雇用調整助成金とは
最終確認日 2026年10月25日
雇用調整助成金は、景気の変動などで事業活動を縮小せざるを得なくなった事業主が、休業や教育訓練、出向で従業員の雇用を守ったときに、休業手当などの一部を助成する制度です。助成率は中小企業2/3、大企業1/2で、1人1日の上限額は令和8年8月1日時点で9,110円です。この記事は雇用調整助成金の令和8年度(2026年4月1日から)の制度を説明しています(最終確認日 2026年10月25日)。
雇用関係の助成金一覧
目的ごとに使える助成金と、それぞれの解説をまとめています。
一覧を見る対象になる条件
生産量の要件は、売上高や生産量などの最近3か月の月平均が、前年同期と比べて10%以上減っていることです。事業所を開設して1年未満の場合は、前年同期と比べられないためこの要件で判定できません。
雇用量の要件として、雇用保険被保険者数などが前年同期より、中小企業は10%を超えかつ4人以上、大企業は5%を超えかつ6人以上増えていないことが求められます。対象になる労働者は、雇用保険の被保険者として6か月以上雇用されている人で、休業の規模は中小企業で1/20以上、大企業で1/15以上が必要です。
助成率と上限額、教育訓練
助成率は、休業手当などの額に対して中小企業2/3、大企業1/2です。1人1日の上限額は雇用保険の基本手当日額の最高額で、ガイドブックは令和8年8月1日時点で9,110円としています。基本手当日額が毎年8月1日に見直されるため、上限額も変わります。
休業の代わりに教育訓練を行った場合は、1人1日1,200円の加算があります。支給日数が30日を超えると、教育訓練を行った日数の割合によって助成率が変わり、訓練がほとんどない場合は中小企業1/2、大企業1/4に下がります。
支給限度日数、計画届、申請の期限
支給の限度は、1年間で100日、3年間で150日です。前回の対象期間が終わってから1年を超えないと、新しい対象期間を始められません(クーリング期間)。
休業などを始める前に、計画届を労働局又はハローワークへ出します。期限は休業の前日までですが、初めて出すときは2週間前までをめどに出すよう案内されています。支給申請は、支給対象期間が終わってから2か月以内です。計画届と支給申請の様式は、厚生労働省の雇用調整助成金のページに、令和8年8月1日に更新されたものが掲載されています。
中東情勢の影響を受けた事業主
厚生労働省は、中東情勢の影響を受ける事業主向けのリーフレットを出しています。特例ではなく、通常の要件(助成率、上限額、支給限度日数)で利用する形です。
リーフレットのよくある質問は、3か月すべてで減少している必要はなく、直近1か月の生産量などが急激に落ち込んだ場合でも、3か月平均で前年同期より10%以上減っていれば生産量の要件を満たすと説明しています。売上が増えた場合に要件を満たすとは書かれていません。
不正受給
休業していない日を休業と偽るなどの不正受給があった場合、支給額の返還に加えて延滞金と返還額の2割に当たる額を納め、5年間は雇用関係助成金が支給されません。一定の場合は事業主名などが公表されます。休業の実績は、出勤簿や賃金台帳で確認されます。
よくある勘違い
「売上が少しでも減れば、雇用調整助成金を受けられる。」
→ 最近3か月の月平均で前年同期より10%以上の減少が必要です。雇用量や休業規模の要件もあります。
「上限額はずっと同じだ。」
→ 上限額は雇用保険の基本手当日額の最高額で、毎年8月1日に見直されます。令和8年8月1日時点は9,110円です。
「中東情勢の影響なら特例で受けられる。」
→ 厚生労働省のリーフレットは特例ではなく、通常の要件で利用する形を説明しています。
よくある質問
計画届を出し忘れて休業を始めました。
計画届は休業の前日までに出すことが要件です。間に合わなかった期間の扱いは、すぐに労働局に相談します。
パートやアルバイトも対象ですか。
雇用保険の被保険者として6か月以上雇用されている人が対象です。
出典(確認日)
- 厚生労働省 雇用調整助成金(2026-10-25)
- 厚生労働省 雇用調整助成金ガイドブック(令和8年8月1日現在)(2026-10-25)
- 厚生労働省 雇用調整助成金 支給要領(令和8年9月10日)(2026-10-25)
- 厚生労働省 中東情勢の影響を受ける事業主の方へ(雇用調整助成金 リーフレット LL080801企01)(2026-10-25)
- 厚生労働省 雇用関係助成金支給要領 共通要領(令和8年10月22日)(2026-10-25)