12月分の売上を1月にもらったときの処理(発生主義)
最終確認日 2026年10月15日
12月に仕事を終えて請求し、代金を翌年1月に受け取った場合、その売上は入金した年ではなく、仕事を終えた12月の年の収入です。所得税では、実際に受け取ったかどうかではなく、収入すべき権利が確定した時期で売上の年を決めます。年末に入金されていない分は売掛金として計上し、経費も同じように、12月に確定していれば1月に払っても12月の年の経費(未払費用)にします。
発生主義の考え方
国税庁は、年末までに現実に金銭を受け取っていなくても、その年に収入すべき権利が確定した金額をその年の収入とし、12月20日に商品を売って代金を翌年1月10日に受け取った場合は、商品を売った年の収入になると説明しています。
いつ権利が確定するかは取引の内容や契約で判断します。商品の販売なら引き渡した日、請負なら完成して引き渡した日、役務の提供ならサービスを終えた日が一般的な目安です。請求書を出した日や入金日では決まりません。
売掛金の仕訳
- 12月31日(仕事を終えた日): 売掛金 110,000 / 売上 110,000
- 1月25日(入金日): 普通預金 110,000 / 売掛金 110,000
- 源泉徴収がある報酬なら、入金時に 普通預金 99,790 ・ 事業主貸 10,210 / 売掛金 110,000(源泉税は所得税の前払い)
- 年末の売掛金の残高は、貸借対照表の売掛金に載る
年をまたぐ経費
経費は、その年の12月31日までに債務が確定したものがその年の経費です。12月分の電気代や通信費を1月に払うなら、12月の年の経費として未払金・未払費用に計上します。
逆に、12月に払っても、翌年分の家賃や翌年に使うサービスの代金は、原則として翌年の経費です。ただし、1年以内の短期の前払費用は、継続して払った年の経費にしている場合に認められる扱いがあります。
現金主義の特例
青色申告者で前々年の所得が300万円以下などの条件を満たす小規模事業者は、届出をすれば、入金と支払いの時点で売上と経費を計上する現金主義を選べます。ただし、現金主義を選ぶと青色申告特別控除は10万円までになります。
現金主義を使っていない限り、年末の売掛金・未払金を拾い出す作業は確定申告の決算の整理で欠かせません。12月の請求書の一覧と1月の入金を突き合わせると漏れを防げます。
年末に確かめること
12月31日の時点で、請求済みで入金されていないもの、仕事は終わったが請求書をまだ出していないもの、届いた請求書で払っていないものを一覧にします。会計ソフトの売掛金・未払金の残高と、この一覧が合っているかを確かめてから決算書を作ります。
よくある質問
毎年同じようにずれるなら、入金基準でもよいのでは。
毎年ずれるとしても、開業した年や廃業した年、売上が大きく変わる年には差が出ます。発生主義で計上するのが原則です。
源泉徴収票のような書類で売上を確かめられますか。
取引先の支払調書は支払った年で作られることが多く、自分の売上の年とずれることがあります。売上は自分の請求書と納品の記録で確かめます。
消費税も同じ年ですか。
消費税も、原則として資産を引き渡した日やサービスを終えた日の課税期間の売上として計算します。
出典(確認日)
- 国税庁 No.2200 収入金額とその計算(2026-10-15)
- 国税庁 No.2210 必要経費の知識(2026-10-15)
- 国税庁 No.2072 青色申告特別控除(2026-10-15)