固定残業代40時間・45時間は問題になるか(36協定との関係)
最終確認日 2026年10月15日
固定残業代の時間数そのものに法律上の上限はありません。ただし、36協定で延長できる時間は原則として月45時間・年360時間までなので、45時間を超える時間数の固定残業代は、限度時間を超える残業を前提とした設計として問題視されやすいとされています。どの時間数でも、超えた分は別に払います。
固定残業代 設計ツール
固定残業の時間数を入れると、36協定の限度時間との関係と、今月の超過分の残業代を表示します。
時間数を確かめる36協定の限度時間
時間外労働をさせるには36協定を結んで届け出る必要があり、延長できる時間は月45時間・年360時間が限度です。臨時的な特別の事情があるときだけ、特別条項で年720時間以内、時間外と休日の合計で単月100時間未満などの範囲まで延ばせます。
特別条項で45時間を超えられるのは年6か月までです。毎月45時間を超える前提の働き方は、この仕組みとは合いません。
40時間・45時間の固定残業代
40時間分なら月45時間の限度の内側ですが、毎月ほぼ40時間の残業がある職場であることを示すことになります。求人票の見え方や、実際の残業時間との差も考えて決めます。
45時間分は限度時間と同じで、固定時間を少しでも超えれば特別条項が必要になります。45時間を超える時間数は、裁判では長時間労働を前提とした定めとして有効性が争われた例もあり、一般的には避けられる傾向にあります。
超えた分の支払
固定の時間数を超えた残業は、超えた時間に時間単価と割増率を掛けて払います。月60時間を超えた部分は50%以上で、中小企業も2023年4月1日からこの率です。
固定残業代の時間数に満たない月でも、差額を差し引くことはできません。
時間数を見直す目安
実際の残業時間が固定の時間数を大きく下回る月が続くなら、時間数を下げて基本給の割合を高める見直しも選択肢です。ただし基本給を下げる方向の変更は不利益変更にあたるため、本人の同意が前提です。
逆に、毎月のように超過分が出ている場合は、業務量や人員の見直しとあわせて検討します。
残業時間の記録と固定残業代
固定残業代を払っていても、労働時間を把握して記録する義務はなくなりません。毎月の実際の残業時間を集計し、固定の時間数を超えたかどうかを確かめて、超えた分を払います。
実際の残業時間と固定の時間数を毎月並べて残しておくと、時間数の見直しや本人への説明に使えます。
よくある質問
固定残業代が80時間分という求人は違法ですか。
時間数だけで直ちに違法とは言えませんが、限度時間を大きく超える残業を前提とした定めは、有効性が争われるおそれが高いと考えられています。
36協定を結んでいなくても固定残業代は払えますか。
36協定がないと、そもそも法定労働時間を超えて働かせることができません。固定残業代を払う前提として、36協定の締結と届出が必要です。
管理監督者にも固定残業代は必要ですか。
労働基準法上の管理監督者には時間外・休日の割増賃金の規定が適用されませんが、深夜の割増は必要です。管理監督者に当たるかは役職名ではなく実態で判断されます。
固定残業の時間数は何時間にするのが一般的ですか。
決まった目安はありません。実際の残業時間の平均を基に、36協定の限度時間の内側で設定する会社が多いようです。