は任意ですが、労働条件通知書はアルバイト1人でも必要です。パートやアルバイトには、昇給・賞与・退職手当の有無などの追加の項目もあります。
雇用契約書と業務委託契約書は何が違いますか。
雇用契約は会社の指揮命令のもとで働く契約で、労働基準法や社会保険の対象になります。業務委託は仕事の完成や事務の処理を任せる契約で、働き方の実態が雇用に近いと、名前に関係なく雇用と判断されることがあります。
契約書を交わした後で条件を変えられますか。
労働条件の変更は、原則として本人との合意が必要です(労働契約法8条)。
雇用契約書は何通作りますか。
会社と本人が1通ずつ持つため、2通作ってそれぞれに署名するのが一般的です。1通を作って写しを渡す方法でも構いません。
出典(確認日)
- e-Gov法令検索 労働基準法(第14条、第15条、第20条、第21条、第37条)(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 労働契約法(第4条、第8条〜第10条、第17条〜第19条)(2026-10-15)
- 厚生労働省 モデル労働条件通知書(一般労働者用;常用、有期雇用型)(2026-10-15)
- e-Gov法令検索 労働基準法施行規則(第5条 労働条件の明示)(2026-10-15)