廃業した年の確定申告と手続
最終確認日 2026年10月15日
廃業した年も、1月1日から廃業日までの事業所得を、翌年3月15日までの確定申告で申告します。廃業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、いまは廃業した年分の確定申告期限までに出す書類です。廃業後に払う事業税は、廃業した年の経費に見込みで入れられます。課税事業者だった人は消費税の事業廃止届出書も出し、従業員がいたなら源泉徴収票の交付と給与支払事務所の廃止届が必要です。
出す届出の一覧
- 個人事業の開業・廃業等届出書(廃業欄): 廃業した年分の確定申告期限まで
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書: 青色申告をやめる年の翌年3月15日まで(廃業だけなら廃業届で足りる扱いが一般的)
- 消費税の事業廃止届出書: 課税事業者が事業をやめたとき、速やかに
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書: 従業員がいた場合、廃止から1か月以内
- 都道府県・市区町村への廃業の届出: 各自治体の定める期限
最後の確定申告
廃業した年の1月1日から廃業日までの売上と経費で決算書を作り、翌年3月15日までに確定申告をします。廃業日に残っている在庫や備品を自分で使うことにした場合は、その価額を売上(家事消費)として計上します。
廃業後に入金された売掛金は、廃業前に権利が確定していれば廃業した年の売上です。廃業後に発生した費用で事業に関係するものは、一定の場合に廃業した年の経費にできる特例があります。
事業税の見込控除
個人事業税は前年の所得をもとに翌年課税されるため、廃業した年の所得にかかる事業税は、廃業した後に払うことになります。所得税では、その見込額を廃業した年の経費に入れることができます。
見込額は、事業所得に事業税の税率を掛けて計算するのが一般的な方法です。実際の額が見込額と違ったときは、更正の請求や修正申告で調整します。
従業員がいた場合
従業員がいた場合は、退職した日から1か月以内に源泉徴収票を渡し、給与支払報告書を市区町村に出します。最後の月の源泉所得税は、納付の期限までに納めます。
年末調整を受けていない退職者には、本人が確定申告で精算することを伝えます。
廃業の年の進め方
廃業日を決めたら、売掛金の回収と買掛金の支払いを済ませ、残った在庫や備品の扱いを決めます。そのうえで、廃業届と消費税・給与関係の届出を出し、翌年の確定申告期限までに最後の決算書と申告書を作ります。予定納税の通知が来る場合は、減額の申請ができることもあります。
廃業後も、帳簿と書類の保存期間は続きます。青色申告なら7年間、領収書や帳簿を捨てずに保管しておきます。
よくある質問
廃業した年に赤字だったら。
青色申告なら純損失の繰戻し還付を前年分に対して請求できる場合があります。廃業により繰り越しても使えない赤字の救済として、事業の廃止の場合の特例もあります。
法人にするために廃業するときは。
廃業届の「法人の設立に伴うもの」の欄に設立した法人の名称などを書きます。消費税の届出や減価償却資産の引き継ぎも確かめます。
インボイス登録はどうなりますか。
事業廃止届出書を出すと、登録の効力も失われます。登録の取消しを別に出す必要はないのが一般的です。
出典(確認日)
- 国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など(2026-10-15)
- 国税庁 No.2020 確定申告(2026-10-15)
- 国税庁 No.2200 収入金額とその計算(2026-10-15)
- 国税庁 No.2210 必要経費の知識(2026-10-15)