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助成金とは(雇用関係の助成金)

最終確認日 2026年10月25日

まず、よくある答え

雇用関係の助成金は、従業員の正社員化、賃金の引上げ、研修、育児・介護との両立、休業などに取り組んだ事業主に、厚生労働省が支給するお金です。多くは雇用保険適用事業所であることが条件で、要件を満たして申請すれば原則として支給されます。審査や採択で数が絞られる補助金とはこの点が違います。この記事は雇用関係の助成金の令和8年度(2026年4月1日から)の制度を説明しています(最終確認日 2026年10月25日)。

助成金の金額を計算する

キャリアアップ助成金(正社員化コース)と業務改善助成金は、令和8年度の金額の目安を計算できます。

正社員化コースを計算する

助成金と補助金の違い

中小企業基盤整備機構のJ-Net21は、助成金は要件を満たせば受給できる可能性が高く、要件を満たした事業者には原則として給付されるのに対し、補助金は採択件数や金額が予め決まっているものが多いと説明しています。あわせて、助成金と補助金という言葉は必ずしも明確に区別されていないとも書いています。

雇用関係の助成金の多くは、雇用保険の事業主が負担する保険料をもとにした制度で、各支給要領は雇用保険法62条などを根拠に挙げています。業務改善助成金は名前に助成金とありますが、国の予算による補助金として交付要綱で運用されており、申請の期間や手続きの形が他の雇用関係助成金と少し違います。

出典:J-Net21(中小企業基盤整備機構) 助成金と補助金の違い Q1339

主な雇用関係の助成金(令和8年度)

目的ごとに、使える助成金の目安は次のとおりです。正社員化や処遇改善ならキャリアアップ助成金、事業場内の最低賃金の引上げと設備投資なら業務改善助成金、休業や出向で雇用を守るなら雇用調整助成金です。

研修やリスキリングなら人材開発支援助成金、育児・介護と仕事の両立なら両立支援等助成金、高年齢者や障害者などの採用なら特定求職者雇用開発助成金、外国人労働者の職場環境づくりなら人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)が対象です。障害者の雇用では、障害者雇用の助成金の解説も参考になります。

雇用関係の助成金(令和8年度。詳しい要件は各ページと支給要領で確かめます)
助成金目的主な対象
キャリアアップ助成金有期・無期雇用の人の正社員化、処遇の改善雇用保険適用事業所の事業主(キャリアアップ計画を提出)
業務改善助成金事業場内最低賃金の引上げと生産性向上の設備投資中小企業・小規模事業者(従業員がいること)
雇用調整助成金休業・教育訓練・出向による雇用の維持売上などが10%以上減った事業主
人材開発支援助成金職業訓練・リスキリング訓練計画を出した事業主
両立支援等助成金出産・育児・介護と仕事の両立育休・介護休業の制度と取得の実績がある事業主
特定求職者雇用開発助成金高年齢者・障害者などの雇入れハローワーク等の紹介で雇い入れた事業主
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)外国人労働者の就労環境の整備外国人を雇用する事業主
障害者雇用の助成金障害者の雇入れと職場環境障害者を雇用する事業主

キャリアアップ助成金業務改善助成金雇用調整助成金障害者雇用の助成金人材開発支援助成金両立支援等助成金特定求職者雇用開発助成金外国人を雇用するときの助成金助成金の勘定科目と仕訳

出典:厚生労働省 雇用関係助成金支給要領 共通要領(令和8年10月22日)

対象になる事業主と、個人事業主

雇用関係助成金の共通要領は、対象を雇用保険適用事業所の事業主とし、支給申請日と支給決定日の時点で雇用保険被保険者がいる事業所の事業主であることを求めています。法人でも個人事業主でも、従業員を雇って雇用保険に加入していれば対象になり得ます。

反対に、従業員がいない1人だけの事業では、雇用関係の助成金は使えません。業務改善助成金の厚生労働省のページも、労働者(従業員)がいない場合は対象外としています。家族だけで営む事業では、家族が雇用保険の被保険者に当たるかどうかで判断が変わります。

出典:厚生労働省 雇用関係助成金支給要領 共通要領(令和8年10月22日)

申請の流れと、先にすること

多くの助成金は、取組みの前に計画や届を出すことが条件です。キャリアアップ助成金は転換日の前日までにキャリアアップ計画を、雇用調整助成金は休業の前日までに計画届を、人材開発支援助成金は訓練の前に訓練計画を出します。取組みが終わってから知っても、さかのぼって申請できないものがほとんどです。

取組みのあとは、支給要領で決まった期間内に支給申請をし、労働局の審査を経て支給が決まります。申請期間を1日でも過ぎると受け付けられないため、賃金の支払日や休業の期間から逆算して予定を立てます。支給の可否と金額は都道府県労働局が決め、制度は毎年度4月に見直されます。

出典:厚生労働省 雇用関係助成金支給要領 共通要領(令和8年10月22日)

不正受給と、社会保険労務士に頼むとき

共通要領は、不正受給があった場合、支給額の返還に加えて延滞金と返還額の2割に当たる額を求め、5年間はほかの雇用関係助成金も支給しないとしています。一定の場合は事業主名などが公表され、関わった社会保険労務士や代理人も連帯して返還の責任を負います。

助成金の申請書の作成や提出の代行を、他人の求めに応じ報酬を得て業として行えるのは、社会保険労務士と社会保険労務士法人です(社会保険労務士法2条、27条)。計画の時期の見極めや就業規則の整備が必要な助成金では、早めに社会保険労務士に相談すると、要件の見落としを防ぎやすくなります。

出典:社会保険労務士法(e-Gov法令検索)第2条・第27条

働き方改革推進支援助成金(令和8年度)

働き方改革推進支援助成金は、中小企業が労働時間の短縮や年次有給休暇の取得促進などに取り組むための助成金です。令和8年度は、勤務間インターバル導入、労働時間短縮・年休促進支援、業種別課題対応(建設、運送業等、病院等、砂糖製造業、情報通信業・宿泊業)、取引環境改善(令和8年度の新設)、団体推進支援の各コースがあります。

労働時間短縮・年休促進支援コースのページは、令和8年度の交付申請の期限を令和8年11月30日午後5時としています。こちらも交付申請のあとに取組みを始める形で、コースごとに期限や対象経費が違うため、厚生労働省の各コースのページで確かめます。

出典:厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(令和8年度 概要)

よくある勘違い

「助成金は申請すれば誰でももらえる。」

→ 雇用関係の助成金は、雇用保険適用事業所で、各支給要領の要件を満たした事業主が対象です。要件を満たすかは労働局が判断します。

「取組みが終わってから申請すればよい。」

→ 多くの助成金は、取組みの前に計画や届を出すことが条件です。後からでは間に合わないものがほとんどです。

「従業員がいない個人事業主でも使える助成金がある。」

→ 雇用関係の助成金は、雇用保険の被保険者がいる事業所の事業主が対象です。1人だけの事業は対象になりません。

よくある質問

助成金は返さなくてよいのですか。

支給されたお金は原則として返済不要です。ただし不正受給や要件違反があれば返還を求められます。

社会保険労務士に頼むと費用はどのくらいですか。

公的に決まった報酬の基準はなく、事務所ごとに違います。

出典(確認日)

助成金の一般的な説明です(令和8年度)。支給の可否と金額は都道府県労働局が決め、制度は毎年度4月に変わります。申請書類の作成・提出の代行を報酬を得て業として行えるのは社会保険労務士です(社会保険労務士法27条)。実際の申請は都道府県労働局又は社会保険労務士にご確認ください。