個人事業主で確定申告が不要な場合と、しなかったとき
最終確認日 2026年10月15日
個人事業主でも、1年間の所得の合計が基礎控除や社会保険料控除などの所得控除の合計以下で、所得税がかからない場合は、所得税の確定申告をする義務はありません。令和8年分は、合計所得金額が489万円以下なら基礎控除は104万円です。ただし、所得税の申告をしないと住民税の申告が別に必要になり、青色申告特別控除や赤字の繰越しも受けられません。
副業の確定申告が必要かの判定ツール
給与のほかに事業や副業の収入がある人が、確定申告をする必要があるかを確かめられます。
必要か確かめる確定申告が不要になる条件
国税庁は、所得金額の合計が所得控除の合計を超え、その超えた額にかかる税額が配当控除などを上回る人に確定申告の義務があると説明しています。言い換えると、所得から控除を引いて税額が出なければ義務はありません。
事業の売上が300万円、経費が180万円なら事業所得は120万円です。基礎控除104万円と国民年金・国民健康保険の社会保険料控除が合わせて16万円以上あれば、課税される所得は0円になり、所得税の申告義務はありません。
申告した方がよい場合
- 報酬から源泉徴収されている(申告すれば還付される)
- 赤字で、翌年以後に繰り越したい(青色申告)
- 青色申告特別控除を受けたい(期限内の申告が条件)
- 国民健康保険料の軽減や、児童手当などの判定に所得の証明が必要
- 給与所得など他の所得があり、事業の赤字と差し引きたい
住民税の申告は別
所得税の確定申告をしない場合でも、住民税の申告は市区町村に必要です。住民税の基礎控除や非課税の基準は所得税と違うため、所得税がかからなくても住民税がかかることがあります。
確定申告をすれば住民税の申告をしたことになるため、迷ったら確定申告をしておくと手続が一度で済みます。
何年も申告していないとき(一般論)
申告すべきだったのに出していない年があるなら、気づいた時点でできるだけ早く期限後申告をします。期限後申告には、納める税額のほかに無申告加算税と延滞税がかかります。
無申告加算税は、税務署の調査の事前通知の前に自主的に出せば5%です。事前通知の後は10%(50万円超の部分15%、300万円超の部分25%)、調査を受けた後は15%(同20%、30%)と重くなります。税務署がさかのぼって税額を決められる期間は原則5年、偽りや不正がある場合は7年です。何年分もある場合や事情が複雑な場合は、個別に税理士へ相談してください。
申告しないと決める前に
所得が控除以下で申告しないと決める場合も、1年分の帳簿と領収書は保存しておきます。翌年に売上が増えて申告が必要になったとき、減価償却の残高や前年の数字がそろっていないと決算書を作り直す手間がかかります。
よくある質問
売上が48万円以下なら申告は不要と聞きました。
所得が基礎控除以下なら税額は出ませんが、基準は売上ではなく所得(売上から経費を引いた額)です。令和8年分の基礎控除は以前の48万円から変わっているため、その年の額で確かめます。
期限後に出しても青色申告特別控除は受けられますか。
55万円・65万円の控除は期限内の申告が条件で、期限後は10万円になります。
期限を1か月以内に過ぎただけなら。
法定申告期限から1か月以内に自主的に申告し、税額を全額納付しているなど一定の条件を満たすと、無申告加算税がかからない扱いがあります。
出典(確認日)
- 国税庁 No.2020 確定申告(2026-10-15)
- 国税庁 No.2024 確定申告を忘れたとき(2026-10-15)
- 国税庁 No.9205 延滞税について(2026-10-15)
- 国税庁 No.1199 基礎控除(2026-10-15)
- 国税庁 No.2070 青色申告制度(2026-10-15)