助成金の勘定科目と仕訳
最終確認日 2026年10月25日
助成金は、一般に雑収入(営業外収益)の勘定科目で処理されます。国税庁は、国や地方公共団体からの補助金や助成金は対価を得て行う取引ではないため、消費税の課税の対象にならない(不課税)としています。法人税では、休業手当や賃金を補う給付金は、その事実があった日の属する事業年度に、金額が確定していなくても見積って益金に入れます(法人税基本通達2-1-42)。この記事は助成金の会計処理の令和8年度(2026年4月1日から)の制度を説明しています(最終確認日 2026年10月25日)。
雇用関係の助成金一覧(令和8年度)
目的ごとに使える助成金と、それぞれの解説、金額の計算ツールをまとめています。
一覧を見る勘定科目と仕訳の例
助成金をどの勘定科目で処理するかを定めた公的な決まりは見当たりませんでした。実務では雑収入(営業外収益)とする例が多く、金額が大きく継続して受けるものは助成金収入などの科目を設けることもあります。
支給決定の通知を受けて入金を待つ場合は、未収入金 / 雑収入、入金のときに普通預金 / 未収入金と記帳します。入金と同時に計上する場合は、普通預金 / 雑収入です。どの時点で計上するかは、次の法人税の考え方で判断します。入金が決算をまたぐときは、支給決定通知書の日付と入金日を記録しておくと、計上の時期を説明しやすくなります。
消費税は不課税
国税庁のタックスアンサーNo.6157は、課税の対象とならないものの例として、国又は地方公共団体からの補助金や助成金等を挙げ、一般的に対価を得て行う取引ではないからと説明しています。雇用関係の助成金は、消費税の計算では不課税の収入として扱います。
業務改善助成金は、設備投資の費用に対する助成のため、交付要綱15条に消費税の仕入控除税額の報告と返還の定めがあります。課税事業者が助成対象の設備の消費税を仕入税額控除した場合、その額を助成事業の完了日の属する年度の翌々年度6月30日までに報告し、国庫に返還します。
法人税で計上する時期
法人税基本通達2-1-42は、休業手当、賃金、職業訓練費などの経費を補う目的の給付金は、給付の原因となった休業、就業、職業訓練などの事実があった日の属する事業年度の終了の日に、交付を受ける金額が具体的に確定していなくても、その金額を見積って益金の額に算入するとしています。雇用調整助成金や人材開発支援助成金は、この考え方に当たります。
同じ通達の注は、定年の延長や高年齢者・身体障害者の雇用など雇用の改善を目的とする奨励金は、支給決定があった日の属する事業年度の益金とするとしています。助成金ごとに目的が違うため、どちらに当たるかは支給要領の目的を見て判断し、迷うときは税理士に確かめます。
個人事業主の場合
個人事業主が事業に関して受け取った助成金は、事業所得の収入として雑収入に計上するのが一般的です。ただ、雇用関係の助成金について所得税の扱いを直接説明した国税庁のページは、今回は見つかりませんでした。確定申告の前に、税務署や税理士に確かめます。
消費税が不課税になる点は、法人と同じです。青色申告決算書では、雑収入の欄に記入します。
よくある勘違い
「助成金には消費税がかかる。」
→ 国税庁は、国や地方公共団体からの助成金は対価を得て行う取引ではないため不課税としています。
「助成金はいつも入金した日に計上すればよい。」
→ 法人税では、休業手当などを補う給付金は事実があった日の属する事業年度に見積って計上します。奨励金は支給決定の日の事業年度です。
よくある質問
助成金は益金不算入になりますか。
法人税では益金に算入します。計上の時期は通達2-1-42で判断します。
業務改善助成金で消費税を返すのはどんなときですか。
課税事業者が助成対象の経費の消費税を仕入税額控除したときです。交付要綱15条で報告と返還が定められています。
出典(確認日)
- 国税庁 タックスアンサー No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例(2026-10-25)
- 国税庁 法人税基本通達 2-1-42 法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期(2026-10-25)
- 厚生労働省 業務改善助成金 交付要綱(令和8年4月22日適用)(2026-10-25)