海外のクライアントへ初めて英文請求書を出すとき、「日本の請求書をそのまま英訳すればよいのか」「消費税や御中はどう扱うのか」と迷う方は少なくありません。本記事では、英文請求書に必要な記載項目、間違えやすいポイント、そのまま使える英語例文までを一枚にまとめました。個別の税務判断は顧問税理士にご確認ください(執筆時点:2026年9月)。

英文請求書に必要な記載項目

英文請求書(Invoice)に最低限そろえておきたい項目は次のとおりです。日本語の請求書と考え方は同じですが、英語での定訳を押さえておくと相手に伝わりやすくなります。

  • Invoice(請求書のタイトル)Invoice No.(請求書番号)
  • Issue date(発行日)Due date(支払期限)
  • 発行者(自社)名・住所・連絡先
  • 請求先(Bill to) の会社名・住所
  • 品目(Description)・数量(Qty)・単価(Unit price)・金額(Amount)
  • 小計(Subtotal)・消費税(Consumption tax)・合計(Total)
  • 振込先(Payment details):銀行名、支店、口座番号、口座名義、海外送金用のSWIFT/BICコード

適格請求書発行事業者であれば、登録番号(Registration number、Tの後に13桁)も記載します。

適格請求書(インボイス)として出す場合の記載事項

インボイス制度のもとで適格請求書を交付する場合、記載が必要な事項は国税庁のタックスアンサーNo.6625に定められています。英文でもこの6項目を満たしておくことが大切です(国税庁 No.6625 適格請求書等の記載事項)。

  1. 書類作成者(発行者)の氏名または名称および登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  4. 税率ごとに区分して合計した対価の額および適用税率
  5. 税率ごとに区分した消費税額等
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

外貨建てで請求する場合でも、税率ごとの消費税額は円で記載する点に注意してください。

日本の慣習と違う3つのポイント

英文請求書では、日本の請求書の感覚のままだと不自然になる箇所があります。

  • 御中・様は使わない:英語版では宛先に敬称を付けず、会社名のみを記載します。日英併記の請求書でも、英語側には御中を出さないのが自然です。
  • 消費税の扱い:海外の事業者向けサービスは、輸出免税(0%)か不課税になることが多く、標準の10%をそのまま乗せるとは限りません。区分の考え方は英文請求書の消費税の書き方で詳しく解説しています。
  • 送金手数料の負担:海外送金では中継銀行手数料が発生します。誰が負担するか(当方負担・折半・先方負担)を請求書に明記しておくとトラブルを防げます。

そのまま使える英語例文

請求書に添える一文や、メール本文に使える表現の例です。

  • 依頼のあいさつ:Please find attached our invoice No. INV-0001 for services rendered in September 2026.
  • 支払期限:Payment is due within 30 days of the invoice date (net 30).
  • 送金手数料:Please note that all bank transfer charges, including intermediary bank fees, are to be borne by the payer.
  • 消費税の注記(輸出免税):Consumption tax: 0% (export-exempt under Japanese Consumption Tax Law).

よくある間違い

  • 円建ての金額をそのまま$記号に置き換えてしまう(為替換算が必要です)。
  • SWIFT/BICコードを書き忘れ、相手が送金できない。
  • 適格請求書なのに税率ごとの消費税額(円)が抜けている。
  • 支払期限を和暦や曖昧な表現で書き、相手が読み取れない。

テンプレートを手作業で作るか、ツールで作るか

Excelやワードの英文テンプレートを一度作れば再利用はできますが、為替換算・税率別内訳・適格請求書の要件を毎回手で保つのは負担が大きく、転記ミスも起こりがちです。freeeをお使いの場合の作り方はfreeeで英語の請求書を作る方法でも取り上げています。

BridgeInvoiceの請求書ビルダーは、これらの記載項目・税率別内訳・外貨換算・SWIFTコードをテンプレート側で自動的に整えます。見積書(Quotation)や領収書(Receipt)も同じ流れで作成できます。

まずは英文請求書を無料で作成してみてください。見積書から始めたい場合は見積書モードで作成、海外取引の消費税設定から始めたい場合は海外取引の設定で作成できます。

よくある質問

Q. 英文請求書に印鑑(角印)は必要ですか。 海外の取引先にとって印鑑は必須ではなく、署名や会社名の記載で足りるのが一般的です。国内の慣習に合わせたい場合は、角印の画像や自動生成の角印を添えることもできます。

Q. 消費税(Consumption tax)は必ず書くべきですか。 輸出免税や不課税で税額が0円の場合でも、0%である旨や課税対象外である旨を注記しておくと、相手が金額の内訳を誤解しません。適格請求書として交付する場合は、税率ごとの消費税額を円で記載します。

Q. 支払期限はどう書けばよいですか。 Due date: 2026-10-31 のように日付を明記し、あわせて net 30(発行日から30日以内)のような支払条件を添えると誤解がありません。

まとめ

英文請求書は、記載項目そのものは日本語の請求書と大きく変わりません。違いが出るのは、御中を使わないこと、消費税の区分、送金手数料の明記、そして適格請求書としての6項目を英文でも満たすことです。要点を押さえれば、海外クライアントにそのまま送れる請求書がつくれます。判断に迷う税区分は、顧問税理士にご確認ください。